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10月15日 京都11R 秋華賞(G1)

netkeibaデスクの見解

※火曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 阪神JFとオークスを勝って世代最強と目されるソウルスターリングが天皇賞挑戦のため不在。また、桜花賞勝ち馬レーヌミノルは距離の不安が払拭されずに存在感が薄くなっている。春の二冠とは勢力図が大きく変わって、今年の秋華賞は大混戦という様相を呈している。

 しかしながら、じつは牝馬戦線においては、こういう状況は特殊なケースではない。昨年もオークスと前哨戦のローズSを制したシンハライト、阪神JFを勝って桜花賞で断然人気に支持されたメジャーエンブレムは秋GIには不在だったし、桜花賞馬のジュエラーも勢いを失っていた。

 牝馬は消長が激しいため、ピーク時の能力を維持することが牡馬以上に困難だ。昔の名前がそのまま通用しないのが、牝馬GIの難しいところである。春と秋で上位馬がガラッと入れ替わることは、牝馬路線ではさほど珍しいことではない。

1.春の実績よりも順調さが重要

 過去10年の連対馬20頭のうち19頭は、前走で5着以内に入っていた。さらに1着馬のうち7頭、2着馬のうち6頭は前走でも連対を確保していた。昨年2番人気のジュエラーはローズS11着から秋華賞では4着、2014年2番人気のレッドリヴェールはローズS6着から秋華賞でも6着。勢いを失った春の実績馬の巻き返しは簡単ではない。

2.三冠で唯一の小回り決戦

 阪神JF、桜花賞、オークスと、3歳牝馬の重要レースは大部分が直線が長いコースで行われる。馬によっては小回りコースを走るのが初めてというケースさえあり、小回り実績は無視できない要素だ。昨年の1・2着馬ヴィブロスとパールコードはいずれも小回りの中距離戦に勝ち星があった。一昨年2・3着のクイーンズリング、マキシマムドパリ、2014年の勝ち馬ショウナンパンドラ、3着のタガノエトワールも同様。

3.古馬混合戦での経験が活きる

 昨年の勝ち馬ヴィブロス、一昨年3着のマキシマムドパリ、2014年の勝ち馬ショウナンパンドラ、2013年2着のスマートレイアー、2012年3着のアロマティコ、2011年の勝ち馬アヴェンチュラ、2着のキョウワジャンヌにはいずれも「前走か前々走で古馬混合のレースを走って勝っていた」という共通点があった。同世代の牝馬相手にしか実績のない馬は割引が必要。

 ディアドラは春の二冠は6、4着に終わったが、両レースとも上がり3Fはメンバー中最速ラップをマークしている。前走の紫苑Sは本番を見据えた仕上げだったにも関わらず、レース上がり3F34.3秒という速い上がりを大外から差し切ってみせた。コーナー4つの中距離戦をマクリながら差す形が板について、ここに来て2連勝。適性的にここがベストと思えるし、前走よりはペースが流れるだろうから競馬もしやすくなるはず。なにより絶好調の勢いが魅力だ。ちなみにハービンジャー産駒は芝2000mの重賞ではこれまで5勝2着5回と、もっとも得意とする条件でもある。

 アエロリットはNHKマイルCを早め先頭から突き放して、古馬相手のクイーンSも逃げて完勝。型に嵌まると手のつけられない強さを発揮する反面、競馬ぶりがやや大味なのも事実だ。2000mへの距離延長も未知数で、今回は自身との戦いになる。ラビットランは芝に転向して2戦2勝。今回は距離延長と小回り戦への対応が課題になるが、一気にトップスピードに乗ってくる瞬発力は直線が短いコースでも脅威だ。芝での2戦はいずれも3F33秒台のメンバー中最速上がりで、芝ではまだ底を見せていない。

 カワキタエンカはローズSで見せ場充分の2着。今回は同型のアエロリットの存在が鍵になるが、本来控えての競馬もできるタイプである。バッタリとは止まらない馬であり、直線が短いコースに替わるのは当然プラスになる。ポールヴァンドルは差しに回った紫苑Sで小差3着。距離への自信を深める内容だった。本来は先行力のある馬でコース形態は向きそうで、初となる関西圏への遠征をクリアーできれば。

 リスグラシューは線の細さがあって、使ったあとに疲労が残りやすい面がある。最後に脚を使って3着したローズSは、チューリップ賞と同じパターン。続く桜花賞で2着したように、本番での巻き返しが期待できる。モズカッチャンはローズSでは、最後に脚が上がって7着。14kg増と休み明けが響いた形だった。叩いての上積みが期待されるところだが、もともと攻め駆けしないタイプで、春シーズンは使い込んで調子を上げていった経緯がある。どれだけ絞れるかがポイントになる。

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