過去10年の勝ち馬はアメリカ勢7勝 VS ヨーロッパ勢3勝。3着内に入った合計30頭の内訳は、アメリカ17に対してヨーロッパが13。いずれの年も、アメリカのみ、もしくはヨーロッパのみで決まったことはなく、必ず米欧で3着以内を分け合う形で決着している。
ということで、アメリカ勢とヨーロッパ勢、それぞれの視点から予想を展開したい。
まずは地元アメリカ勢の筆頭は、レディイーライで間違いないだろう。ここまで8戦7勝2着一回と、準パーフェクトな成績。蹄葉炎による1年のブランクを経て、今年8月のボールストンスパSで復帰。ここで初めての敗戦を喫するも、BCフィリー&メアターフの最重要ステップレース、フラワーボウルSを完勝。復帰2戦目だったことを考えれば、まだまだ伸び代もあるのではないか? と予測する。
フラワーボウルS同様、好走馬が経由するレースとして多いのがビヴァリーDS。このレースの勝ち馬がシーカリシなわけだが、前走はフラワーボウルSでレディイーライに完敗。アメリカ移籍後は安定した成績で3着を外していないが、少し評価は落としたい。
ロデオドライブSを好タイムで勝って臨むアベンジ。過去、同レースをステップとして本番を制した馬がいないのが気がかりなデータだが、本番と同コース、同距離の前哨戦を勝ちきっていることは強みだろう。
アメリカ勢からもう一頭。過去2走でレディイーライと差のない競馬をしているセンティエロイタリアにも印は回したい。
一方のヨーロッパ勢は3頭がエントリー。実績最上位は、愛オークスを勝ち、ヨークシャーオークスでは凱旋門賞馬ファウンドを負かしているセブンスヘブンだが、今回はクイーンズトラストを上位に取る。
ヨーロッパ勢で3着以内に来ている馬の傾向としては、芝10ハロン(もしくは2000m)戦の実績が少なからずあるということ。
昨年2着のレガティッシモは、芝9ハロン192ヤード(約1986m)のG1・ナッソーSを勝ち、芝10ハロンのG1・プリティポリーSが2着。昨年3着に入ったクイーンズジュエルは、芝10ハロンのG1サンタラリ賞を勝利している。それ以前を振り返っても、やはりヨーロッパ勢好走馬は、2000m戦の好走実績のある馬がほとんどなのだ。
セブンスヘブンには、この2000m戦実績がなく、それどころか2000mを走ったことがない。
対してクイーンズトラストは、まだ1勝しかしていない身ではあるが、BCフィリー&メアターフ好走馬を多数排出しているナッソーSで、今年の英オークス馬マインディングの2着。プリティパーフェクトも含めて、ヨーロッパ勢3頭が出走した前走英チャンピオンズフィリーズ&メアズSでも最先着を果たしている。実績+ムーア騎手でセブンスヘブンに人気が集まることを考えれば、クイーンズトラストに妙味ありだ。
公開日時:2016/11/04 12:23