岡村信将の予想

11R
皐月賞 GI
4月17日(日) 15:40 中山 芝2000m
予想印
14ジオグリフ(5人気)

【ご注意】予想の転載はお控えください

買い目
券種・買い目 組み合わせ・点数
単勝通常
14
10,000円 払い戻し:10,000円x9.1倍=91,000円
合計 10,000円
払い戻し・収支
払い戻し金額 91,000円
収支 +81,000円
レース結果
着順 馬番 馬名 人気
1 14 ジオグリフ 5人気
2 18 イクイノックス 3人気
3 12 ドウデュース 1人気
4 1 ダノンベルーガ 2人気
5 2 アスクビクターモア 6人気
6 11 オニャンコポン 8人気
7 6 ジャスティンロック 10人気
8 15 ラーグルフ 16人気
9 10 ジャスティンパレス 9人気
10 8 ダンテスヴュー 15人気
11 13 ビーアストニッシド 13人気
12 17 マテンロウレオ 14人気
13 4 キラーアビリティ 4人気
14 7 ボーンディスウェイ 12人気
15 5 グランドライン 17人気
16 16 デシエルト 7人気
17 9 サトノヘリオス 11人気
18 3 トーセンヴァンノ 18人気

払戻金

単勝 14 
910円 5人気
複勝 14
18
12
240円
210円
140円
5人気2人気1人気
枠連
  • 7
  • 8

1,730円 8人気
馬連
  • 14
  • 18

3,570円 14人気
ワイド
  • 14
  • 18

  • 12
  • 14

  • 12
  • 18

1,220円
530円
550円
11人気2人気3人気
馬単
  • 14
  • 18

7,540円 29人気
3連複
  • 12
  • 14
  • 18
4,190円 10人気
3連単
  • 14
  • 18
  • 12
32,840円 94人気

※結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発表のものと照合しご確認ください。

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見解

★★★ 本日 中山競馬 最大の勝負レース!!

ラップギアコース適性値【瞬5平4消1】に近い比率の馬が有利
番馬名   【ラップギア】瞬発指数
01ダノンベル【瞬2平0消0】109
02アスクビク【瞬1平2消0】109
03トーセンヴ【瞬0平2消1】 95
04キラーアビ【瞬3平0消0】111
05グランドラ【瞬1平1消0】 97
06ジャスティ【瞬3平0消0】104
07ボーンディ【瞬2平2消0】105
08ダンテスヴ【瞬1平2消0】105
09サトノヘリ【瞬0平2消0】102
10ジャスティ【瞬3平0消0】106
11オニャンコ【瞬3平0消0】107
12ドウデュー【瞬2平2消0】109
13ビーアスト【瞬3平0消0】103
14ジオグリフ【瞬2平1消0】111
15ラーグルフ【瞬2平0消0】104
16デシエルト【瞬1平2消0】107
17マテンロウ【瞬0平2消0】103
18イクイノッ【瞬2平0消0】112



 2歳12月のホープフルSから3歳1月の京成杯、3月の弥生賞、4月の皐月賞と続く、3歳牡馬の中山芝2000m戦線。いわゆる"皐月賞コース"を勝った馬として、これらのレースの勝ち馬は注目されることになるのですが、これら3レースと皐月賞は、ラップ的にはまったく異なるものとなっています。

 まずはこれらのレース勝ち馬の前半1400mタイムと、ラスト600mのタイムを一覧にしてみましょう。ちなみにこれは"レース先頭馬の通過タイム"ではなく"勝ち馬の通過タイム"です。

■ホープフルS 勝ち馬
2014年 86秒3-35秒6 シャイニングレイ
2015年 87秒5-34秒3 ハートレー
2016年 85秒6-35秒7 レイデオロ
2017年 85秒9-35秒5 タイムフライヤー
2018年 86秒3-35秒3 サートゥルナーリア
2019年 85秒6-35秒8 コントレイル
2020年 86秒4-36秒4 ダノンザキッド
2021年 84秒8-35秒8 キラーアビリティ

