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◎ドウデュース

2歳時に朝日杯、3歳時にダービーを勝っていて直線の長いコースで結果を残しているが、個人的にこの馬の強さを最も感じたレースは4歳2月の京都記念。阪神内回り2200mで行われたレースだが、後方待機から4コーナーで大外をほぼ持ったままの手応えで捲っていき直線に入ってから仕掛けると素早く反応して後続を突き放しての3馬身差の完勝劇。コーナーで楽にポジションを押し上げていけるコーナリングの上手さと追ってからの反応の良さを見る限り、この馬のベストの条件はコーナーの多い小回りコースにあると感じさせるレースぶりだった。その後は予定していたドバイ遠征が流れてしまい春は休養、秋は東京の天皇賞7着、JC4着と馬券圏内に入っていないが、天皇賞に関しては休み明けと急遽の騎手変更が災いし、かなりのハイペースながら道中で行きたがるのを制御しきれず消耗した。JCは天皇賞に比べれば折り合いも多少ましになったがまだかかる面を見せており、長い直線のラストで脚があがって4着。勝ったイクイノックスは強すぎたが、2着スターズオンアースとは着差はそれほどない。今回、秋3戦目のローテーションが不安視されてはいるが、この馬の場合は2歳時の朝日杯、3歳時のダービーと叩き3戦目のレースを制した実績が有る。飼い葉食いが旺盛なタイプで休み明けはむしろ馬体が絞り切れないためやや低調なパフォーマンスになりがちな叩き良化タイプとみている。今回は前走との比較で小回りコースに替わるぶんパフォーマンスを伸ばすと見ているので本命で勝ちきりに期待する。

〇ソールオリエンス

斤量的に有利な3歳馬で最内枠を引き有馬記念で有利な条件が揃っている。前走の菊花賞は最後バテて伸びが鈍っており距離適性の限界を多少超えていた印象。キタサンブラック産駒だが父と比べるとコンパクトな馬体をしており体形からも中距離がベストなので今回距離短縮はプラス材料。今回は鞍上が乗り替わりだが、川田騎手に乗り替わるのは個人的には悪くないと見ている。ポジションを取りに行くジョッキーなのでこの馬でも後方待機ではなく好位〜中団インのポジションを取りに行きそうで、前を射程に置いての競馬をしそう。今回は逃げそうなのがタイトルホルダーくらいでペースが緩みそうなのである程度前につける必要はあると思うので川田騎手になるのは心強い。

▲ライラック

穴で妙味がありそうなのがこの馬。もともと輸送に弱く馬体重が減ってしまい戻すのに苦労していた馬だが、前々走で+18キロと大幅に馬体を増やすことに成功しており、東京1800mのスロー瞬発力戦でも見劣りしない末脚を繰り出しての3着は評価できる内容だった。関西圏に輸送だった前走も馬体重前走比-6キロに踏みとどまることができており、レースでは後方から直線の仕掛け所で一瞬前が詰まって追い辛い場面が合って脚を余して4着。スムーズなら勝ち馬に迫れるくらいの走りはできており、成長を裏付けるパフォーマンスだった。今回は地元関東圏のレースになり、得意の小回りでの立ち回りを最大限生かせる有馬記念のコースはベストの舞台。人気は無いが、現状で牝馬G1クラスなら勝ち負けレベルにはあると見ているので通用していい。

△ジャスティンパレス

能力はこのメンバーでもトップクラスの馬で実績十分、このレースに向けての臨戦も天皇賞からの直行で反動の心配もなく万全。ただこの馬の場合はコース適性にやや不安があると見ている。昨年のこのレースは7着に敗れており、最内を先行した戦法が裏目に出たという見方がされているが、この馬の直後にいたイズジョーノキセキが1５番人気4着、その1列後ろにいたウインマイティーが15番人気6着と健闘しており、内が不利な馬場状態ではなかった。この馬が走れなかった原因はコーナーで手応えが悪くなり位置取りを上げていけない脚質に問題があると見ていて、実際今年の春の宝塚記念も3コーナーでイクイノックスやスルーセブンシーズよりも前にいたが4コーナーで仕掛けて反応が悪くポジションが下がって、直線に入った所では後方の位置までポジションが下がっており、直線に入ってから伸びて何とか3着を確保、というレースぶり。その他のレースを見てみても4コーナーを手ごたえ良く回ってきたレースが無く、直線に入ってすぐに内にもたれるレース(皐月賞、ダービー等)もありコーナリングが下手な部類に入る。小回りコースで仕掛け所が4コーナーになるコースは適性があまり高くないと見ているので評価としては押さえまで。

△スルーセブンシーズ

宝塚記念でイクイノックスに迫る2着。イクイノックスに関しては春の宝塚記念は本調子とは言えない状態ではあったが、直線で進路が詰まりながらも捌いて再加速して肉迫したレースぶりは伊達ではなさそう。この馬も本命馬同様コーナーを持ったままの手応えで位置取りを押し上げていけるコーナリングの上手さがあり仕掛けて反応良く加速できる器用さがあるので小回り適性が高い。立ち回りが上手いタイプだけに今回は8枠に入ってしまったのはかなり痛いので評価は下げざるを得ないが抑える必要はあると見る。上手く立ち回ることができれば勝ちまで十分ありそう。

△スターズオンアース

この馬も大外枠を引かされた馬だが、この馬の場合は跳びが大きく器用さに欠ける反面スピードに乗ってしまえば長く破壊力のある足を使えるタイプ。流石に大外枠は不利ではあるがタイプ的には最内枠で器用な立ち回りを求められるのも苦手そうなタイプだけにまだマシ。広い東京コースが適性的にベストで、前走ほどのパフォーマンスが出せない可能性は高そうだが地力はトップクラス。本来1番人気候補の所、大外枠が嫌われて6番人気まで人気が落ちるならば押さえてよさそう。

その他の有力馬の見解

タイトルホルダー

4歳春までの走りは強かったが、凱旋門賞後のレースぶりが低調。得意の小回りコースでも前々走のオールカマーではマイペースで運びながら直線で捕まっており能力的な衰えが隠せていない。過去2度の有馬記念でも馬券圏外に沈んでおりそもそもこの時期のレースが得意ではない可能性もあり抑えるには至らなかった。

タスティエーラ

ソールオリエンスと好勝負を繰り広げてきた馬だが、この馬の場合は器用な立ち回りが武器で、その長所を生かすためには絶対的に内枠が欲しかったところ。外枠からだと器用さを活かす競馬ができない可能性が高いので評価を下げた。

ディープボンド

一昨年の2着の実績が有りコース適性が有り、いい枠を引いたので全盛期の走りを再現できれば通用しても良いが、近走の走りを見る限り緩やかながら衰えは否定できない所。調教面で変わり身を期待出来そうな走りがあれば評価してもよかったが、見た限りでは変わり身に乏しい印象。

シャフリヤール

香港遠征の予定だったのが除外されてしまい急遽有馬記念に変更した関係で栗東での調整ではなく、検疫馬房での調整でトレセン入りできていない。万全の状態で使える可能性は低そうで、適性的にも東京がベストの馬。人気がガクッと落ちるので保険で抑える選択はアリだが、強気には推せない。