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12月27日 中山10R 有馬記念(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 有馬記念は一年間の中央競馬の締めくくり。思えば、スターホースの顔ぶれが大きく入れ替わった一年間でした。ジェンティルドンナ、ジャスタウェイというGIを勝ちまくった名馬2頭が昨年かぎりで引退。そのあとを継ぐはずだったハープスター、エピファネイア、キズナも次々と故障を発症、秋シーズンを前に競馬場を去りました。3歳世代からはドゥラメンテという超新星が登場しましたが、骨折で秋は全休。短期間にあまりにも多くのG1馬が離脱していきました。

 替わって今年後半の中長距離路線の主役を務めたのは、5歳のラブリーデイと牝馬のショウナンパンドラ。彼らがこの一年で大きく力をつけたことは事実ですが、台頭の裏側にはトップクラスの弱体化があることは間違いありません。そして、絶対的王者不在の混沌とした状況は、まだ続いていると考えるべきでしょう。

1.ジャパンC好走馬は疲労に注意

 過去10年間、ジャパンCで勝つにしても負けるにしても0.2秒差以内の接戦をしてから有馬記念に臨んだ馬は[1-0-0-10]。馬券になったのは2005年のハーツクライだけです。馬券圏外に沈んだ残りの10頭のうち、8頭までが3番人気以内の人気馬でした。ジャパンCは国内最高峰のレースですから、レース分析すると好走馬が強く見えるのが当然ですが、彼らが有馬記念でも同等のパフォーマンスができるかどうかは別の話です。ジャパンCと有馬記念を連続して勝ち負けした馬は、前述のハーツクライに加えて、2006年のディープインパクト(ジャパンCは0.3秒差で勝利)、2010年のブエナビスタ(ジャパンCは0.3秒差で1位入線後、2着降着)。最近10年ではこの3頭しかいません。

2.回復の早い若い馬が有利

 シーズン末期の一戦ですから、連戦の疲労からどれだけ立ち直っているかも重要な要素になります。そして、回復の速さは若者の特権と言えるでしょう。年齢別の連対率(過去10年)では、21.2%の3歳馬がトップ。4歳馬は18.9%でほぼ互角ですが、5歳馬は11.1%とはっきり落ちます。6歳になると連対はゼロでダイワメジャーの3着があるだけ。ポップロック、マツリダゴッホ、ドリームジャーニーという過去に有馬記念好走歴のあった馬も6歳時には馬券圏外に沈んでいますから、6歳のゴールドシップには気がかりなデータです。

3.軽い斤量が有効なレースに

 最近5年間の有馬記念のうち、3回までがレースの上がり3Fが34秒台でした。スローペースが増えたことと、馬場改修によって中山の芝が傷みにくくなったことが相まって、有馬記念も年々瞬発力勝負の様相が強くなっています。ヨーイドンの競馬ならば軽い斤量の馬が優位に立つのは理の必然。過去5年の有馬記念では斤量55kgの馬(=3歳牡馬と古馬牝馬)が[4-2-1-17]、それに対して斤量57kg(=古馬牡馬)は[1-3-4-44]。上位1-5番人気に絞ると55kgが[4-1-0-4]、57kgが[1-1-3-11]ですから、計算するまでもありません。圧倒的に55kgが有利です。ちなみに53kg(3歳牝馬と南半球生まれ3歳牡馬)はこの5年間では出走例がありませんが、過去10年に広げると[0-2-0-2]ですから悪くありません。

 リアファルはテンのダッシュ力に優れた逃げ馬でありながら、終いの瞬発力にも秀でているのですから、中山内回りはぴったりに思えます。菊花賞は出入りの激しい乱ペース。2周目の2コーナーから脚を使わされながら、最後まで勝ち負けにくわわっての3着ですから、ほんとうに強い競馬でした。あれに比べれば有馬記念のほうがずっと走りやすい流れになる可能性は高いでしょう。自分でペースを作れるわけですから、古馬初挑戦といっても自分の競馬に徹するだけ。自然体で臨めます。

 マリアライトはリアファルの半姉。エリザベス女王杯が初GIにして初重賞勝ちでしたが、香港Cでも2着したヌーヴォレコルトを競り負かしたのですから、ここでも軽くは扱えません。この馬の出世が遅れたのは、牝馬にしては長い距離を得意としているので適鞍に恵まれなかったため。2400m以上の距離では2戦2勝、いずれも牡馬相手に完勝です。オールカマーでは5着でショウナンパンドラには完敗の形ですが、内回りの中山2500mならばこの馬を上にとるのが自然です。

 菊花賞馬キタサンブラックは中山で3戦2勝。唯一敗れた皐月賞も3着に踏ん張っていますから、関西馬ながら中山はホームコースと言える相性の良さを誇ります。ただし、菊花賞はすべてが咬み合っての勝利であり、まともに先行したダービーは14着に大敗していますから、距離に不安なしとはいかないのが正直なところ。ルージュバックは半年ぶりだったエリザベス女王杯があと一歩の4着。さすがに力があります。今回は久々を叩いた上積みが見込めますし、オークスの内容から距離が延びるのも悪くないでしょう。なによりも53kgで出走できるのが魅力です。

 ゴールドシップはジャパンカップを叩き台として凡走したことで、疲労を残さない形で有馬記念に臨めます。ただし、有馬記念には過去3回出走して勝ったのは55kgで出走した3歳時だけですから、能力の減退がないと仮定しても勝ち負けするにはまだ壁が残っています。ラブリーデイは2500m以上では4戦全敗で5着が最高ですから、距離に課題を残していることは事実です。ただし中山内回りでは今年の正月に金杯をレコード勝ちした実績があるように小回り自体は得意で、ペース次第で好走可能でしょう。ショウナンパンドラは中山でのオールカマーの完勝が飛躍のきっかけになりましたが、あれは外回りでのもの。本格化前とはいえフラワーC(中山内回り)を1番人気で5着に敗れているように、本質的に小回りは歓迎ではありません。今の充実ぶりで克服できるかどうか。

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