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最速の月曜公開!全重賞の展望をお届けします

12月28日 中山10R 有馬記念(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 今年はこれまでのところ、JRAのGIレースを2勝以上した馬はまだ現れていません。JRA賞の年度代表馬の選定も、有馬記念の結果に委ねられることになりそうです。

 ただ、JRAの古馬GIを年間に複数勝つような馬が出にくくなったのは、じつは今年だけの現象ではありません。2000m以上の古馬GIを1年に2勝以上した馬は、2007年のアドマイヤムーン(宝塚記念、ジャパンカップ)が最後です。以来は、競馬場によって勝ち馬が変わるような戦国時代が続いています。

 この乱世が、ジャパンカップを圧勝したエピファネイアによって終結を迎えるのか? 今年の有馬記念のひとつの見どころになるでしょう。

1.ロングスパート戦で東京実績は参考外

 近年の有馬記念は、ほとんど決まって向こう正面からペースが速くなって、そこからゴールまで5Fほど、長く脚を使っての我慢比べという競馬になります。東京や阪神外回りのような終い3Fの瞬発力勝負とは対極的なレース質になるので、近走の東京成績はリセットして考える必要があります。重視すべきは、中山、阪神内回りや道悪など、上がりが掛かったレースでの好走経験。

2.JC好走馬は疲労に注意

 過去10年でジャパンカップで連対した馬が有馬記念に使ってきたときの成績は[3-1-0-6]。ジャパンカップと有馬記念で連続連対を果たした4頭(ゼンノロブロイ、ディープインパクト、ハーツクライ、ブエナビスタ)は、いずれもジャパンカップで3番人気以内に支持されていました。ジャパンカップで「激走」して連対した馬は、その反動からかすべて有馬記念で馬券圏外に沈んでいます。ジャパンカップの快勝は、必ずしも有馬好走へのパスポートとはなっていないことに注意が必要です。

3.ディープインパクト産駒は苦戦

 ディープインパクト産駒は中山芝2500mにこれまでのべ15頭出走していますが、2着と3着が2回ずつあるだけでいまだに未勝利です。ディープインパクト産駒は一般的に大跳びで広いコース向きですから、中山内回りでコーナー6回という有馬コースとはとことん相性が悪いようです。これまでこのコースで唯一穴で好走(3着)したトーセンワープは、大逃げから粘り込む形でした。自分のリズムで走れるのならば、ディープインパクト産駒でも割り引く必要はないのかもしれません。

 ゴールドシップは一昨年の有馬記念を含めて、中山のGIは3戦2勝3着1回。上がりが掛かる競馬には絶対の自信を持っています。凱旋門賞から有馬記念に直行した馬は過去10年で3頭いて[1-1-0-1]。タップダンスシチーが凱旋門賞の17着から巻き返して2着しているように、このステップでは前走の敗戦は気になりません。

 ジャスタウェイがここまで勝った距離は2000mが最高ですが、有馬記念ではかつてダイワメジャーが2回走って2回とも崩れなかったように、マイラーでも折り合いが付けば克服可能な条件です。中山記念で圧勝したように小回りコースも苦にしないので、ジャパンカップよりもチャンスは大きいと思われます。

 エピファネイアがジャパンカップで2着につけた4馬身差は、良馬場では過去最大の着差。これ以上の圧勝は、重馬場でのタップダンスシチー(2003年)があるだけという歴史的な勝利でした。ただし、そのタップダンスシチーも次走の有馬記念では8着に大敗しています。エピファネイアも折り合いの難しさを抱えていますから、有馬記念でも最有力とは言い切れない難点が残ります。

 フェノーメノは春の天皇賞を2勝のスタミナ自慢。京都の実績は有馬記念ではアテにならない傾向がありますが、本馬は中山でもGIIを2勝していてコースに不安はありません。

 ディープインパクト産駒では、逃げられるヴィルシーナを筆頭に採ります。春の宝塚記念で3着がありますし、3歳時の秋華賞ではジェンティルドンナと大接戦でしたから、小回りではむしろこちらの方に安定感があります。ラストインパクトは現在絶好調ですし、このコースにも春の日経賞で3着の実績があります。一線級との手合わせでも今の勢いならば侮れません。

 ヴィルシーナとジェンティルドンナは、牝馬の引退レースという点は狙いにくい材料ですが、前走で無理をしていないということでは、ブエナビスタやエアグルーヴなど、これまでのケースとは異なるところです。内田騎手と戸崎騎手、地方競馬出身の両騎手の小回りコースでの手綱捌きにも期待が集まります。

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