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　コントレイルにとって今回がラストランになってしまった。「なってしまった」というのは3冠制覇後に真価を発揮できないままに現役が終わってしまうのが残念な気がするからだ。確かに成長がないという声もあるが、あの東スポ杯2歳Sの衝撃の勝ちっぷりから大きく成長していたら言い方は悪いが「化け物」ということになってしまう。菊花賞が3000mで辛勝。そこから絶好調とは言えない状態でジャパンCに参戦し史上初の3冠馬3頭対決で2着。シンボリルドルフもディープインパクトも無敗の3冠馬は古馬との初対戦でいずれも敗れた。ただ、連敗はしなかった。コントレイルにとって不運だったのは大阪杯が特殊な道悪だったこと。ここで3着に敗れて疲れも残った。天皇賞・秋はエフフォーリアに及ばず2着。どうもゲートが悪くなって好位を取れなかったのが結果的に響いた。ラストランの今回は究極の仕上げ。相手もシャフリヤール以外は正直負けられないメンバーだ。過去の3冠馬は菊花賞で引退したセントライト以外、3冠制覇後に未勝利で終わった馬はいない。プライドに懸けてもここは落とせない。絶好の枠順から流れに乗れば正攻法で押し切るはずだ。
　シャフリヤールもコントレイルにとっての大阪杯のように道悪の神戸新聞杯で4着。とはいえこの一戦で評価を下げるのは早計だ。毎日杯の驚異的レコード勝ちと、馬群をさばくのに苦労して最後にエフフォーリアを差し切ったダービーは強い競馬だった。一瞬の切れをどこで生かすか。コントレイルもシャフリヤールもスローの爆発力勝負が合うだけに2頭の一騎打ちという評価でいいだろう。
　キセキは一昨年のジャパンC2着の内容を評価したい。ここは単騎逃げ濃厚。マイペースで上がりのかかる流れに持ち込みたい。オーソリティは東京巧者。これまではGIの壁に跳ね返されたが成長した今なら大きく崩れないだろう。アリストテレスはしぶとさが生きる流れなら末脚堅実。サンレイポケットは天皇賞・秋で4着に好走したように目下絶好調。左回りも向く。外国馬はBCターフ好走馬なら通用する。デルマーの硬い馬場で2着のブルームが筆頭だ。馬券はコントレイルとシャフリヤールの馬連を大本線に2頭軸の3連複を押さえる。