問答無用の決定力!週末の特別レースを完全に制圧します!
【我慢の菊】エピファネイアの我慢が花開く。デビュー以来[4201]。折り合いを欠いた弥生賞こそ、4着と沈んでしまったが、一冠目の皐月賞は、古馬混合の中山2000mのコース記録となる、1分58秒0に遅れること、わずか0秒1。続くダービーも、キズナの差し脚に半馬身差の2着に屈したものの、残り50mまでは先頭。記録・内容ともに、3歳世代の頂上決戦で凌ぎを削ってきた。しかし春二冠の惜敗の理由は一にも二にも折り合い。ひと夏を越えた前哨戦の神戸新聞杯は、リングバミに替え舌を縛り、課題である折り合いを克服し、仕掛けどころで追い出しを待ち、前半1000mが59秒8いう、よどみのない平均ラップの上に立ち、残り600mから11秒1―10秒8と、レースラップは一気に加速。その急流を鮮やかに抜け出して後続に2馬身半。折り合いという自己との戦いも勝ち抜いた。枠順はコースロスの少ない内目の3番枠。一週目のスタンド前をゆったりと通過できれば、自ずと菊の大輪が近づいてくる。一発大逆転の金星を狙うのはバンデ。神戸新聞杯と同じ2400mで行われた前走の兵庫特別は、前半1000m通過が1分3秒5というスローに恵まれたにせよ、11秒0―11秒0―11秒5(3ハロンは33秒5)という快ラップで、後続を見る見る間に6馬身とチギる大楽勝。凄味すら感じさせる、このラップで上がられては、さすがのエピファネイアも差し届かない、乱れ菊も頭に入れておきたい。ちなみに、半兄は世界のGIをまたにかけたドクターディーノ。3000mのスタミナ勝負は望むところ。ユールシンギングの二走前・1分47秒3は、同日の新潟記念の1800m通過タイムに1秒遅れ。上がり34秒0は新潟記念を最速の上がりで制したコスモネモシンを0秒3上回っていた。セントライト記念は、台風一過の湿り気を帯びた緩い芝。走破タイムは2分13秒5と、一見平凡ながら、GI仕様の時計的根拠は二走前ですでに確立。跳びは大きく、パワーあふれる520キロ前後の巨漢馬。シンボリクリスエス×スペシャルウィーク×トニービンと、配合は菊でこそのステイヤー(近親は青葉賞・ステイヤーズS優勝馬ペインテドブラック)。ゴール前急追が見ものだ。惑星はフルーキー。角居厩舎の僚友エピファネイアの陰に隠れ扱いは地味だが、黒光りした馬体は異彩を放ち、ここに至るまでの一連の稽古の動きも圧巻。7月以降の3戦の時計や上がりの数値は、穴人気となっている神戸新聞杯2着のマジェスティハーツと同等か五分以上だった。ケイアイチョウサンは、絶好の1番を引き当てた。最速の上がりをマークしたセントライト記念で、よしと脚は確認。インか外か。横山典が一か八かの直線勝負に打って出る。
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