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7月29日 新潟11R アイビスSD(G3)

netkeibaデスクの見解

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 夏の新潟競馬の開幕を告げる名物重賞。函館スプリントSやCBC賞からの転戦も見られるが、直線競馬という他にはない特殊なコース形態が影響していて、前走で重賞を使われていた馬の存在感はあまり大きくない。サマースプリントシリーズのなかでも独特の色合いを持つ一戦だ。

1.凡走馬の巻き返しは困難

 あっという間に決着がつくレースで、出遅れはもちろん、馬群を捌くのに手間取っても致命傷になりかねない。心身ともにピークに近いコンディションが必要になる。前走で掲示板を外していた馬の連対は、過去10年で5頭のみ。現在の日程で行われるようになった最近5年間では、2015年の勝ち馬ベルカント1頭(前走が出走取消)だけである。近況のリズムの悪い馬は狙いを下げざるを得ない。

2.逃げ馬が共存できる

 コーナーがあるコースとは違って、馬群は縦一列という形にはならない。ハナに行き切ることはそれほど重要ではなく、複数の逃げ馬がそれぞれのポジションで余力を温存しつつ追走できる。2012年と2013年は、前走でハナを切っていた馬同士のワンツー。一昨年もベルカントとネロという快速馬2頭による決着だった。気性面などの問題から、ハナに行くことが好走条件になっている馬が走りやすい設定である。

3.パワーと馬格が求められる

 器用さがあまり必要ないコース形態ということもあり、スタートからガンガン押していくパワーと馬格に秀でた馬がアドバンテージを持つ。過去10年間の勝ち馬のうち8頭までが馬体重480kg以上で、例外の2頭もエーシンヴァーゴウが464kgで、ラインミーティアも470kgあった。2012年は438kgのビウイッチアスが1番人気で10着、2008年は452kgのエイムアットビップが1番人気で16着。両馬はいずれも3歳牝馬で斤量が軽いことも人気の理由だったが、直線競馬は未経験。この条件はまったく向いていなかった。

 ベストマッチョはダート短距離路線の上級馬で、芝には5歳にして初出走となる。スタート地点が芝になっている中山ダート1200mでは[1-1-0-0]。ジャニュアリーSでは前半3F33.9秒の流れを、余裕の3番手追走から抜け出して完勝。京葉Sは内枠が仇になり無理をしてハナに行く形から、前半3F32.8秒(稍重馬場)という厳しいラップを踏みながら2着に踏ん張っている。ダッシュ力の比較ならばおそらくここでも上位だろう。また、砂を被るのを嫌がる面があるので、芝の直線競馬を楽に感じる可能性も考えられる。2007年には、サンアディユが初芝で当レースを制したこともある。ダッシュ力に秀でたダート短距離の上級馬が通用する余地は少なくない。

 レジーナフォルテは昨年の3着馬。韋駄天Sの敗戦は内枠が響いた部分が大きいし、また夏場に強いタイプで7、8月は昨年の当レースを含めて[2-0-1-2]。レッドラウダは格上挑戦だった韋駄天Sでも3着と好走した。この条件の経験は豊富で、持ち時計もナンバーワン。

 ダイメイプリンセスは春開催のこの条件で2連勝したが、今回はさらなる時計更新が必要になるし、後ろから行く脚質も馬場状態良好の開幕週では割引材料になる。以下、牝馬ながらパワフルで直線競馬で新味発揮が期待できるカラクレナイ、昨年の当レースは内枠から6着と健闘、好枠を引けば見限れないラインスピリット、持ち時計上位で時計の速い夏の新潟で巻き返しが期待できるアペルトゥーラ。

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