前回のコラムでは、競馬AIに使用するデータに関して、AISSさんよりご説明いただきましたので今回は私（マジックウマ）がその流れを引き継ぎ、競馬予想における思考を血統の観点で書いてみたいと思います。

前回のコラムと重複しますが、現在はデータの抽出が容易になった事で期待値の高い馬を見つける事は以前と比べると容易になったと感じており、競馬における情報ははっきり飽和状態であると思っています。

最近読んだ本の中でブッチギリの名著である、とうけいばさんの著書「降格ローテ」にも、

「競馬はたくさんの情報があるが故、集めた情報を正しく処理できていない人が、認知バイアスにより都合の良い様に予想して負ける」

と書かれている様に、これからは情報を正しく読み取る力や、情報の取捨選択といった部分が精度の高い予想に繋がってくると考えています。

ではそういった中で、集めた情報を正しく理解し、どの様に取捨選択しているのかという点について、
私が行っている取り組みを紹介したいと思います。

私は毎週全レースを予想し実際に見ていますが、それがルーティーン化するとレース中の有利、不利だけでなく血統におけるバイアス（偏り）を発見する事がしばしばあります。その発見したバイアスを書き留めておき、後日、復習する時間にソフトにかけて調べ、採用、非採用を決めるという、もはや何目的なのか分からないマニアックな取り組みを予想家になってからはずっと行っています笑。

これが習慣化されていくと、かなりの数になっていき、指数に組み込めるだけの血統バイアスが完成されていきます。

血統バイアスにおいて気をつけなければならないのは、採用した血統バイアスが未来永劫使えるものではないという事。血統は母系が変わると傾向がガラッと変わる事がありますし、多くの方に知られる様なポピュラーな血統バイアスになるとオッズが下落し美味しいデータではなくなります。

この辺りは定点観測をしながら、美味しくなくなったら（控除率以下になったら）採用データからは外し、また新しい血統バイアスを探すという事を行っています。




分かりやすい例としてエピファネイア産駒の距離延長を上げます。

エピファネイア産駒は分かりやすく距離延長＞距離短縮の傾向が出ている種牡馬ですので、産駒が走り出してから間もなく距離延長馬を加点、短縮馬を減点という形で運用しておりましたが、昨年は初めて控除率を下回る成績でした。

20年度よりも21年度の方が試行回数が多く、複勝率が上がっていてこの成績ですのでこのデータは今後厳しくなりそうだなと感じており、現在は条件付き(400m以上の延長馬を加点)で採用しています。

今年も多くの血統バイアスを発見し、ウマーブルの的中に貢献出来る様頑張りたいと思っています！


※12/19中山3R
エピファネイア産駒の400m以上の距離延長で加点した5番人気○ブルトンクールの激走で
10万overの馬券を的中する事が出来ました！