最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします
※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。 春のGIシリーズは高松宮記念からスタートして、秋はスプリンターズSから。スケジュール的には同じような位置にある両レースですが、考えておかなければならない大きな違いがひとつあります。 それは、サマースプリントシリーズの存在。GIに手が届きそうにないクラスの短距離馬は、夏場にレース数を使ってしまう傾向が強まり、スプリンターズSを欠席する馬が少なくありません。 その結果、高松宮記念ほどのオールスターキャストにはなりにくくなっており、そのことがレースの展開面にも小さくない影響を与えています。 1.秋は差しが利きにくい 過去10年のうち新潟開催の2014年を除く9回で、4角先頭だった馬が4勝して2着2回。高松宮記念の過去9回では4角先頭の馬は1勝3着1回ですから、両レースの性質の差はあきらかです。 2.距離に融通が利くタイプが頑張る 同じく過去9回の連対馬で外国調教馬を除く16頭のうち、1400m以上の距離で重賞を勝っていたか、あるいはマイルGIで3着以内の実績があった馬が11頭を数えます。また、毎年1頭はそういうタイプの馬が必ず連に絡んでいます。 3.難しいセントウルSステップ セントウルSからスプリンターズSまでは中2週と間隔が詰まっています。この両レースを連勝したのは、セントウルSが1200mで施行されるようになってからは2002年のビリーヴただ一頭だけ。この年は新潟でのスプリンターズSだったので、中山開催としてはまだ一頭もいません。全力を出したあとの中2週では、疲労や精神面のケアは容易ではありません。むしろセントウルSを「捨てた」馬のほうが本番での活躍が目立ちます。 スプリント界の両横綱は、ビッグアーサーとミッキーアイル。春の高松宮記念の結果を見れば、この両頭の優越ははっきりしています。 セントウルSでは、休み明けのビッグアーサーが夏のサマースプリントシリーズ組を一蹴。夏の上がり馬たちにとっては、超えなければならないハードルがいかに高いことか、うかがい知れるでしょう。一週前段階としては「春のワンツーの再現が濃厚」というのが自然な結論になります。 両馬の比較では、先行力上位でマイル実績もあるミッキーアイルを上に見ます。気性的に燃えやすい面がある馬で、休み明けでのGI挑戦は予定の行動。5か月ぶりだったスワンSを快勝した実績もあり、それを含めて2か月半以上の休み明けで重賞を3勝。この馬とってベストのローテーションなので、臨戦過程を理由に評価を下げる必要はありません。 ビッグアーサーは今回の出走馬の中でも抜けた大型馬。それゆえ、機敏には動けない弱みがあります。高松宮記念以前のGIII戦をコロコロ取りこぼしていたのには、ひとつにはそういう理由があります。コース中にコーナーの占める割合が大きい中山芝1200mでは、ゴチャつく場所に入ったときに脚を余す心配も。 ウリウリはセントウルSを「捨てた」形で9着に敗れましたが、上がり3Fではメンバー中最速をマークしていますから、叩き台としては上々でした。セントウルSを負けた6歳牝馬ということでは、昨年の勝ち馬ストレイトガールと同じ。藤原英昭厩舎としては昨年同様、予定通りの臨戦過程です。そして、鞍上も同じく戸崎圭太騎手。 レッツゴードンキは函館スプリントSに続いてキーンランドSでも3着。短距離戦を差す形がすっかり板につきました。高松宮記念では初の1200戦で8着(3着とは0.3秒差)。スプリント戦の流れに慣れた今回は春以上の結果が期待できます。なにより、昨年の桜花賞馬。長めの距離での経験がタフな中山マイルで活きてくるはず。 レッドファルクスはCBC賞の勝ち馬。初のGI挑戦でもキレ味には警戒が必要です。ただし、左回りのほうがスムーズな馬で、関東馬にもかかわらず中山に実績がありません。割引は必要。 シュウジは函館スプリントSとキーンランドCを連続して2着ですが、連勝していてもまったくおかしくない内容でした。マイルにも実績があり(デイリー杯2着)、3歳馬では最上位の評価。 ブランボヌールはキーンランドC勝ちを含めて、1200mでは3戦3勝で重賞も2勝。この馬がスプリント路線の真打ち、という可能性もあります。ただ、これまでの3勝はいずれも滞在となる北海道開催でのもの。中山への長距離輸送で大きく馬体が減るようなことがないか、心配は残ります。
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