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12月10日 阪神11R 阪神JF(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 朝日杯FSとホープフルSに有力馬が分散する牡馬と違って、牝馬路線はほぼ一本道。2歳冬の時点で多くの有力馬が早くも一堂に会する。舞台は桜花賞と同じ阪神の1600m。牝馬の重要レースは何回もこの条件で繰り返されるが、時期の違いによって微妙に色合いが異なってくる。阪神JFの特徴を端的にいうならば「この時期の2歳牝馬にとって阪神マイルはタフなコースである」ということになる。

1.厳しい条件の経験が活きる

 昨年1着のソウルスターリングはそれまで芝1800mで2戦2勝。一昨年の勝ち馬メジャーエンブレムはそれまでの3戦、すべて直線に坂がある東京・中山を使われていた。阪神JFを勝ち切るためには、よりタフな条件での好走歴があることが望ましい。中京芝1400m→新潟芝1600mというステップを踏んだハープスターが、札幌2歳Sを勝って臨んだレッドリヴェールに敗れた2013年が、阪神JFならではのタフさを象徴している。

2.ステップ重賞勝ち馬は不振

 過去10年でファンタジーSを勝った馬の当レースでの成績は[0-1-0-7]。ファンタジーS組では2、3着だった馬の方が[1-1-3-8]と好成績を収めている。また、2012年に創設されたアルテミスSの勝ち馬も当レースでは[0-1-1-3]とまだ勝ち切れていない。この時期の牝馬が重賞を連勝することは簡単ではない。むしろ前哨戦をひと叩きと割り切った組の方が狙いやすい。

3.距離延長ステップは難しい

 過去10年間で、前走で1400m以下の距離を使われていた馬の成績は[2-4-6-86]で、勝率2.0%、連対率6.1%。距離短縮ステップは[3-0-0-10]で勝率・連対率23.1%、前走1600m組は[5-6-4-54]で勝率7.2%、連対率15.9%だから、距離延長で臨む馬にとってハードルが高いレースであることは明白だ。

 ロックディスタウンは札幌2歳Sの勝ち馬。牝馬で札幌芝1800mの札幌2歳Sを勝ったのはこの馬が初めてだ(2013年のレッドリヴェールは函館開催)。高速馬場の新潟と洋芝最終週のタフな札幌と両方の路面をクリアー、しかも中3週で長距離輸送を挟んでの強行軍だった。メンバー中唯一芝1800mを勝利してからの臨戦でもあり、タフさと経験値では他馬を凌駕している。初コースなど課題はあるが、落ち着いてレースに臨めればまず勝ち負けになるものと思う。

 ラッキーライラックはロックディスタウンと同じくオルフェーヴル産駒。マイル戦への対応ということではロックディスタウンに先んじている。アルテミスSは着差以上の完勝で、レースセンスの良さもセールスポイント。コーディエライトはファンタジーSでは2着に敗れたが、新潟2歳Sからの久々だったことを考えればいいガス抜きになったと考えられる。ここも単騎先行が濃厚で、重賞2着2回の粘り腰は侮れない。

 ベルーガはファンタジーSを豪快に差し切った。荒々しいレースぶりで大物感たっぷりだが、キンシャサノキセキ産駒ということもあって距離延長がカギに。リリーノーブルは余裕たっぷりの内容で2戦2勝。初戦で坂コースの経験もあり、中1週の強行軍をクリアーできれば。以下、桜花賞馬アユサンの全妹でレースセンスに優れるマウレア、抽選対象ながら1800m戦で勝ちがある点で注目したいトーセンアンバー。

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