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　コスタノヴァ。
　初めて買う馬。
　ロードカナロア産駒の、ダートの牡馬。
　良駒だろう。

　ここ２戦、地方競馬ではボコボコに負けていたが、昔も令和も変わらずに「基本的にダート馬は、中央タイプと地方交流タイプ」に分けた方がいい。ダート路線が整備された、今。これは古しい視点でもあるが、見落とされている視点でもある。逆に重要とも言える。

　【アメリカンフェイロー産駒のダート王者・カフェファラオなど、交流重賞では無視し、フェブラリーSで２回買いうだけにした】
　これも中央ダート巧者タイプ。そしてそういう馬は『東京』を好む馬がけっこう多いものだ。

　コスタノヴァは成績を見ての通り。東京巧者。あとは出遅れが恐いが、それよりももっと恐いのは、この点の東京ダート巧者には「一瞬の勢いだけで強かった」というタイプもいること。モズアスコットの現役時代などがそうだった。

　ただ、コスタノヴァの場合『芝もダートも東京１４００〜１６００ｍが得意の血統・ロードカナロアの産駒』という裏付けがある。個体的に東京が得意なのではなく、血統的に得意だ。「数をそれほど使っていない、ダート王者、フェブラリーＳ馬の５歳秋」という状況での武蔵野Ｓ参戦。ここで変わり身を見せたい。

　鞍上は、ルメールジョッキー。
　この馬のことは手の内に入っているはずで、地方交流重賞の時とはキッチリと切り替えて、正攻法差しをしてもらいたい。

　先週、同じ東京ダート巧者のヴァンドームでやっていた、最後方から、馬群を割りながらコーナーリング、そのぶん３着、みたいな騎乗はいらない。中団、もしくは中団のすぐ後ろ当たりから。直線で、真一文字に、ビッシリと末脚を使わせるような競馬をしてもらいたい。


　もう１頭、待っていた馬が出てくる。
　前走を６０キロで圧勝した、オメガギネス。メチャクチャに強い時と、メチャクチャに弱い時があるタイプ。ポイントは『それが気性の問題かどうか』だが、気性の問題ではないと思う。

　ありえる可能性は２つ。『オープン特別大将』か『ワンペースな走法が展開と噛み合った時だけ強い』だと思う。どちからかというと後者の可能性を感じる。

　フェブラリーSで１番人気になった時に、過剰人気を指摘したが「G1を勝ち負けする実力」とまでは思えなかった馬。ただ、転厩して復調した今なら、展開と走りが噛み合えば、G1の常連がズラリと出る武蔵野Sでも互角に戦えそうに思う。G3なら戦えると見る。

　【オープン特別大将かもしれないが、オープン特別圧勝の後の重賞なら、好走できている実績はある。】
　サブ馬券として、ほんの少しだけ『コスタノヴァ・オメガギネスのワイド１点を』付け加えてみる予定でいる。

＜本島修司の競馬分析ワード＞

【馬単位】：2008年に本島が発案した概念。一般的な「このレース、どの馬が来るか」ではなく「この馬、どのレースなら来るか」という見方に切り替えること。馬１頭と真摯に向き合うための概念。

【良駒】：その種牡馬の「産駒らしさ」が濃く出ている馬。『信頼性』が見込め、『ポテンシャルの高さ』を測る目安のひとつにもなる。

【エビデンス】：本来は「根拠」という意味の言葉だが、似ているパターンや、似ている状況で「必然の好走が出来た過去の事例がある」という意味で使用している。