最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします
※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。 春の天皇賞は、数少ない長距離の大一番ですが、最近はすっかり「荒れて当たり前」のレースとして定着してしまいました。最近10年間で1番人気に応えて連対を果たした馬は、一頭もいません。 どうして人気馬が簡単に負けてしまうのか。ひとつの原因として、京都の馬場の高速化が進むことで、スタミナだけではなくスピードが求められるようになっていることが挙げられるでしょう。 1.阪神大賞典組より中距離ステップ 阪神大賞典からの臨戦馬は、最近10年間で3勝していますが、出走頭数自体が多いこともあって、連対率としては7.3%にとどまり、13.5%の日経賞、33.3%の大阪杯に対して遅れをとっています。3000mのGII戦ということで、毎年長距離志向の強い馬が集まりますが、そのために本番のスピードレースとは関連性の薄いラップ推移になってしまうことが不振の原因だと思われます。 2.先行する準備はできているか 過去10年で阪神大賞典から臨んだ馬は[3-1-4-47]ですが、「阪神大賞典で4コーナー2番手以内だった」馬の成績が[3-1-1-16]。つまり、阪神大賞典組で天皇賞で連対した馬は、すべて前走で4コーナー2番手以内の競馬をしていた、ということです。阪神大賞典組に限らず前走の脚質が「先行」だった馬は[6-3-4-43]。近年の天皇賞で勝負に行くためには、序盤に脚を使って好位を確保する必要があります。折合に不安があるような馬ではそれもままならないのだ、というデータ。 3.ベテランのキャリアが活きる 過去10年間で4歳馬が4勝を挙げていますが、5、6歳も3勝ずつしていて、連対数ではそれぞれ6・7・5と互角です。一昨年の勝ち馬ゴールドシップは春の天皇賞には3度めの挑戦でしたし、2012年のビートブラック、2010年のジャガーメイルもそれぞれ2度めの挑戦での勝利でした。これらの馬はいずれも以前の参戦では馬券圏外に敗れており、敗戦経験を活かしての巻き返し勝利だったことは注目されます。つまり、春の天皇賞では、キャリアを積むことで成績が上がる余地があるのです。 昨年の有馬記念で接戦を演じたサトノダイヤモンドとキタサンブラックの両雄が、それぞれ阪神大賞典と大阪杯で強さを見せつけて再び激突します。二強対決という前評判ですが、過去のデータからスクリーニングすると、中距離ステップ、先行脚質、春の天皇賞経験を兼ね備えたキタサンブラックが、軸馬としての信頼性ではっきりとリードしています。これまで直線に坂のない京都では3戦3勝。有馬記念ではライバルとの着差はクビでしたが、今回はリベンジするチャンスです。 サトノダイヤモンドについて唯一引っかかるデータは、阪神大賞典組で先行していなかった、という点。それでも4コーナーでは4番手でしたから、難癖に近い面はあります。しかし、10頭立てだった阪神大賞典よりは馬群を捌くのが難しくなることは確実です。近年の天皇賞(春)では、毎年のように直線で大渋滞が起こっていますから、差し馬はひとつリスクを背負うことになります。 シュヴァルグランは阪神大賞典ではサトノダイヤモンドに完敗の形ですが、ライバルより一歩先に動いて、4コーナー2番手の競馬だったことに注目。あれは、天皇賞で勝ち負けするためにあえて打った布石だったと考えます。昨春の天皇賞でも3着しており、キャリアを積んだ今年は昨年以上の結果を期待できます。 ゴールドアクターは年齢とともにズブさが出ている印象ですが、そのぶん適性がシフトして長距離戦仕様になっている可能性が考えられます。中長距離GIを5戦して3回馬券圏内に入っている実績馬を、前走だけでは見限れません。天皇賞挑戦2度目というのも買い材料。 アルバートもまた天皇賞挑戦は2回目。去年と違って、今年は前走のダイヤモンドSで58kgを背負って勝ってきた点が強調できます。天皇賞は数少ない定量58kgのレースですから、前走の斤量は重ければ重いほど成績が良いという傾向があります。 その意味で、前走の日経賞が55kgでの勝利だったシャケトラは割り引き。日経賞組からは、先行して0.1秒差3着だったアドマイヤデウスの方が上の評価になります。同様に先行力のあるタマモベストプレイも、春の天皇賞には2回目の挑戦。今年は万葉Sを勝つなどステイヤーとしてステップアップしており、ヒモにはくわえたい馬です。ゴールドアクターを降ろされた吉田隼人騎手の意地にも期待。
2強の線が崩れるとしたらスタミナ持続戦になったときだろうが、ハーツクライ産駒は京都の下りが得意ではないので菊や春天では…
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