■京成杯 勝ち馬
2001年 85秒8-37秒4 ボーンキング
2003年 86秒2-35秒5 スズカドリーム
2004年 83秒6-35秒6 フォーカルポイント
2005年 90秒5-36秒9 アドマイヤジャパン
2006年 88秒0-35秒2 ジャリスコライト
2007年 86秒6-35秒0 サンツェッペリン
2008年 87秒0-35秒9 マイネルチャールズ
2009年 87秒4-35秒3 アーリーロブスト
2010年 88秒7-34秒9 エイシンフラッシュ
2011年 84秒6-36秒3 フェイトフルウォー
2012年 86秒1-34秒5 ベストディール
2013年 87秒6-34秒7 フェイムゲーム
2014年 84秒9-36秒2 プレイアンドリアル
2015年 87秒5-34秒8 ベルーフ
2016年 86秒8-34秒6 プロフェット
2017年 86秒9-35秒6 コマノインパルス
2018年 84秒9-36秒3 ジェネラーレウーノ
2019年 85秒9-35秒3 ラストドラフト
2020年 86秒7-35秒4 クリスタルブラック
2021年 88秒2-34秒9 グラティアス
2022年 86秒6-34秒7 オニャンコポン

■弥生賞 勝ち馬
2001年 87秒5-38秒2 アグネスタキオン
2002年 87秒4-34秒6 バランスオブゲーム
2003年 86秒4-35秒9 エイシンチャンプ
2004年 85秒9-34秒6 コスモバルク
2005年 88秒1-34秒1 ディープインパクト
2006年 86秒8-34秒7 アドマイヤムーン
2007年 85秒7-34秒8 アドマイヤオーラ
2008年 86秒7-35秒1 マイネルチャールズ
2009年 87秒7-35秒8 ロジユニヴァース
2010年 90秒0-36秒1 ヴィクトワールピサ
2011年 86秒8-34秒2 サダムパテック
2012年 88秒9-35秒0 コスモオオゾラ
2013年 86秒0-35秒0 カミノタサハラ
2014年 85秒7-35秒7 トゥザワールド
2015年 86秒1-35秒7 サトノクラウン
2016年 86秒3-33秒6 マカヒキ
2017年 88秒6-34秒6 カデナ
2018年 86秒9-34秒1 ダノンプレミアム
2019年 86秒6-36秒7 メイショウテンゲン
2020年 86秒8-36秒1 サトノフラッグ
2021年 87秒5-34秒5 タイトルホルダー
2022年 85秒3-35秒2 アスクビクターモア

■皐月賞 勝ち馬
2001年 84秒8-35秒5 アグネスタキオン
2002年 83秒5-35秒0 ノーリーズン
2003年 86秒9-34秒3 ネオユニヴァース
2004年 84秒7-33秒9 ダイワメジャー
2005年 85秒2-34秒0 ディープインパクト
2006年 84秒8-35秒1 メイショウサムソン
2007年 84秒0-35秒9 ヴィクトリー
2008年 86秒5-35秒2 キャプテントゥーレ
2009年 84秒1-34秒6 アンライバルド
2010年 85秒6-35秒2 ヴィクトワールピサ
2012年 86秒7-34秒6 ゴールドシップ
2013年 82秒7-35秒3 ロゴタイプ
2014年 85秒0-34秒6 イスラボニータ
2015年 84秒3-33秒9 ドゥラメンテ
2016年 83秒9-34秒0 ディーマジェスティ
2017年 83秒6-34秒2 アルアイン
2018年 85秒7-35秒1 エポカドーロ
2019年 84秒0-34秒1 サートゥルナーリア
2020年 85秒8-34秒9 コントレイル
2021年 83秒9-36秒7 エフフォーリア
※2001年以降、ホープフルSは新設の2014年以降
※東京開催の2002年京成杯、2011年皐月賞は除く

 実際のところ、上記一覧表を見ただけではピンと来ないものと思われますが、それぞれの平均を出してみると、かなり意外な傾向が見えてきます(下記)。前半タイムにしても後半タイムにしても、皐月賞だけが突出して速いということです。

■ホープフルS 勝ち馬平均
前半1400m通過86秒1 ラスト600m35秒6

■京成杯 勝ち馬平均
前半1400m通過86秒7 ラスト600m35秒5

■弥生賞 勝ち馬平均
前半1400m通過86秒9 ラスト600m35秒2

■皐月賞 勝ち馬平均
前半1400m通過84秒8 ラスト600m34秒8


 ひとくちにレーテンナン秒速いと言われてもピンと来ないかも知れませんが、馬身着差にすると0.5秒=3馬身程度、0.8秒=5馬身程度、2.0秒=12馬身以上という換算。

