最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします
※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。 早い段階で賞金確保に成功した牡馬の3歳戦の出発点として、真っ先に名前が挙がるのが弥生賞です。逆に、一発逆転で権利獲得を目論む馬たちは、もっと手薄な他のステップ競走に向かうため、弥生賞は少頭数になるのが通例。 そのため、本番の皐月賞とはまったく異なるスローペースで流れることがほとんどです。過去5年間、皐月賞の1000m通過が61秒を超えた年はなく、昨年の60.2秒が最も遅い数字ですが、過去5年の弥生賞で1000mが最も速かったのが昨年の61.2秒。皐月賞の予行演習として、必ずしもベストとは言い切れない面があります。ここが弥生賞の難しさです。 1.3角スパートでスタミナが問われる 3歳のこの時期になると、2000mも特別に長い距離という感覚ではなくなります。2歳の2000m戦は終い2-3Fのヨーイドンという競馬になりますが、強力メンバーが集まる弥生賞ではほとんど3コーナーからペースアップして、終い4Fのロングスパート勝負になります。皐月賞よりもダービーや菊花賞へと繋がるような、スタミナ比べの側面を持ちます。 2.瞬発力特化型より自力勝負型 過去5年間の勝ち馬で、前走の上がり3F順位が1位だった馬は一昨年のカミノタサハラ一頭だけ。ディープインパクト産駒の勝利もカミノタサハラだけです。対照的に先行馬の活躍が目立つレースで、過去5年間の連対馬10頭のうち、前走で先行していた馬が半数の5頭を占めます。 3.ラジオNIKKEI杯の勝ち馬が苦戦 ラジオNIKKEI杯2歳Sから弥生賞へのローテーションは若馬のエリートコースとして知られていますが、ラジオNIKKEI杯の勝ち馬で弥生賞を制したのは、2010年のヴィクトワールピサが最後です。アダムスピーク、エピファネイアと馬券にも絡めないケースもあって、全幅の信頼は置きづらい状況です。ラジオNIKKEI杯2歳Sはなくなりましたが、冠を受け継ぐ京都2歳S、同時期に施行されるホープフルSの勝者をどう扱うべきか、頭の痛いところです。 スタミナ勝負という観点ならば、ブライトエンブレムの優位は動きません。ひと捲りで圧勝した札幌2歳Sが異次元の強さでした。前走の朝日杯は7着に敗れましたが、ネオユニヴァース産駒に忙しいマイル重賞ははっきりと距離不足でした。成長ぶりはうかがえましたし、あれで評価を下げる必要はありません。スタミナを問われる流れになれば簡単に巻き返せるはずです。 ハービンジャー産駒には2勝目が遠いという傾向がありますが、数少ない2勝馬の一頭がトーセンバジル。ハービンジャーは大物をポツンポツンと出すタイプと思われ、もう一頭の2勝馬ベルーフは京成杯も制覇して3勝馬になっています。「2勝目の壁」に苦しまなかったトーセンバジルも大物である可能性は高く、重賞でも互角以上と考えます。中山2000mを経験しているのも心強い材料。 クラリティスカイはいちょうSを勝って朝日杯でも3着と、マイル戦での活躍が目立ちますが、未勝利勝ちは1800mですし、レースぶりが巧みで2000mならば問題なさそう。どんな相手にも好勝負できる馬で、到達点は低くありません。シャイニングレイは2戦2勝、ホープフルSの勝ち馬。ホープフルSは上がり2Fの瞬発力勝負でしたから、スタミナの裏付けという部分ではまだ未知数です。ここが試金石になるでしょう。 ベルラップは京都2歳Sの勝ち馬。負かした相手のその後の成績から、京都2歳Sのレベル自体に疑問符が持たれていますが、ハーツクライ産駒の成長力で疑念を払拭したいところ。サトノクラウンの東京スポーツ杯勝ちは、ムーア騎手の手綱捌きで接戦をものにした印象が強く、出世レースの勝ち馬とはいえまだ抜きん出た存在ではありません。コメートはキャリア豊富ですしコース実績もあるレース巧者。突き抜けるような場面はイメージしづらいですが、紐には加えたいところです。
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