■サヨノネイチャの1強ムード?
地方馬NO.1のライトウォーリアや埼玉栄冠賞の覇者ナニハサテオキが浦和記念に出走し、マイルCS南部杯4着のミックファイアも先日のチャンピオンズCに出走。地方馬が底上げするほど、SⅡの勝島王冠は手薄になるのだろう。
ここはサヨノネイチャの1強ムード。大井の重賞3勝で帝王賞でも5着した本馬には逆らいにくいが、相手もほぼ対抗馬のあの馬と見ている。
■有力馬と評価コメント
◎ (9)サヨノネイチャ
地方馬が相手では連対率100%で、昨年の勝島王冠、今年のブリリアントC、大井記念と重賞で3連勝した馬。中央馬が相手の前々走、帝王賞でも5着に健闘した。
昨年の勝島王冠では2番枠から出遅れ。そこから押して中団やや後方内目を追走。3角手前で外に誘導すると外からロードレガリスが上がって先に仕掛けたので、それを追い駆けて進出。
直線序盤では好位の外。そこからしぶとく伸びて3番手まで上がり、ラスト1Fで苦しくなったロードレガリスを差し切って2馬身、最後にライトウォーリアをかわしてハナ差で勝利した。
ここではロードレガリスの早仕掛けにライトウォーリアが抵抗したことで、展開利や馬場の良い外目を走れた面はあった。それでも後の川崎記念の覇者となる同馬を降したことは評価できる。
また前々走の帝王賞でも中団やや前方の中目を追走。3角手前で外からやや位置を押し上げて着差1.3秒差の5着に善戦しているように、本馬は大井1800~2000mで実績がある。
休養明けの前走のマイルCS南部杯はレモンポップ、ペプチドナイルが競り合ってペースを引き上げていく展開を3番手と勝ちに行く競馬をしたために8着と崩れたが、今回はひと叩きされてベストの条件。勝ち負けが濃厚だ。
○ (8)キングストンボーイ
3走前の中央のOP・平城京Sで2着の実績馬。ここでは2番枠から五分のスタート後、じわっと位置を取りに行って中団やや前方の最内で1角へ。向正面でもやや位置を上げ、好位馬群の中で3角へ。
4角で包まれたが、そこでワンテンポ待って、4角出口で前の4頭の外に誘導。直線序盤で外からロコポルティにかわされると、それを追い駆けて好位の外に上がり、ラスト1Fでは2番手。しかし、同馬との差を詰められずに3馬身半差で敗れた。
本馬は駐立不良でスタートが悪く、出遅れることが大半。後方からいい脚で伸びながらも馬券圏内まで届かないことが多かったが、スタートが決まれば中央のOPで上位の走りができる。
しかし、こういう馬ほど地方ならではのスタート補助「尾持ち」が利きやすいもの。渡辺厩舎は移籍緒戦時、補助なしで様子見する場合もあるが、本馬のような明確な駐立不良だと緒戦からでも「尾持ち」をするような気がしている。また渡辺調教師が今回、同馬に対して強気だったとも聞いている。
地方馬が相手なら多少出遅れても中団くらいの位置を取れる可能性が高く、スタートさえ決めてしまえばかなりに確率で上位争いに加われると見て対抗に推す。
▲ (4)ヒーローコール
今年1月の報知GPでは強豪相手に2着。ここでは1番枠から五分のスタートを切ってかなり押していったが、外のエルデュクラージュのほうが速くて逃げられず。そこから同馬の外を狙ったが、その位置を外のマッドルーレットに取られ、エルデュクラージュの後ろをスペースを作って追走した。
3~4角では最内から前との差を詰めて、直線序盤で逃げ粘るエルデュクラージュの外に誘導。ラスト1Fで同馬が甘くなり、そこで徐々に差を詰めたが、2馬身差までだった。しかし、先着した相手がスワーヴアラミス、ロードレガリス、ギガキングなど、重賞で好走実績がある馬だったことを考えるとけっこう頑張っている。
本馬は昨年9月の戸塚記念(川崎2100m)で逃げて6馬身差で圧勝しているイメージが強いが、ここは同世代が相手で恵まれた面があり、ベストは1800m。4走前のブリリアントCでも2着、前々走のフリーオーソレジェンドCでも2着ギガキングと0.4秒差の4着に善戦している。
前走の埼玉栄冠賞は距離2000m。ゆっくり逃げていたが、2周目の向正面でナニハサテオキが早めに上がってきたので、これに抵抗する形で早めに仕掛けて苦しくなって4着に失速したもの。
今回は距離ベストの1800m。内に逃げ馬の(1)ランリョウオー、揉まれたくない(Ⅱ)コラルノクターンがいるので、今回は好位からの追走になりそうだが、どちらが逃げてもペースは速くならないだろう。道中で早めに動いての好走を期待する。
△ (5)パワーブローキング
2023年に2勝クラスと3勝クラスを連勝し、その次走のアンタレスSでも4着と健闘した馬。2023年のアンタレスSでは大外15番枠からやや出遅れたが、枠が悪いので、無理せずに中団外目を追走。道中も前が淡々と飛ばして行く展開を、中団やや後方中目で進めて3角へ。
3~4角では外からサンライズホープらが動いていくのをワンテンポ待って後方中目を通し切って直線へ。序盤で中団のスペースを拾いながら押し上げ、ラスト1Fでけっこういい脚で前をの差を詰めたが4着までだった。
ここは前後半4F47秒5-50秒1のかなりのハイペースで展開に恵まれた一戦ではあったが、後のJBCクラシックや帝王賞の覇者キングスウォードなど強豪が集っていた中での4着は立派なもの。
その後、調子を落として地方に移籍したが、ここへ来て調子を上げている。前走のJBCスプリントが連闘策で遠征しているだけに、その疲れが心配だが、もともとの本馬の実力を考えた場合には、5着でも能力を出し切っているレベルではない。前走で短距離を使ったことで行きっぷりの良さが改善される可能性もあるので押さえておく。
△ (13)ユアザストーリー
昨年の埼玉新聞栄冠賞の3着馬。同レースでは6番枠から五分のスタートを切って、前を主張する馬を行かせて好位馬群の直後を追走。3角で馬群の中目から押し上げて、4角出口で馬場の良い外へ誘導。そこからしぶとく伸びていたが、クビ+ハナ差までだった。
昨年の埼玉新聞栄冠賞は、(1)ランリョウオーの逃げで前後半5F62秒9-後半5F65秒1のハイペースで、外差し有利の馬場。展開と馬場にやや恵まれた面があったが、その後、着実に地力をつけている。
前走の姫山菊花賞こそ4角で中団中目で包まれて、直線序盤で進路を探してややまごつく不利があって6着に敗れているものの、それを除けば9走前からずっと3着以内に善戦しているように、レースぶりに安定感もある。
それも戦った相手はライトウォーリア、ナニハサテオキ、セイカメテオポリス、(4)パワーブローキングなどの強豪ばかりである。前走の埼玉栄冠賞でも前有利の馬場を中団外から差して2着に善戦しており、ここも警戒しておきたい。
公開日時:2024/12/04 17:50