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■差し有利の展開に

　今回の出走馬14頭中、(11)ランベリーと(13)ドナギニー以外はマイル以上が未経験という組み合わせ。そのうえ1000mのリリーカップを逃げ切り勝ちした快速馬(4)リオンダリーナのレースメイクとなるとハイペースは免れないだろう。差し馬有利と見て予想した。


■有力馬と評価コメント

◎ (9)ウィルシャイン

　船橋1000mの新馬戦では1番枠から出遅れ、すぐに2列目の最内まで挽回したが、折り合い欠いて頭を持ち上げる場面。それでも我慢させて最後の直線序盤で外に誘導すると、一気に前3頭を差し切って2馬身差で完勝した。

　本馬の新馬戦の走破タイムは当日の(8)サティスファイアに2.3秒も見劣りするが、前半のペースが遅かった面が大きく、ラスト2F12秒6-12秒4と加速して勝利している。そして前走の船橋1200m戦では、サティスファイアを撃破している。

　前走も6番枠から出遅れたが、そこからじわっと2番手のサティスファイアから1馬身ほど離れた好位の4番手まで挽回。3〜4角でサティスファイアとの差を詰めて直線序盤で同馬の外に誘導すると、楽に2番手に上がり、ラスト1Fで差し切って2馬身で完勝した。

　サティスファイアは前走で(10)ピーチブロッサムにハナ差の2着に敗れているが、オーバーペースで逃げたもの。3着馬には9馬身差をつけており、それなりに強い馬だ。

　今回はそれ以上に強い相手になるが、本馬は出遅れ癖があることから今回の距離延長が吉と出る可能性が高い。またここはハイペースの展開に恵まれる可能性が高く、本命馬とした。


○ (11)ランベリー

　2走前のゴールドジュニアでは8番人気の低評価を覆して優勝した馬。同レースでは4番枠からまずまずのスタートを切って先行争いに加わったが、一列下がって中団中目を追走。3〜4角でじわっと進出して直線へ。序盤で外のムサシエクスプレスにぶつけながら中目の狭い間を割って2列目まで上がり、ラスト1Fで外のオーシンレーベンとの叩き合い。これを半馬身差で制した。

　2走前ははやぶさ特別を逃げて7馬身差で圧勝したラブミーメアリーがユーロジータビートやプリムスパールスに競り掛けられながら逃げて、前後半3F36秒4-39秒8のかなりのハイペース。ユーロジータビートやプリムスパールスが大差のブービーとシンガリに敗れているように前へ行った馬には厳しく、差し馬には有利な展開だった。

　前走は先週のハイセイコー記念を6馬身差で圧勝したスマイルマンボを相手に2着。ここではマイペースで逃げるラブミーメアリーの2番手を追走し、同馬を撃破しているが、展開に恵まれながらもスマイルマンボに7馬身離されてしまっている。自在性のある脚質で前走でマイル戦を経験している強みもあることから、ここも大崩れはしないはず。ただ強調材料が欠けるため、対抗評価とした。


▲ (13)ドナギニー

　大井1200mの前走では平凡な内容だったが、そこから2Fの距離延長となった前走つばめ賞では一変して6馬身差で圧勝。前走は大外10番枠からやや出遅れたが、そこから二の脚で挽回して好位外3番を追走。3角手前で2番手に上がり、4角で先頭に並びかけて直線へ。ラスト1F地点で先頭に立つと、そこから差を広げて6馬身差で圧勝した。

　前走は先週のハイセイコー記念の3着馬ユウユウスキーに7馬身3/4をつける圧勝劇。これまで砂を被る経験をしたことがないが、今回も13番枠と外枠で砂を被らずに行ける優位性がある。

　前走から2ヵ月休ませたことでさらに成長していれば、ここで勝ち負けまである。ただし、ここは新馬戦で不適距離を使われ、能力を出し切れなかったことが、最適距離での前走での好走に繋がった面が感じられる。また鞍上がまだ重賞を勝ったことがない鷹見騎手ということもあり、3番手評価とした。


注 (4)リオンダリーナ

　これまで4戦4勝。前走園田プリンセスＣでは、7番枠から五分のスタートだったが、軽く促されると楽にハナへ。主導権を握ると抑えてペースを落としたが、向正面半ばでリヴェルベロが競り掛けて来たので抵抗して徐々にペースアップ。3〜4角ではウイングスオールも上がって来たが、4角出口で後続を振り切り、直線では後続を引き離す一方。結果5馬身差で圧勝した。

　前走は2Fの距離延長に対応し、ルーキーズサマーＣの2着馬リヴェルベロを競り落としての完勝。デビュー2戦目のオープンでは、後のサッポロクラシックカップ、ネクストスター門別で2着のベラジオドリームを下している点も評価できる。

　ここでは実績NO.1は明確。ただし、前走からさらに1Fの距離延長で、他馬に目標にされるとなると、断然1番人気に支持されるほど信頼できない。


△ (3)オリコウデレガンス

　川崎1400mの新馬戦では1番枠から出遅れ、後方から挽回して行く形で8馬身差で圧勝した馬。ややハイペースで差し有利の展開に恵まれはしたが、ラスト1Fで後続をぶち抜いての完勝だった。

　前走の小町特別で3着。ここでは5番枠から五分のスタートを切り、好位馬群の中目を追走。3〜4角で押し上げ、4角で包まれて直線序盤で外に出せず、進路を失う場面。内目の狭い間から一瞬で抜け出して2番手に上がったが、外から(5)モンゲーキララに差されてクビ+3/4差だった。

　前走は3着だったが、新馬戦から一転して前後半3F38秒9-41秒1のかなりのハイペースを積極的な競馬で善戦したことや、最後の直線でも早めに仕掛ける形で上位2頭と差がなかったことは評価できる。

　前走時のモンゲーキララは展開に恵まれての勝利。(7)チャチャハツゴウは前走で2列目の外を追走と、勝ちに行く競馬で勝利した点は評価できるが、今回は休養明けで好走した疲れが懸念される。よって、小町特別組からは本馬を推したい。


△ (2)ピンクタオルチャン

　デビューから上昇一途で前走の影武者賞2着。前走は6番枠から五分のスタートを切り、押して好位3番手を追走。3角手前で3番手に上がり、3〜4角ではかなり押して、4角では鞭も入れて2頭分外から前2頭についていく。直線序盤の伸びは地味だが、鞭が入るとひと追いごとに伸びて前2頭をかわし、外から迫るシェナノパリオを振り切って半馬身差で勝利した。

　本馬は1500mでも追走に忙しく、100mでも距離が延びるのはプラスに転じる可能性が高い。また前走から大幅に相手が強化されるが、ここは展開の後押しもありそうだ。


△ (8)サティスファイア

　◎(9)ウィルシャインと同日の船橋1000mの新馬戦をかなりのハイペースで逃げて4馬身差で圧勝した馬。前々走では新馬戦の疲れもあって序盤で無理をさせず、2番手に控える形。結果、ウィルシャインに敗れた。

　また前走のデビュタント賞では(10)ピーチブロッサムにハナ差で敗れているが、前後半3F36秒6-39秒5のオーバーペースで逃げたもの。3着馬には9馬身差を付けており、なかなかの好内容だった。

　本馬は前に行って持久力を活かしてこそのタイプ。前に行ければしぶといが、今回は前が有利な展開にはならないと見て、評価を下げた。