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※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　秋のマイル王決定戦。かつてはスピード馬のための数少ない大レースで、堅いレースの代表格とされた時期もあった。しかし、近年では香港国際競走を含めて秋のGI路線が多様化したため、数ある目標レースのひとつという位置づけにとどまる。力関係が不明確なまま本番を迎えて人気が割れることもしばしばで、1番人気馬の信頼性も低下している。

1.中距離からの短縮ステップは割り引き

　最近5年間の連対馬で、1800m以上の中長距離戦からの距離短縮だった馬は、2013年の勝ち馬トーセンラーただ一頭。他はいずれも、同距離の富士S、安田記念や、より短い距離のスワンS、スプリンターズSから臨んだ馬たちだった。かつて天皇賞(秋)をステップにした馬が有利とされたが、最近では様変わりしていて、昨年はサトノアラジンが5番人気12着、2015年はイスラボニータが1番人気3着。

2.3歳馬は割り引きが必要

　昨年は3歳のペルシアンナイトが勝ったが、3歳馬の勝利は2000年のアグネスデジタル以来だった。この時期の中距離戦では古馬と3歳の斤量差は2kgあるが、マイルでは1kgに縮まるので、3歳馬にとって好走ハードルは高くなる。一昨年の勝者ミッキーアイルも、3歳で挑んだ2014年は1番人気で13着。春に安田記念を斤量差4kgで勝っていた2011年のリアルインパクトも、このレースでは1番人気で5着。

3.コース経験が重要

　京都芝1600mは3コーナーからの上り下りや急角度で回る4コーナーなど、フラットに見えてじつはトリッキーという厄介なコースだ。同じワンターンのマイル戦でも、阪神や東京とは趣向が異なる。昨年の勝ち馬ペルシアンナイトは同コースのシンザン記念を3着していたし、2着のエアスピネルは同コースで重賞2勝。一昨年の勝ち馬ミッキーアイルもシンザン記念の勝ち馬で、2013年の勝ち馬ダノンシャークも京都金杯を勝っていた。

　モズアスコットは安田記念の勝ち馬。スワンSは2着に敗れたが、もともと終いのキレ味勝負に弱みがあり、重賞・オープン特別での2着は4度を数える。GIの厳しい流れでこそ持ち味が活きる馬で、斤量も背負わされていた前走の敗戦は想定の範囲内だっただろう。馬体重10kg増を叩かれての上積みは確実で、王者が順調に本番を迎えることができる。今年に関しては、波乱の余地は少なそうだ。

　アエロリットは安田記念2着。距離短縮ステップと初経験の京都外回りの克服が課題になる。昨年の覇者ペルシアンナイトは叩き良化タイプで、59kgの富士Sを使われて前進が見込める。

　ロードクエストは3歳で挑んだ一昨年のこのレースは9着に敗れたが、当時は京都コース自体が初めてだった。スワンSを勝って臨む今回は別の結果が期待できる。当コースで重賞勝ちがあるエアスピネル、ロジクライ、ジャンダルムにも注目したい。