最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします
※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。 かつてジャパンCは、世界へと開かれたただひとつの窓口だったが、最近はそうではない。有力外国馬の出走が減ったのと同時に、日本馬にとっても海外遠征がそれほど特別なことではなくなっている。今年で言えば、4歳最強と目されるサトノダイヤモンドの秋の大目標は凱旋門賞で、ジャパンCは予定になかった。 かつて国内最高だった1着賞金も、昨年からは有馬記念と横並び。昨今では、香港国際競走も含めていくつかある年末の大レースのひとつ、という位置づけになっていて、かつての重みは失われつつある。それにともなって、好走のハードルが低くなっているのもまた事実だ。 1.斤量の軽い馬が有利 過去10年で斤量57kgを背負った馬(=古馬牡馬)が4勝しているのに対して、斤量55kg(=3歳牡馬か古馬牝馬)が5勝(残る1回は、3歳牝馬のジェンティルドンナが優勝)。勝率・連対率で見ると、57kgが3.1%・8.5%であるのに対して、55kgが14.3%・20.0%と圧倒している。 2.近い時期のG1を勝っているか 過去10年の勝ち馬のうち、9頭までは当年か前年秋にG1レースを勝っていた。例外は、G1が初挑戦だった2008年のスクリーンヒーローのみ。G1をなかなか勝ち切れなかったり、長くG1勝ちから遠ざかっているような馬は割り引き。 3.前走は6着以内 前走の着順は敗れていても6着までというのが条件。過去10年の勝ち馬のうち10頭、2着馬の8頭、3着馬の7頭がこれに該当する。2007年の勝ち馬アドマイヤムーン、その前年のエピファネイアは天皇賞(秋)6着から巻き返してJCを勝利していて、2013年の2着馬デニムアンドルビーはエリザベス女王杯5着からJCで2着。G1で負けても6着以内だったら巻き返しの余地がある。 昨秋以来のG1勝ち馬という条件を満たす日本馬が、キタサンブラック、サトノクラウン、ソウルスターリング、レイデオロの4頭しかいない。4歳世代の不振もあって、ジャパンCとしてはやや寂しいメンバー構成になった。 軽量馬有利のデータもあり、中心には3歳馬レイデオロを推したい。神戸新聞杯から直行というローテーションは異例だが、昨年は京都大賞典組とアルゼンチン共和国杯組が上位3着まで独占したように、ジャパンCに余力を残して臨むのは、近年の新しい流れとも考えられる。 神戸新聞杯は2馬身差の勝利だったが、神戸新聞杯を差して2馬身差以上で圧勝した馬は、過去10年でオルフェーヴル、ゴールドシップ、エピファネイア。ダービー勝利と同様に、神戸新聞杯での完勝も大きな意味を持つ。 キタサンブラックは誰もが認める国内最強馬で、叩き2戦目はこれまで5戦全勝と得意にする。ただ、今回のライバルとなるレイデオロは自在性があるだけに、目標にされるのは弱みではないか。ソウルスターリングは天皇賞(秋)では6着に沈んだが、4コーナーで苦しい態勢からよく盛り返していて評価できる内容だった。キレ味が活きる馬場なら見直せる。 サトノクラウンは得意の渋った馬場で思い通りの競馬ができた天皇賞(秋)が着差以上の完敗で、前回以上となるとどうか。トーセンバジルは今年になっての力量アップが顕著で、京都大賞典2着は内を掬われての惜敗だった。いまの充実ぶりならば一線級相手でも食い込みが期待できる。 シャケトラは天皇賞(秋)では極悪馬場を苦にして大敗したが、折り合いを欠きながら4着した宝塚記念4着から素材的には通用の余地がある。距離延長もプラス。外国馬では、5歳秋に本格化してG1を連勝中のギニョールに注目。しばしばジャパンCで大仕事をしてきたドイツ馬で、一時期はペースメーカーだったように自分で競馬を作れる点からも不気味な存在だ。
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