 つまり"平均的な皐月賞勝ち馬"はホープフルSや京成杯、弥生賞勝ち馬よりも12馬身以上も先行し、勝負どころからは さらに後続を3〜5馬身も突き放すようなレースを しているということ。ちょっと信じがたい話ですが、これが過去20年のタイム比較から見えてくる事実です。

 要するに、中山芝2000m戦線 各レースの一般的なレースレベルのイメージは
ホープフルS 中
京成杯    低
弥生賞    中
皐月賞    高
という感じだと思われるのですが、実際は
ホープフルS 低
京成杯    低
弥生賞    低
皐月賞    激高
だった ということですね。タイムの話をすると必ず馬場差が云々という意見も出てくるのですが、それにしても という話。京成杯勝ち馬(オニャンコポン)も、弥生賞勝ち馬(アスクビクターモア)も、ホープフルS勝ち馬(キラーアビリティ)も、同じような競馬をしていては勝ち目がないということです。

 たとえば去年のホープフルSは引き締まったハイペースで、勝ち馬の(4)キラーアビリティは結構な好タイム勝ちだったと言われているのですが、1400m通過84秒8は「平均的な皐月賞ペース」であり、ラスト3ハロンは35秒8。「皐月賞勝ち馬平均」のラスト3ハロンは34秒8なので、その時の(4)キラーアビリティを(4コーナー手前からの600m区間だけで)1.0秒=約6馬身も突き放さないと「平均的な皐月賞馬」=勝ち負けには届かないということ。ホープフルS・キラーアビリティの強さを見るにつけ、自分で言ってて それでもちょっと信じられないような話ではありますが。


 持てる性能を限界まで引き出さなければならない皐月賞は、ホープフルSや京成杯、弥生賞とは まったくの別物。イメージ以上に厳しいレースだと認識すべきでしょう。すなわち、緩いペースを後方から追走していたような馬は ハナから勝負にならないのです。そういった馬を視覚的に見分ける方法こそ、私が提唱する"ラップギア"という馬券術。

では、ここからは そのラップギアを使って説明していきましょうか。

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クラシック三冠レースの第一関門となる皐月賞。瞬発力勝負のダービーと比較すると、持続力を試されるレースではあるのですが、2歳、3歳競馬としては むしろ皐月賞こそが異端。なぜならスローからの瞬発力勝負になりやすい新馬戦から、少頭数のオープン特別やG2、G3を経て、究極の瞬発力勝負であるダービーに至るまで、クラシック戦線の主要レースは ほぼすべてが「瞬発力を競うレース」で構成されているからです。古馬のG1で必要とされる能力(末脚の持続力)は、ダービーよりも皐月賞のほうに集約されることになるのですが、3歳クラシック路線においては皐月賞こそが異端となります。

瞬発力より持続力の勝負。とは言っても、それは『究極の瞬発力勝負』であるダービーと比較してのことであって、とくに近年では"瞬発力のない馬"が皐月賞を制覇することは皆無と言っても良い状況。ちょうど良い機会なので、ラップギアで一覧表を作ってみました。

