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【震える】ひと夏を越え、シャフリヤールがワンステップアップ。全兄アルアインは皐月賞・大阪杯を制覇。兄とは約100キロの体重差があるが、体の内から筋肉が張りだし、パドックの周回もふるまいにほぼ余計なものがない。背中や腰の造り、コンパクトなシルエットは、父ディープインパクトを彷彿させるときもある。

　毎日杯レコ勝ちから2カ月、前走のダービーは心も成長。1000m通過・1分0秒3のスローにも、エフフォーリアを視界に入れ中団で我慢。後半1000mのラップは11秒7-11秒4-11秒5-10秒8-11秒6。残り2F標識で10秒8という仰天のラップが現れ、ここで勝負あったかに見えた。しかし一度は馬群に埋没したかに見えたシャフリヤールが、残り1F標識すぎ急加速。錐で揉み込むようなG前強襲劇を完遂。

　着差はハナ、長い長い写真判定となったが、ビデオを回してみると脚色は優勢。勝つべくして勝ったダービーだった。厳しく攻めなくても息も体も造れる馬だが、春よりは背腰に力がみなぎりトモ回りも確実に充実。才能という美と怖さ、ぶるぶると震える競馬を見てみたい。

　二の筆頭はキングストンボーイを抜擢。半兄は皐月賞馬エポカドーロ。父がオルフェーヴルからドゥラメンテに替わり、馬体もフォームもしなやかに伸びやかになった。共同通信杯の上り33秒3に兄超えの可能性の手応えあり。いろんな幼さを残しつつも青葉賞は馬群を縫うようにして2着に浮上。筋力がついた秋は調教も手加減なし。明らかなビルドアップが見込め、金星奪取もあるかもしれない。

　ステラヴェローチェは皐月賞3着、ダービーは最速の上りで3着に浮上。距離や成長力など、いい意味で予想を裏切ってくれたけれど、秋はCWのコース追いも交え、重心低い走法にかわり中距離仕様へと鍛えてきた。ワンダフルタウンもおっかなびっくりだったダービー時と比べ、踏み込みや推進力は確実に良化している。京都新聞杯を2分11秒2で駈けたレッドジェネシスも見限れない。イクスプロージョンも6月の中京2200mを2分11秒9で駈けた。