最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします
※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。 夏の2歳マイル王決定戦。新潟外回りの長い直線で行われるので、翌年のクラシックを嘱望される馬の夏の目標となるレースでもあります。2013年のこのレースで1・2着したハープスターとイスラボニータは、そのまま牡牝のクラシックホースになりましたが、そういう年はじつは例外的です。 過去10年のこのレースの勝ち馬のなかで、古馬になっても重賞戦線で活躍できた馬はセイウンワンダーとマイネイサベルだけ。世界を制するジャスタウェイですらこのレースではモンストールの大駆けの前に屈しています。早熟性とスピードがものを言う条件なので、素質が高いだけでは勝ち切れない難しさがあります。 1.距離短縮は苦戦を強いられる 過去10年で距離短縮で臨んだ馬、つまり前走で芝1800m戦を使われていた馬は[0-2-1-27]と不振です。最近2年間は続けて2着馬を出しているので、傾向が変わりつつあるのかもしれませんが、この組は1番人気2頭、2、3番人気それぞれ3頭ずつを含みながらこの成績ですから、やはり軽くは扱えないデータです。 2.決め手勝負になる 過去10年間、上がり3F順位がメンバー中1位だった馬が6勝していて、2位の馬が3勝しています。また、上がり3Fの順位3位以内の馬でワンツーしたことも8回あります。道中の位置取りはどうあれ、直線だけでなんとかなる、というのがこのレース。なによりも決め手の確かさが要求されます。裏を返すと先行スピードを活かして勝ち上がってきた馬は不振で、前走逃げていた馬は過去10年で[0-1-1-18]。前走で4コーナー通過が2番手以内という馬も[1-4-3-41]と勝ち切れません。 3.早期勝ち上がり馬強し 2013年から夏のローカルの日程が変更になって、6月の東京・阪神開催で2歳戦が4週間行われるようになりました。それ以来、6月開催で勝ち上がってじっくり間隔を開けてこのレースに臨んだ馬は[1-2-0-2]。連を外した2頭は9番人気と14番人気でしたから参考外です。早期デビューから英気を養ってここに挑むのが、新しい必勝ローテーションと言えるでしょう。 キャリアの少ない2歳戦、つまりデータも少ない馬たちのレースゆえ、デビュー前から評判の高い馬が人気を集めるのが通例です。つまり、1番人気で新馬を快勝、みたいなパターン。しかし、過去10年の勝ち馬で前走の新馬戦が1番人気で1着だったというケースは、ハープスターただ一頭。昨年の勝ち馬ロードクエストを初めとして、多くの勝ち馬はデビュー時は目立たない存在でした。前評判に惑わされず、冷静にレース内容を見極めることが重要です。 キャスパリーグはデビュー戦は2番人気でしたが、牡馬の素質馬アダムバローズ(次走で未勝利勝ち)を並ぶ間もなく差し切る完勝でした。レースセンス抜群で、ディープインパクト産駒らしい切れ味の持ち主。一週前追いで坂路自己ベストを大幅に更新したように、この中間着実にパワーアップしている可能性は高そうです。現状の注目度はそれほど高くありませんが、中心馬としてケチのつけるところがほとんどありません。 モーヴサファイアはデビュー戦の中京芝1600m新馬を牡馬相手に好タイムで完勝、上がり3Fもメンバー中最速でした。ブラックスピネルの半妹ですが、この馬も素質が高そうです。マイネルバールマンはダリア賞を2着に敗れましたが、余裕残しの仕上げでしたし、スローペースにハマっただけで評価を下げる必要はありません。スケールの大きさに再注目。 アンジュシャルマンは新馬戦が重馬場ながら好タイム。半馬身差2着のマイネルパラディはすでに勝ち上がっていますし、3着はさらに6馬身後方でしたから、現状の到達点の高さではメンバー中でも屈指の存在です。ウインシトリンは新馬勝ちが5番人気でしたが、2着以下からすでに3頭も勝ち上がっている好メンバーの一戦でした。攻め駆けしないタイプでここも人気薄かもしれませんが、要注意の一頭です。 ヴゼットジョリーは中京芝1400mの新馬戦を好タイムで快勝。最終週の荒れた馬場だったことを考えるとさらに評価が高まります。ロゴタイプと同じローエングリン産駒で、マイルへの距離延長でさらにパフォーマンスを上げる可能性も充分。イブキは新種牡馬ルーラーシップ産駒。デムーロ騎手から田辺騎手への乗り替わりは、去年のロードクエストと同じパターンです。距離短縮が鍵になりますが、長い直線でしぶとさを活かせれば。
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