■1990年以降、皐月賞馬の皐月賞出走時ラップギア適性値
1990年ハクタイセイ   【瞬1平5消1】
1991年トウカイテイオー 【瞬3平0消1】
1992年ミホノブルボン  【瞬1平3消0】
1993年ナリタタイシン  【瞬2平3消1】
1994年ナリタブライアン 【瞬4平3消0】
1995年ジェニュイン   【瞬3平1消1】
1996年イシノサンデー  【瞬3平1消0】
1997年サニーブライアン 【瞬3平0消0】
1998年セイウンスカイ  【瞬1平2消0】
1999年テイエムオペラオー【瞬2平1消1】
2000年エアシャカール  【瞬2平2消0】
2001年アグネスタキオン 【瞬2平1消0】
2002年ノーリーズン   【瞬1平1消0】
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2003年ネオユニヴァース 【瞬2平1消1】
2004年ダイワメジャー  【瞬1平0消1】
2005年ディープインパクト【瞬3平0消0】
2006年メイショウサムソン【瞬5平2消0】
2007年ヴィクトリー   【瞬2平1消0】
2008年キャプテントゥーレ【瞬2平0消0】
2009年アンライバルド  【瞬3平0消0】
2010年ヴィクトワールピサ【瞬3平2消0】
2012年ゴールドシップ  【瞬4平1消0】
2013年ロゴタイプ    【瞬3平1消0】
2014年イスラボニータ  【瞬4平1消0】
2015年ドゥラメンテ   【瞬4平0消0】
2016年ディーマジェスティ【瞬3平1消0】
2017年アルアイン    【瞬3平0消0】
2018年エポカドーロ   【瞬2平1消0】
2019年サートゥルナーリア【瞬3平0消0】
2020年コントレイル   【瞬2平1消0】
2021年エフフォーリア  【瞬3平0消0】
※2011年は東京開催
2000年より以前の皐月賞は【瞬2平2消0】のようなラップギア適性値の馬が上位を占めるようなレースだったのですが、そういった傾向も時代とともに薄れはじめ、【瞬1平2消0】のような完全平坦タイプは1998年セイウンスカイ、【瞬2平2消0】のような瞬発・平坦同数タイプの皐月賞馬も2002年ノーリーズンを最後に姿を消してしまいました(←ちょっとした驚き)。

→アスクビクターモア【瞬1平2消0】
→グランドライン  【瞬1平1消0】
→サトノヘリオス  【瞬0平2消0】
→ダンテスヴュー  【瞬1平2消0】
→デシエルト    【瞬1平2消0】
→トーセンヴァンノ 【瞬0平2消1】
→ドウデュース   【瞬2平2消0】
→ボーンディスウェイ【瞬2平2消0】
→マテンロウレオ  【瞬0平2消0】

過去の皐月賞で例を挙げるなら、この辺りの人気馬は瞬発力不足が敗因だったと思われます。
2004年皐月賞3番人気4着コスモサンビーム【瞬1平4消1】
2005年皐月賞2番人気4着マイネルレコルト【瞬2平2消0】
2012年皐月賞1番人気5着グランデッツァ 【瞬2平2消0】
2012年皐月賞2番人気2着ワールドエース 【瞬2平2消0】
2013年皐月賞1番人気2着トゥザワールド 【瞬2平3消0】

そして【瞬3平0消0】のような瞬発特化も良いということはなく、【瞬2平1消0】【瞬3平1消0】ぐらいがベスト。瞬発特化の皐月賞勝ち馬は(出走馬の半数以上を占めているのに)
2005年ディープインパクト【瞬3平0消0】
2015年ドゥラメンテ   【瞬4平0消0】
2019年サートゥルナーリア【瞬3平0消0】
2021年エフフォーリア  【瞬3平0消0】
など少数派。瞬発力が不足しているタイプよりマシだとは思いますが、よほど能力的に抜けていない限り、瞬発特化の馬にとっても皐月賞は「厳しいレース」なのだと思われます。これは いわゆる「皐月賞よりもダービーで狙いたい」タイプと言えるでしょうか。緩い流れで最大パフォーマンスを発揮しそうな馬。
→イクイノックス  【瞬2平0消0】
→オニャンコポン  【瞬3平0消0】
→キラーアビリティ 【瞬3平0消0】
→ジャスティンパレス【瞬3平0消0】
→ジャスティンロック【瞬3平0消0】
→ダノンベルーガ  【瞬2平0消0】
→ビーアストニッシド【瞬3平0消0】
→ラーグルフ    【瞬2平0消0】

……となると、あれ? 今年は この時点で早くも1頭しか残らない!?
ジオグリフ   【瞬2平1消0】

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そしてもうひとつ。皐月賞は『前走の位置取り』も気にしておくべきレースだと考えています。いくら瞬発力があっても、それに頼り切りになるようなタイプ、末脚にすべてを賭けるようなタイプは大きく割り引くべきではないか ということです。

