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6月3日 東京11R 安田記念(G1)

netkeibaデスクの見解

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

 マイル戦は他の路線からの参入が容易なカテゴリーである。とくに、安田記念は近い時期に適当な古馬の大レースが少ないこともあって、よりその傾向が顕著だ。過去10年の勝ち馬を見ても、ダービー馬ウオッカ、短距離王者ロードカナロア、秋の天皇賞馬ジャスタウェイ、皐月賞馬ロゴタイプと、すでにマイル以外のカテゴリーでタイトルを持っていた馬の名前が並んでいる。

 しかし一方では、ショウワモダン、ストロングリターン、モーリス、サトノアラジンと、マイル路線で地歩を固めたタイプの王者も少なくない。今年の安田記念もまた「別路線組対マイル路線プロパー」の対決という図式になりそうだ。

1.スピードレースで流れに乗れるか

 連続開催の終盤に行われるので、かつては芝の状態が悪い馬場で行われることが通例だったが、最近は違う。近8年中6回は勝ちタイムが1分32秒0以下(例外は不良馬場の2014年とスローペースの2016年)。先日のダービーもそうだったが、高速馬場で前が容易には止まらない以上、勝ち負けするためにはレースの流れに乗れるスピードが必須である。過去10年の当レースで、前走で2000m以上の距離に使われていた馬は[0-2-1-12]と勝ち切れない。

2.馬格が必要

 過去10年の勝ち馬のうち、最低馬体重は2008年のウオッカの486kgで、他はすべて490kgオーバー。トータルの成績では490kg以上の馬が[9-9-5-70]で、500kg以上だと[5-7-3-55]。昨年上位人気に推されながら連対を外したイスラボニータ、エアスピネル、レッドファルクス、ステファノスは、いずれも490kg以上という条件をクリアーできていなかった。

3.ベテランが優位に

 無敗馬が1、2番人気に支持された先日のダービーを見てもわかるように、戦歴に疵が少ない馬≒キャリアが浅い馬が人気を集めやすいのが人情だ。しかし、負けながらもキャリアを磨いてきたベテランの経験値を軽く見るべきではない。過去10年で4歳馬が2勝なのに対して、5歳馬が3勝、6歳馬が4勝と、6歳までは年齢が上がるのにつれて勝利数が増えている。

 大阪杯勝ち馬のスワーヴリチャードは、これまで使われた最も短い距離が1800mの共同通信杯で、スピード競馬はまったくの初体験になる。マイラーズC勝ち馬のサングレーザーは、折り合い面の問題があって、早めに脚を使って位置を取りに行く競馬は望みづらい。死角を抱える両馬が人気になりそうで、波乱の決着も充分想定できる。

 スピード充分な大型馬ということで、キャンベルジュニアに注目したい。もともと大きな馬だったが、6歳になって馬体重は540kg台にまで成長。馬体の完成に伴って走りの精度が高まって、大器がようやく本物になってきた。前々走のダービー卿チャレンジT2着は、前崩れの展開をただ一頭踏ん張ってのものだし、前走の京王杯スプリングCはレコード決着をタイム差なしの2着。全勝ち星を1600m以上で挙げているのに加え、距離短縮の1400mでも崩れなかった点に、現状の充実ぶりを感じ取ることができる。過去7年のうち3勝を挙げている「安田記念マイスター」堀宣行調教師による仕上げの妙技を堪能したい。

 サトノアレスは京王杯を追い込んで3着に敗れたが、距離延長を見据えて前哨戦の競馬に徹してのもの。本番に向けて上積みは大きい。ムーンクエイクは京王杯の勝ち馬だが、行きたがる面を見せていたので、距離延長になる今回は不安な材料だ。キャリアを重ねて精神的に成長したリアルスティール、実績のあるマイル戦に戻るのは歓迎のペルシアンナイトにも注目。

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