丹下日出夫の予想

丹下日出夫

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5月26日 東京10R 日本ダービー(G1)

丹下日出夫の見解

【二冠達成の大見出し】月曜の朝刊には、「皐月賞・ダービー二冠」の大見出し、ロゴタイプが踊る。ベゴニア賞のレコ勝ちから、朝日杯のタイレコード勝ち。スプリングS完勝を受け、臨んだ皐月賞だったが、コパノリチャードが作る、2-4Fにかけ10-11秒台の息の入りにくい1000m通過・58秒0のHラップを、道中はインにピタリ。内目の傷んだ芝を嫌うジョッキーも多かっただけに、これはこれでM・デムーロの豪胆、折り合いも悠々。ただ、外にひしめくライバルたち。勝負どころで果たして前は開くのか。馬群を割るのか、インを突くか--それでも、たぶん間に合うだろうが、直線手前。内から外へとズイと持ち出したのは、M・デムーロの勇気。エピファネイアを力でねじ伏せ、あとから思い返せば勝つべくして勝った、予定調和のような皐月賞だった。ちなみに、上がり3Fのレースラップは、11秒9-12秒0-12秒0(3Fは35秒9)に対し、自身のソレは35秒3。2着のエピファネイアは35秒6、コディーノは35秒8だから、後続はグウの音も出ず。1分58秒0は、古馬混合の中山2000mのレコードだった。かつてナリタブライアンが、この皐月賞を、1分59秒0という、当時とすれば大レコードで圧勝したことがあったが、ロゴタイプの1分58秒0は、それと同等の説得力を、続くダービー、そして後々も、もちえるかもしれない。ただ、スプリングSから中二週。馬造りは言われているほど簡単ではなかったように思うが、皮膚感、仕草、脚の運びにシルエットと、パドックにおいて、そしてレースにおいても一切無駄というものがない。無駄なことをしない馬は、勇気や結果--いろんなものと連動するのだろう。皐月からダービーへは、前走の仕上げを踏襲(短期放牧、時計は4本)。調整過程に狂いなし。もしロゴタイプが連下を外すとすれば、レコ勝ちの目に見えない蓄積疲労だけだろう。皐月賞組を、まとめて負かす可能性はキズナ。2000m通過・2分0秒1の上に立ち、レースの上がりを1秒4上回る34秒5という京都新聞杯の内容も濃いが、二走前の毎日杯の1分46秒2は、08年のディープスカイの1分46秒0に次ぐ好記録。ダービーへの絆は、その時点で結ばれている。前二戦のコース取りは大外、アクションもダイナミック。引き絞った弦を一気に解き放つ、武豊ならではの自信と豪胆がよみがえった意味も大きい。エピファネイアは、皐月賞は向こう正面までに折り合いを欠くロス。コディーノは、1コーナーを抜けるまでに他馬と接触、終始エキサイト。ともに前進の余地を残しているものの、皐月は着差以上に力差が明確だった。最速の上がりで6着と入線したメイケイペガスターも含め、若干の着順の変動はあるが、皐月組の柱はやはり本命馬だろう。青葉賞・プリンシパルS・NHKマイル組は、時計やラップに鮮烈さが乏しく印は5頭に絞った。

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