『前走4角7番手以内』が一応の目安になる感じでしょうか。皐月賞は基本的に『前に行ける馬のレース』であり、ディーマジェスティやドゥラメンテなど、末脚で皐月賞を制した馬も含め、これに適合していない皐月賞馬は、過去36年を見ても、なんと2010年ヴィクトワールピサ(前走4角9番手からの皐月賞勝利)1頭しか存在しません(データの残っている1986年以降、東京施行の2011年は除く)。つまりは35年で1勝、普通に考えると絶望的な低勝率です。

『前走4角7番手以内』というのはギリギリのボーダーラインであって、これに関しては前でレースが出来ているなら、それに越したことはありません。レース運びの上手さも皐月賞馬の重要な要素だと考えられます。今までは緩いペースを先行して、しかも最速近くで上がっていた馬が、ペースの違いから いつもより後ろの位置取りとなり、それでも末脚の力で勝ってしまうのが模範的な皐月賞馬像。

過去の皐月賞で例を挙げるなら、この辺りの人気馬はすべて"前走が4角で8番手以下"でした。
1997年1番人気4着 メジロブライト
1999年1番人気6着 アドマイヤベガ
1999年3番人気9着 マイネルプラチナム
2002年1番人気3着 タニノギムレット
2002年2番人気14着 ローマンエンパイア
2004年2番人気16着 ブラックタイド
2006年1番人気4着 アドマイヤムーン
2007年3番人気8着 ドリームジャーニー
2016年3番人気2着 マカヒキ

緩い流れの前哨戦で、それでも後方に位置してしまうような馬は皐月賞の流れに乗るのが難しくなるのではないかと考えられます。皐月賞は適性と位置取り重視。後方から凄い脚で追い込むも届かず「負けて なお強し」などと言われた人気馬は、過去にも数限りなく います。
→イクイノックス 前走4角8番手
→オウケンボルト 前走4角11番手
→オニャンコポン 前走4角10番手
→ラーグルフ   前走4角9番手

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『前走の位置取り』が大事だ と書いたところですが、それでいて末脚に不安がある馬はまったくダメ。"レース運びの上手さ"は必要ですが、立ち回りの上手さを第一の武器としているタイプは良くないということです。基本は先行馬のレースなのに、それでいて先行馬が粘り込むようなレースでもありません。この辺りが皐月賞を難しくしているのでしょう。前走位置取りが後ろすぎず、しかも末脚に自信のある馬。

繰り返しになりますが、今までは緩いペースを先行して、しかも最速近くで上がっていた馬が、ペースの違いから いつもより後ろの位置取りとなり、それでも末脚の力で勝ってしまうのが模範的な皐月賞馬像。そう考えると、今年の皐月賞候補は それこそ(14)ジオグリフ以外には いないのではないかと思います。


早くから皐月賞最有力と見ていた(14)ジオグリフ。朝日杯FSと共同通信杯の連敗で大きく株を下げた形ですが(指数的にも伸びてはいません)、それでも やっぱり(14)ジオグリフ。ラップ適性、レースセンス、末脚の破壊力、どの方面から考えても(14)ジオグリフ以外には考えられません。この馬の勝ち気な気性も、皐月賞の流れに合ってくるはずです。

57kgを背負う共同通信杯で、私が気にしていたのは57kgの斤量や 勝ち負けよりも、位置取りでした。1600メートルでは最後方からの競馬になってしまった同馬が、1800メートルに戻って皐月賞基準のレースセンス(位置取り)をキープできるのかどうか。それ(4角7番手以内)を見事にクリアした(14)ジオグリフなら、何の ためらいもなく皐月賞で◎を打てるということです。

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しかし朝日杯FSと共同通信杯の連敗以上に(14)ジオグリフの人気を下げる要因になっているのが「ノド鳴り」の情報が広まったことに起因するもの なのかも知れません。ノド鳴りとは、平たく言うとノドが狭くなって呼吸のたびに音を発するような疾病なのですが、十分に酸素を取り込めない状態なので、競走パフォーマンスにも大きく関わってくると言われます。一般に、雨が降ったり湿度が高いと症状がやわらぐ、カラカラの晴れの日はパフォーマンスを落とし、雨の日は走りやすいとも言われています。体験したことないから知らんけど。

