先週末(2023/4/9)に行われたG1桜花賞では1番人気に支持されたリバティアイランドが最後方集団からの強烈な末脚で快勝という内容でしたが、そのリバティアイランドの単勝オッズは1.6倍でした。一方今週末(2023/4/16)行われるG1皐月賞では1強ムードの桜花賞から一転、主役馬不在の混戦模様が伺えます。そこで今週のコラムでは、これまでの予測ファクターに関する内容ではなく、オッズや人気に着目した“買い目”について考えます。
まず下表は、過去5年の中央競馬レースを対象に単勝人気別単勝成績をまとめたものです。


6番人気のような中穴エリアでやや回収率が高くなりますが、8番人気以降を除くエリアではおおよそ回収率80％程度となっています。
次に、同じ集計を、「各レースの1番人気の単勝オッズ帯」で分けて行いました。


　1番人気の信頼性(的中率)が単勝オッズ帯で大きく異なるのはもちろんのこと、中穴エリアで成績に差が出ています。例えば、同じ6番人気でも、「1番人気の単勝オッズが1.0-1.9」の場合は的中率4.0％、回収率82.4％なのに対し、「1番人気の単勝オッズが3.0-3.9」の場合は的中率6.9％、回収率89.8％と成績が向上します。ただし、1番人気のオッズが高いということはその分全体的に人気馬の信頼性が落ち、穴馬の台頭の可能性が大きくなるのは一般的なので特段新しい発見というわけではありません。

　続いて、「各レースの1番人気の単勝オッズ帯」ごとの「1番人気-2番人気の馬連」「5番人気-6番人気の馬連」の成績を算出しました。


　顕著に、

　・1番人気のオッズが低い場合
→人気馬同士の馬連成績安定(馬券妙味度は低い)し、逆に中穴同士の馬連成績は低調。

　・1番人気のオッズが高い場合
→中穴同士の馬連成績は良好(馬券妙味度もやや高い)、逆に人気馬同士の馬連成績は低調。

　といった傾向が読み取れます。

　もちろんこれだけで儲かるといった単純なものではありません(そもそも確定人気/オッズを使用しているので)が、重要なのは「日ごろから自身の買い目をしっかり分析できているのか？」ということです。例えば今回は“馬連1-2人気”の成績など出していますが、自身の予想印で“馬連1位-2位”の成績はどの程度か把握しているでしょうか。

　アナログで予想をしている方でも、日ごろから本命馬の印などをデータ化しておき、そこから人気の傾向などがつかめるはずです。更に、そこから馬連や三連複といった馬券の買い目を決める際に集計してみると買い方の相性や相手数の調整もできるはずです。

　特に買い方に関して、予想は上手なのに儲からない(点数が多すぎるなど)、といった方は多いと思いますので印を集計してみてどれだけ無駄な買い目が含まれているのか確かめてみると更に馬券成績が向上するはずです。

　下図は先週末の桜花賞でのウマーブルの買い目です。


　ペリファーニアの予測順位が低かったこともあり馬券的にはややプラスと微妙な的中ですが、それでも断トツの1番人-6番人気の馬連が活きています。実際、2023/4/9終了時点で2023年のウマーブルの本命馬成績は単勝的中率20.0％、回収率78.3％なのに対して、配信上の馬連成績は98.2％となっています。現状馬連は上位3頭のBOXになっており、これは事前の買い目シミュレーションによって最適化した結果です。例えば相手数を増やしても長期的に成績が向上しないことを確認したうえでこの買い目となっています。

　偉そうなことを書きましたが私自身まだまだ買い目の分析については研究中であり印自体の精度とともに改善していくことは常に課題となっています。