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【皐月賞馬が覇を唱える】3歳馬ディーマジェスティが、古馬GIの壁を一気に突き破る。万全を期して挑んだ菊花賞は、初の関西遠征ということもあったのだろう。ふたを開けてみれば、よもやのプラス6キロ。元々が母の父ブライアンズタイムの影響も濃い腹袋の張った体型ではあるが、下腹回りがポッコリとだぶついている。

　レース中に爪をぶつけ、馬群に包まれたり、小さなロスも重なったが、3000mの菊花賞は、やはりギリギリ研ぎ澄ませた馬体でないと走り切れない。しかし、改めて振り返ってみると、本年の皐月賞は、前年のドゥラメンテ世代を0秒3上回る1分57秒9というHレベルで決着をみた。

　向かい風の中前半1000mは58秒4で進み、6F目にもう一度11秒5というHラップが表れる激流――むろん、その前崩れの追い風にものって直線を迎えたが、坂の頂上近辺から上がり34秒0でひと呑み。

　3歳世代の質の高さと層の厚さが皐月賞の記録に凝縮しており、JCで古馬世代を呑みこむ、大きな原動力となる。菊花賞後の目標はJCと宣言、目標は明確。今度はホームの東京、人気的にもある程度気楽に行ける。

　もちろん、ロングスパートで有馬記念を制したゴールドアクターの二枚腰は相当粘り強い。春の天皇賞は、イレ込みがきつく12着に失速してしまったが、今季はオールカマーを2分11秒9で勝利し、JCにピークをもってきた。思惑通り、青鹿毛の馬体が光り輝いている。

　キタサンブラックも京都大賞典はラスト4F・11秒9-11秒1-11秒1-11秒5という強靭なレースラップで後続を封印。ひと叩きした上積みも当然考慮、瞬発力勝負と持久力勝負の両方に対応できるし、武豊も追い出しのタイミングは練りに練ってくるだろう。ただ〇と▲は、一番の目標とされる脚質が辛い。

　本命と息を合わせるようにして、リアルスティールも強襲。勝ち馬モーリスのレース運びは別格として、天皇賞の33秒5という数字の末脚は確実にJCに通じている。ムーアとのコンビで、ドバイを楽勝。坂路を唸るように11秒台で登板、ひょっとしたらデキは一番?印は☆だが、当日単勝買いも考えています。

　連下として、トーセンバジルもぜひ主張したい一頭。距離は100m短いが、オクトーバーSの上がり33秒1は、アルゼンチン共和国杯のラップと互角以上だった。

　サウンズオブアースは、菊花賞2着、有馬記念2着もある馬だが、前走の京都大賞典然りで、肝心なところで度々前が詰まる不利を被ってきたが、ふと見ると今度は前ががら空き。デムーロが目の色をかえ、力でこじ開ける可能性も大。レインボーラインも、ルメールが乗るとなれば、菊花賞2着を改めてみつめることになる。