約一ヶ月強の間に、3つすべてのレースが開催されるという過酷ローテでお馴染みのアメリカクラシック。その最終戦であるベルモントSは、2400mという誰もが初めて経験する距離も相まって、一筋縄にはいかないレースだ。
近年の勝ち馬を見ると、明らかな傾向がある。それは・・・
(1)ケンタッキーダービーからの直行組が強い
(2)プリークネスSを経由した馬は、二冠、三冠を取れるような強い馬でないと勝てない
(3)両方に出走していない場合は、前走との間隔が一ヶ月ほど空いている
現に近20年、プリークネスSを経由してベルモントSを勝った馬は、三冠馬となったアメリカンファラオ、プリークネスS・ベルモントSの二冠馬となったアフリートアレックスとポイントギヴン、ケンタッキーダービー・プリークネスSをいずれも2着したヴィクトリーギャロップの4頭しかいない。
このデータに照らし合わせると、今年の優勝候補はタップリット、ゴームリー、ジェイボーイズエコー、アイリッシュウォークライ、パッチの五頭となる。
中でも本命はアイリッシュウォークライとした。
4走前のホーリブルSでは、本レースを直前で回避した一番人気候補・クラシックエンパイアを下している。さらに2走前のウッドメモリアルSでは、プリークネスS馬・クラウドコンピューティングにも勝っていることから、ポテンシャルは間違いなく世代トップとなれるものを持っているはずだ。
ケンタッキーダービー10着という成績だが、大負けからの巻き返しは、ベルモントSではよくあること。父カーリンは、初年度からパレスマリスというベルモントS馬を排出し、二世代下のキーンアイスは同2着と、血統的にもここは合っている。
対抗はパッチ。
まだ4戦しかキャリアがない馬だが、2走前のルイジアナダービーでは、プリークネスSで3着となり、今回も出走しているシニアインベストメントに先着。ケンタッキーダービーこそ14着と振るわなかったが、力的には遜色はないはず。
父のユニオンラグズはベルモントS優勝。その時に手綱を握っていたのが、名手ヴェラスケス。そこまで人気もないと踏んで、思い切って狙いたい。
続いてエピカリス。
データ的には例がないが、前に行ける脚とそこからの粘り強さは、ドバイのダートで証明済み。ダートのドバイワールドCは、アメリカ勢が圧勝していることから、馬場が合わないことはないはず。あとは距離と外枠をこなせれば、日本馬として初のアメリカダートGI制覇が見えてくる。
あとは、前二冠レースでいずれも好走しているルッキンアットリー、ケンタッキーダービー組から、タップリットとゴームリーまでを押さえる。
公開日時:2017/06/08 19:46