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最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします

5月1日 京都11R 天皇賞(春)(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 春の天皇賞は、数少ない長距離の大一番ですが、最近はすっかり「荒れて当たり前」のレースとして定着してしまいました。最近10年間で1番人気に応えて連対を果たしたのは、ディープインパクトただ一頭です。

 どうして人気馬が簡単に負けてしまうのか。ひとつの原因として、京都の馬場の高速化が進むことで、スタミナだけではなくスピードが求められるようになっていることが挙げられるでしょう。

1.阪神大賞典組より中距離ステップ

 阪神大賞典からの臨戦馬は、最近10年間で4勝していますが、出走頭数自体が多いこともあって、連対率としては7.3%にとどまり、15.4%の日経賞、25%の大阪杯に対して遅れをとっています。3000mのGII戦ということで、毎年長距離志向の強い馬が集まりますが、そのために本番のスピードレースとは関連性の薄いラップ推移になってしまうことが不振の原因だと思われます。

2.数少ない58kgレース

 牡馬の定量が58kgになるのは、春秋の天皇賞と宝塚記念の3レースだけです。背負う機会が少ない斤量を背負って走り慣れない距離を走ることが、波乱の一つの原因ともなっています。ちなみに過去10年間、前走で58kg以上を背負っていた馬の成績は勝率12.8%・連対率28.2%。57kg以下を背負っていた馬の3.7%・6.8%を大きく上回ります。

3.ベテランのキャリアが活きる

 過去10年間で4歳馬が4勝を挙げていますが、5、6歳も3勝ずつしていて、連対数ではそれぞれ6・7・6と互角です。昨年の勝ち馬ゴールドシップは春の天皇賞には3度目の挑戦でしたし、2012年のビートブラック、2010年のジャガーメイルもそれぞれ2度目の挑戦での勝利でした。これらの馬はいずれも以前の参戦では馬券圏外に敗れており、敗戦経験を活かしての巻き返し勝利だったことは注目されます。つまり、春の天皇賞では、キャリアを積むことで成績が上がる余地があるのです。

 サトノノブレスは中日新聞杯では58kgを背負いながらの完勝でした。58kgはこの馬にとって背負い慣れた斤量で、前々走の日経新春杯でも58kgで54kgのシュヴァルグランとハナ差の接戦を演じています。中距離でも前々の競馬ができるスピードがあり、なおかつ容易にバテないスタミナも持ち合わせています。3歳時には菊花賞2着、4歳時に挑んだ春の天皇賞では8着に敗れましたが、先行馬としては最先着で着差はわずか0.5秒でした。長丁場の天皇賞勝ち馬を何頭も輩出したメジロ牧場の生産馬ということを別にしても、2年前より力量アップは明白で、前進を見込むのは当然のことと思います。

 ゴールドアクターは昨年の有馬記念の勝ち馬で、ここまで破竹の5連勝。58kgを背負った日経賞も完勝の内容でした。京都の軽い馬場であまりにも上がりが速くなって、スタミナが問われにくい状況になった場合は不安もありますが、今の充実ぶりならそれも杞憂に終わるかもしれません。サウンズオブアースは有馬記念、日経賞と連続してゴールドアクターの2着に敗れていますが、いずれも着差はわずかです。直線に坂がない京都コースは詰めの甘さのあるこの馬にはプラスのはずで、逆転の余地は残されているものと見ます。GI連勝中の藤岡厩舎の勢いも不気味です。

 キタサンブラックは大阪杯で58kgを背負っての2着で実力を再認識させました。有馬記念では3着に敗れましたが、4歳馬の成長力で当時の上位馬に借りを返せるかどうか。フェイムゲームは昨年の2着馬ですし、前走のダイヤモンドSを58.5kg背負って2着したように、重い斤量は背負い慣れています。名手ボウマン騎手への乗り替わりも魅力。

 阪神大賞典の1・2着馬、シュヴァルグランとタンタアレグリアは今回のメンバーではチャレンジャーの立場になります。前走は両馬とも55kgでの好走でしたが、前走で55kgだった馬の連対は過去10年間では皆無。不吉なデータを覆せるかどうか。アドマイヤデウスは阪神大賞典では前が詰まっての3着でしたから、スムーズなら巻き返しのチャンスは残されているものと見ます。昨春の天皇賞はレース中に故障しての大敗で、長距離戦の適性がないと見限るのは早計でしょう。

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