しかし(14)ジオグリフのノド鳴りはデビュー前から公表されていたことで、発症してから負け始めたという訳ではありません。言わば すでに織り込み済みの事象であり、いまさら気にするものでもないと考えます。むしろ気になるのは「カラカラの晴れの日はパフォーマンスを落とし、雨の日は走りやすい」という説に沿った成績になっているかどうか。そこで気象庁のサイトでレース当日近隣同時刻の湿度を調べてみたのですが、どうでしょう。

2021年06月26日東京12時 湿度62% 1着
2021年09月04日札幌15時 湿度62% 1着
2021年12月19日神戸16時 湿度43% 5着
2022年02月13日東京16時 湿度98% 2着

カラカラ=湿度40%未満
ジメジメ=湿度70%以上と言われているので(人間基準ですが)、空気が乾燥しやすいと言われる冬季ならまだしも、この季節の普通の湿度なら あまり問題ないのではないか と見えます。少なくとも(14)ジオグリフに関しては。

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オマケ

皐月賞は 先への期待(無敗の三冠馬とか)という意味も含めて、無敗馬が過剰に人気しやすいレースとも言えそうです。しかも3勝以上ならまだしも、「2戦2勝馬の皐月賞成績」は 結構悲惨なことに。

■無敗馬の皐月賞成績(1987年以降)
1991年トウカイテイオー 1番人気1着
1992年ミホノブルボン  1番人気1着
1993年シクレノンシェリフ4番人気3着
1993年ペガサス     12番人気16着
1996年ミナモトマリノス 3番人気4着
1996年エイシンイットオー11番人気15着
1999年ニシノセイリュウ 4番人気12着
2001年アグネスタキオン 1番人気1着
2002年モノポライザー  3番人気16着
2004年コスモバルク   1番人気2着
2005年ディープインパクト1番人気1着
2005年ビッグプラネット 6番人気13着
2006年フサイチジャンク 2番人気3着
2007年フサイチホウオー 2番人気3着
2009年ロジユニヴァース 1番人気14着
2012年シルバーウエイブ 14番人気15着
2014年トーセンスターダム3番人気11着
2015年キタサンブラック 4番人気3着
2015年サトノクラウン  1番人気6着
2016年マカヒキ     3番人気2着
2016年サトノダイヤモンド1番人気3着
2017年レイデオロ    5番人気5着
2017年ファンディーナ  1番人気7着
2018年キタノコマンドール3番人気5着
2019年サートゥルナーリア1番人気1着
2019年ダノンキングリー 3番人気3着
2020年コントレイル   1番人気1着
2020年サリオス     3番人気2着
2020年レクセランス   9番人気11着
2020年クリスタルブラック5番人気16着
2020年テンピン     15番人気18着
2021年エフフォーリア  2番人気1着
2021年グラティアス   7番人気6着
33戦【7-3-6-17】勝率21% 単回収43% 複回収85%

■2戦2勝馬(2020年テンピンは1戦1勝)の皐月賞成績
1993年シクレノンシェリフ4番人気3着
1993年ペガサス     12番人気16着
1996年エイシンイットオー11番人気15着
1999年ニシノセイリュウ 4番人気12着
2005年ビッグプラネット 6番人気13着
2012年シルバーウエイブ 14番人気15着
2018年キタノコマンドール3番人気5着
2020年クリスタルブラック5番人気16着
2020年テンピン     15番人気18着
2021年グラティアス   7番人気6着
10戦【0-0-1-9】勝率0% 単回収0% 複回収42%

→(18)イクイノックス 2戦2勝
→(1)ダノンベルーガ 2戦2勝
→(16)デシエルト   3戦3勝


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※【ラップギア】とは、各レースラップのラスト4ハロンのみに注目した適性分析です。JRA発表のラップタイムを一定の公式に当てはめ、誰でも簡単に算出することができます。数値が大きければ良いというものではなく、コース適性値と"比率"の近い馬が有利だと考えられます。

※ 瞬発指数は、"走破タイム"を一切考慮せず、ラップタイムを一定の公式に当てはめて算出した競走馬の能力値です。数値は全階級に対しての絶対値であり、下限70〜上限130辺りだと考えられます。競走馬の能力は変動相場であり、1走ごとに変化します。

公開日時:2022/04/14 17:25

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