■内の砂厚が深く、外から動ける馬が有利
園田は今年10月に砂が入れ替えられ、以降は下記の状況だ。昨日も最短距離を通すよりも外から動ける馬が有利な状況だった。今回もそれを踏まえて予想を組み立てたい。
内ラチから1m、3m、5m、7m、10m地点の砂厚(単位:cm)
≪1コーナー≫ 13-12-11-10-10
≪2コーナー≫ 13-12-11-10-10
≪向 正 面≫ 13-12-11-10-10
≪3コーナー≫ 13-12-11-10-10
≪4コーナー≫ 13-12-11-10-10
≪スタンド前≫ 13-12-11-10-10
■有力馬と評価ポイント
◎ (9)エートラックス
デビュー当初は芝を使われていたこともあり、1勝目を挙げるのに5戦も要したが、昨年12月に休養明けから復帰すると、馬体重12Kg増の成長した姿を見せ、阪神ダ1400mの未勝利戦を逃げ切った。
するとそこから上昇一途で目下3連勝。3走前の兵庫CSでは3番枠から好スタートを切ってハナを主張。序盤でエコロガイアが競ってきたが、これを楽に制して逃げた。
3角手前で外から(2)ギガースが上がってくると、3~4角の内から抵抗して2番手のチカッパと2馬身差で直線へ。直線では同馬との差をさらに広げて3馬身差で完勝した。
休養明けの2走前、北海道スプリントCでは(6)チカッパに逆転されたが、前半3F35秒1のオーバーペースで逃げるオスカーブレインを追い駆けて苦しくなったもの。チカッパはその後、東京盃を制し、JBCスプリントで2着と健闘したが、2走前に関しては展開に恵まれて中団後方から差し切った同馬よりも、エートラックスの方が強かった。
しかし、前走の東京盃では2着に敗退。前走は休養明け好走後の疲れ残りの一戦で軽視したが、12着に大敗したのは次の2つが理由。
【1】JBCの前哨戦Weekを前に、砂の入れ替えが実施された影響で内が圧倒的に有利な馬場だったこと。
【2】エンテレケイアが1番枠から逃げて前後半3F34秒2-37秒1の速い流れだったこと。
本馬は12番枠から五分のスタートを切り、そこから押して好位の外へと勝ちに行ったこともあり、距離ロスを強いられてしまった。本馬よりもひとつ内の後ろを追走したイグナイターでも上位に離された6着に敗れていることから、これは仕方ない。今回はそこから立て直されての一戦。巻き返しに期待する。
○ (7)ヘリオス
2021年の秋に東京ダ1400mのグリーンチャンネルCと、霜月Sを逃げて連勝した馬。本馬は一昨年秋のマイルCS南部杯で2着、盛岡1200mのJBCスプリントで3着の実績もあるが、逃げて2着に3馬身半差、3着以下に5馬身以上差をつけた前記のグリーンチャンネルCが自己最高指数。2022年の根岸S2着を始め、GⅡ、JpnⅡで2着3回の実績がある1400mがベストだ。
今年1月の根岸Sでも逃げて4着、1500mではあるが2月のかきつばた記念でも2,3番手を追走し、2着に善戦している。佐賀1400mの前走JBCスプリントでは10着に敗退したが、これはタフな馬場で逃げるシャマルに競り掛けていったもの。さすがにペースが厳しすぎた。今回のメンバーなら、前走より楽に逃げられると見て、対抗に推す。
▲ (3)スペシャルエックス
昨年の兵庫GTの3着馬。昨年のこのレースで4番枠から五分のスタートを切ったが、押してもあまり進まずに下がって、中団の最内を追走。最後の直線まで最内を通し切って、最後の直線でひとつ外に誘導すると、しぶとく伸びて(1)サンライズホーク3/4馬身+半馬身の3着に食い込んだ。
本馬は兵庫GTの3着後に休養し、復帰するとひと息だったが、前々走のクラスターCでも好位の中目で進めて5着に粘り、前走の道営スプリントも2番手からラスト1Fで抜け出して勝利するなど、ここへ来て調子を取り戻している。
今回はダートグレードで相手が強くなるが、前走でJBCスプリントを大目標にした馬が多く出走しており、それらが「お疲れさま」状態で出走してくるとなると、この馬にもチャンスが巡ってくる。(7)ヘリオスのレースメイクだと前に行けず、差す形になると見ているが、上手く外に出して行ければ馬券圏内に食い込めそうだ、。
注 (1)サンライズホーク
オープン入り後の1200m戦では苦戦していたが、距離を1200mから1400mに延ばしたことで1~2番手で揉まれない競馬ができるようになり、昨年のサマーチャンピオン、兵庫GT、かきつばた記念を3連勝した。
6走前のかきつばた記念は、4番枠からやや出遅れ、(5)ラプタスに外から進路をカットされたが、そこから進路を砂厚の深い内に切って最短距離から先頭へ。3~4角で外から(7)ヘリオスに競られたが、直線序盤でそれを振り切り、1馬身半差で勝利した。
その後、調子を落としていたが、前々走のオーバルスプリントでは2番枠から五分のスタートを切り、そこからすぐに外に誘導し、外から差す形で3着。前走の武蔵野Sも14番枠からやや出遅れたが、そこから好位の外まで挽回する形で3着に挽回している。
今回は1番枠。揉まれたくない本馬のとっては難儀な枠だが、上手く外に出せれば外から動ける優位性を生かせる。
△ (10)フォーヴィスム
2走前のスパーキングサマーCで重賞初制覇を達成した馬。2走前は1番枠から五分のスタートを切り、中団の最内を追走。3~4角で最内から進出して4番手まで押し上げ、4角出口で外へ。そこからしぶとく伸び続けて、逃げ粘るアランバローズを差し切って2馬身差で完勝した。
2走前は上手く最短距離を走らせての結果ではあるが、長くいい脚を使っていたことは評価できる。前走のマイルGPは前有利の流れで出遅れ。後方からの追走となって5着に敗れたが、外差し有利の馬場を利すれば一発ありそう。
△ (12)パワーブローキング
2023年に2勝クラスと3勝クラスを連勝し、その次走のアンタレスSでも4着と健闘した馬。2023年のアンタレスSでは大外15番枠からやや出遅れたが、枠が悪いので、無理せずに中団外目を追走。道中も前が淡々と飛ばして行く展開を、中団やや後方中目で進めて3角へ。
3~4角では外からサンライズホープらが動いていくのをワンテンポ待って後方中目を通し切って直線へ。序盤で中団のスペースを拾いながら押し上げ、ラスト1Fでけっこういい脚で前をの差を詰めたが4着までだった。
ここは前後半4F47秒5-50秒1のかなりのハイペースで展開に恵まれた一戦ではあったが、後のJBCクラシックや帝王賞の覇者キングスウォードなど強豪が集っていた中での4着は立派なもの。
その後、調子を落として地方に移籍したが、ここへ来て調子を上げている。埼玉栄冠賞で3着から連闘策で佐賀に遠征したJBCスプリントでも差し有利の展開に恵まれたとはいえ、5着と崩れなかった。
また前走の勝島王冠でも前2頭に離されたとはいえ、短距離戦を使った後の一戦らしく、行き脚がついて好位の外と積極的に進めて3着に善戦。ここも展開に恵まれればチャンスがありそうだ。
公開日時:2024/12/25 13:00