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12月18日 阪神11R 朝日杯FS(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 阪神競馬場が改装されて、外回りのマイルコースが新設された初年度の阪神JFの勝者がウオッカ。翌年の日本ダービー馬でした。それ以来、阪神JFの勝者はトールポピー、ブエナビスタ、アパパネと続いて、いまや「阪神の2歳GIは東京2400mにも通じるスタミナと底力が要求されるレースである」という認識がすっかり浸透したと思います。

 2歳チャンピオンを決めるにふさわしい舞台に、朝日杯FSも移動してきて、今年で3年目になります。昨年までの勝者は、ダノンプラチナとリオンディーズ。両馬とも残念ながら古馬になって大成はできていませんが、2頭ともその時点では将来性豊かなチャンピオン候補で、直線が長い阪神だからこそ、その潜在能力を発揮できた馬だったと思います。

○実績よりも将来性・伸びしろ最優先

 ここ数年の傾向として、中山で行われていた頃から続いているデータがあります。それは、「勝ち馬の前走が重賞・オープン特別以外である」ということ。過去5年間を見ると、きんもくせい特別、ベゴニア賞、オキザリス賞、ベゴニア賞と来て、昨年はなんと新馬戦でした。条件はダートあり、ローカルあり、芝2000mあり。はっきりいってなんでもありです。前走の走破記録を検討するだけでは、朝日杯を的中させるために充分ではありません。各馬の能力の余白というか、「伸びしろ」を見極める必要があります。

 息の入りにくいマイル戦で、くわえてワンターンの阪神となれば、小手先のテクニックや、もっといえばキャリアも重要ではありません。楽に追走できるだけの最低限のスピードと折合いさえあれば、あとはゴールまできっちり速い脚を使い切ることができるかどうか。身も蓋もない言い方をすれば「強い馬が強い」ということになります。だからこそ、このコースの2歳GIはダービー・オークスにつながるわけです。

 サトノアレスはここまで4戦2勝。勝ち上がりが3戦目と遅れましたが、仔細にレース内容を見ると、最初の3戦は一回もスムーズな競馬ができていません。アクションの大きな馬で、器用に脚を使えるタイプではなく、札幌・札幌・中山の3戦は苦戦の連続でした。

 しかし、そのことでこの馬の実力が見えにくくなっています。広い東京に替わって昇級初戦の前走ベゴニア賞は、好メンバーを相手に最後は流す余裕を見せての完勝でした。もし秋の東京でデビューしていたとしたら、2戦2勝でこの舞台に立っていた可能性は低くありません。

 ちょうど、先週の阪神JFを勝ったソウルスターリングと同じパターンです。札幌での新馬戦が辛勝だったので、能力に疑問符が付けられる向きもありましたが、広い東京に替わった昇級のアイビーSを完勝。GIではさらに強さを見せつけて、少なからず残っていたすべての難癖をふっ飛ばしました。

 小回りからタフな東京に替わってパフォーマンスを上げることは、GI向きのスピード能力と底力について、これ以上ない証明になります。たとえばロゴタイプもこれと同じパターンでした(初の東京でベゴニア賞を快勝)。くわえて言えば、そもそもサトノアレスはディープインパクト産駒ですから、ワンターンのマイル戦が悪かろうはずがありません。

 タガノアシュラはここまで3戦2勝。前走が少頭数での離し逃げだったため、フロックのような印象も持たれますが、勝った2戦はいずれも圧勝です。札幌2歳Sを使っていなければ、ここでもおそらく1番人気を争う存在になっていたはず。

 要は、自分のリズムで走れるかどうか、ということ。その意味では、揉まれる形になりやすい小回りコースは、本質的にあまり向いていないのでは、という読みが成り立ちます。ワンターンで直線が長い阪神外回りに替わって、これまで見せていない真価を発揮する可能性があります。

 ダンビュライトは前走のサウジアラビアロイヤルCで、直線で大きく内に切れ込む若さを出しての2着。原因は、外から来た馬を怖がったということでした。それでも3着のクライムメジャーには3馬身という決定的な差をつけていますし、敗れたブレスジャーニーはそのあと東京スポーツ杯も制した強豪です。

 能力的には、真っすぐ走って力を出し切れば、G1でも上位争いになって不思議ありません。原因がはっきりしている以上、ルメール騎手と音無調教師が手をこまねいていることはあり得ないでしょう。

 レヴァンテライオンは京王杯2歳Sを大敗しましたが、急にペースが速くなる展開に戸惑ったようで、力を出し切っての結果ではありません。モンドキャンノを封じ込めた函館2歳Sのように、厳しい流れのほうが実力を発揮しやすい馬なのではないかと考えられます。前走だけで見限れません。

 そのモンドキャンノは京王杯2歳Sの勝ち馬。じょじょに距離を延ばして、今回が初めての1600m戦になりますが、この馬が勝った2戦は、いずれも前半より後半のほうがラップが速い展開でした。おそらく瞬発力勝負には自信を持っているはず。今回がスローな流れになれば、距離の克服も充分に可能でしょう。

 クリアザトラックは全兄にカミノタサハラ、ベルキャニオンなど活躍馬が多数いる良血馬。新馬戦からの直行は昨年の勝ち馬リオンディーズ同様です。前走のメンバーレベルは正直平凡なものの、角居調教師が大一番に向けてどうセッティングしてくるか、注目が集まります。

 レッドアンシェルはここまで2戦2勝。弱い相手ではあったもののいずれも圧倒的な内容で、底を見せていない魅力があります。ただし、精神的に繊細な面があるので、フランスのホープ・シュミノー騎手を確保できたとは言え、この馬に競馬を教えてきた福永祐一騎手が骨折で乗れないのはマイナス材料に違いありません。

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