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11月19日 京都11R マイルCS(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 かつてマイルCSは、もっとも堅いG1のひとつとされた時代があった。サッカーボーイやオグリキャップ、タイキシャトルなど、誰もが認める王者が強さを見せつけるレースとして歴史を重ねたが、最近ではすっかり様変わりした。

 1番人気の連対は2012年のグランプリボスが最後で、勝利は2009年のカンパニーまで遡る。一昨年はモーリスが完勝したが、当時は休み明けもあって4番人気の低評価。内をこじ開けたサダムパテック、ダノンシャーク、大外一気のトーセンラー、ハナにこだわったミッキーアイルと、人気を落として思い切った競馬ができた人馬が混戦を断つ、というパターンが目立つ。

1.古馬が強さを見せるレース

 かつてはタイキシャトル、サッカーボーイなど3歳馬が勝ち負けすることが珍しくなかったが、3歳馬の勝利は2000年のアグネスデジタルを最後に途絶えている。理由は単純で、翌2001年から3歳と古馬の斤量差が1kgに縮まったから。過去10年で3歳馬は[0-0-1-30]、なかには1番人気のリアルインパクト(5着)、ミッキーアイル(13着)も含まれる。ちなみに、エリザベス女王杯やジャパンCなど、中距離のレースはこの時期でも2kgの斤量差がある。先週は3歳のモズカッチャンが勝ったが、そのイメージはリセットした方がいい。

2.再チャレンジでキャリアが活きる

 昨年の勝ち馬ミッキーアイルは3歳時に1番人気で大敗していた。2014年の勝ち馬ダノンシャークも前年に1番人気で3着に敗れていたし、2009年の勝ち馬カンパニーも前年は2番人気4着だった。勝負所に下り坂がある京都外回りはイメージ以上にトリッキーなコースで、敗戦経験を糧にして再挑戦で着順を上げる余地がある。

3.王道は天皇賞

 過去10年で最多の勝ち馬を出しているのは、3勝の前走天皇賞(秋)組。総出走頭数は18頭とそれほど多くない中での成績なのだから、他のステップとは一線を画している。3頭のうち2頭は天皇賞で掲示板を外す凡走から巻き返しており、天皇賞での着順はあまり関係ない。

 ロードカナロア、ジャスタウェイ、ロゴタイプと、安田記念を勝ってこの路線の王座を確固たるものとした馬は、種牡馬価値を高めるために、秋は海外や中距離に転進することが多い。近年で唯一、同じ年の秋にマイルCSに出走したのが一昨年のモーリスで、4番人気の低評価をはねのけて勝利している。直近の安田記念制覇が持つ意味は重い。

 サトノアラジンは今年の安田記念の勝ち馬。安田記念には、ロゴタイプ、グレーターロンドン、ステファノスなども出走しており、今回以上の豪華メンバーだった。前走の天皇賞は超がつく不良馬場で無理をしなかったための大敗で、ノーカウントにしていい。その前の毎日王冠ではタイム差なしの2着。富士S組やスワンS組とは戦ってきた相手のレベルが違っている。昨年は1番人気で5着に敗れたが、人気が落ちるだろう今年は思い切った競馬に徹することができるのも強みだ。

 イスラボニータは58kgを背負っていた富士Sでもきっちり2着を確保。不良馬場にめげず最後まで脚を使っており、6歳秋でも能力に衰えは見られない。エアスピネルはいい脚が長続きしないという難点があってここ一番で勝ち切れないが、直線に坂がない京都コースでは過去[2-1-1-0]と崩れ知らずだ。

 レッドファルクスはスプリンターズSを連覇して今年の安田記念でも3着。マイルがやや長いのは確かだが、安田記念より手薄なメンバー構成でもあり軽くは扱えない。以下、関屋記念以来の久々も、春以降完全に馬が軌道に乗った印象のウインガニオン、直線に坂がない京都替わりで、粘り腰アップが期待できるマルターズアポジー、故障がちで使い込めないものの素質は高く、京都マイルにも良績があるクルーガー。

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