丹下日出夫の予想

丹下日出夫

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12月1日 阪神11R ジャパンCダート(G1)

丹下日出夫の見解

【絶妙の皮膚感】ホッコータルマエが、中央・地方ダートGI界の頂点を極める。明け4歳の本年は、逃げ差し自在に、マイルから2100mまで[6110]。かしわ記念ではエスポワールシチーを完封。帝王賞では前年のJCダートの覇者ニホンピロアワーズを退け、JBCクラシックではワンダーアキュートを撃退。思いつくだけの年長GI馬たちと勝負付けもすませてきた。

思えば、3歳で臨んだ昨年のJCダートは3着。もうひと押しの足りない馬ではあったが、戦績の上昇とともに肌艶も一変。若駒時代は、タテガミの毛羽だった、茶色い部分も多く残す垢抜けしない鹿毛馬だったが、今よほど新陳代謝がいいのだろう。黒鹿毛とも青毛にも見える、絶妙の皮膚感は出色。

アメリカの競馬史において、今もって人々の記憶に残るマンノウォーという栗毛馬がいたが、血を塗りたくったような光沢のある肌艶を称して「ビッグレッドマシン」と呼ばれ、中国ではこれをして「汗血馬」という表現を用いるが、栗毛・鹿毛こそ違え、今のタルマエの皮膚感が、そうなんだろうなぁ。なんて、充実の4歳秋。自在の脚質を得て、ひと伸びふた伸びが効くようになった今なら、横綱相撲で押せる。

ベルシャザールも、ダービー3着から紆余曲折を経て、ダートに転身して[3110]の快進撃。本命馬と同様、ダート馬というのは、走れば走るぶん、結果が実になって現れる。武蔵野S・1分35秒3は、開催時期こそ異なるものの、本年1月のフェブラリーSと0秒2差。時計的根拠も整った。

単穴はローマンレジェンド。前年4着は、5連勝のあとの、ピークをすぎた一戦。急遽の手替わりも痛かった。高速決着もどこか見え辛い馬だったが、前哨戦のみやこSは、59キロを背負い、1分49秒4で3着。先行有利の軽い馬場と斤量差に泣き0秒2差に敗れたものの、今度は57キロ。逃げ先行馬が多数揃って展開も絶好。

ワンダーアキュートも、JBCクラシックの造りは、薄皮一枚余裕残し。ゼッケン下にちょろちょろ汗はかいていたが、イレ込むくらいに闘志のあるタイプだけに、この馬にしては少し大人しいくらいに映った。ホッコータルマエを追いかける姿にも迫力を欠いたが、目標はここ。ひと叩きした効果はもちろん。機を見るに敏な武豊なら、有力各馬の鍔迫り合いを前に脚をタメ、一瞬の勝機を突いてくる。

連穴はクリソライト。JBCクラシックは重め残りの影響か。スローを我慢しきれず、終始外々を振り回され5着に失速したものの、JDDの2分4秒8は(後続に1秒3差を考えれば)、ホッコーやグレープブランデーのJDDよりも、時計の精度も内容も遥かに上だった。

エスポワールシチーは、8歳とは思えぬ馬体の張りと気迫。ただ、1800mだと、後藤がどう上手く乗ってもあと100mが長い。

ブライトラインも、エスポワールとタイプは同じ。福永の満点騎乗が望まれる。

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