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【可能性を追求していたい】4歳馬スワーヴリチャードがGI制覇に挑む。ダービーは2着、有馬記念は坂の頂上近辺で内にもたれ、GIがするりと逃げてしまった。しかし、アルゼンチン共和国杯の2分30秒0は過去十年で二番目の好記録。同レースを30秒前半で勝ち上がった馬たちは一年以内になんらかのGIを手にしており、記録の上でも心強い能力ベースとなる。
　
　前哨戦の金鯱賞は、M・デムーロにすればちょっとばかり不細工なレース運びだったか。しかしムチ3発で上りは33秒8、コーナー4つのタイトな中京で先行策は決まった。自己最高体重を叩いて馬体も精度アップ、前後肢の踏み込みが深くなったことで、首の位置と重心が低くなり、フットワークはより滑らかになった。この体型なら右回りも加速可能とみた。

　対抗はアルアイン。内回り2000mの大阪杯は、昨年のキタサンブラックの勝ち方を思い浮かべると、コース適性が需要なポイントとなる。アルアインは阪神2勝。毎日杯・1分46秒5をステップに、小回り中山2000mの皐月賞を1分57秒8のタイレコードでもぎとった。京都記念はレイデオロ・マークが結果的にはアダ。ノーマークの伏兵に足元をすくわれてしまったが、10Fという距離は自力で勝負ができ、状態のよさも目を見張る。

　単穴はミッキースワロー。当該コースは差し馬を買う場合は、息の長い末脚ではなく、一瞬の切れと瞬発力が必要。坂コースでラスト3F内の中に10秒台のカミソリのようなラップが欲しい。ミッキーは、セントライト記念・11秒7-11秒3-11秒0(34秒0)というレースラップを0秒6上回る、33秒4という桁違いの猛ラップで中山の急坂を登板(ラスト1Fは確実に10秒台)。AJCCは縦長の難しい展開に加え、決め手よりはパワーを要求される芝に泣いたが、いつもより早めの仕掛けでも最速の脚が使えたのは収穫。阪神2000mのレース像も描けたか。

　惑星はトリオンフ。3歳2月に去勢、500万を勝ち上がるのに5戦を要したが、1000万は二戦めで突破。準OPの寿Sは前半5F・59秒6という平均ペースを番手で追走、ラスト4Fのレースラップは11秒9-12秒1-11秒1-12秒1。小倉大賞典も直線入り口ではもう先頭、横綱相撲で寄り切っている。
シュヴァルグランの春の大目標は3200mの天皇賞。ただ腰回りが充実した今は、発馬も決まり流れにも敏感。みんながイメージしているよりも反応は素早く、前めでもうひと差しが効くか。

　ペルシアンナイトは皐月賞同タイム2着。中山記念の上りは最速、ひと叩き効果も見込める。