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【AIコラム】大阪杯について

2023年3月31日(金) 15:00

　今週末(2023/4/2)は古馬中距離G1である大阪杯が行われます。有力馬は今年の始動戦として休み明けでこのレースを参戦していることや他の強豪馬がドバイのレースに出走したこともあり、やや混戦のイメージですが非常に楽しみな1戦です。2週前特別登録段階でのAI予測についてnetkeibaTV内でお話させていただいておりますので興味がある方は是非ご覧ください。

馬場が渋った場合の特徴を改めて考える

　先週末(2023/3/2526)は中山・阪神・中京の3場開催でしたが、特に日曜は中京メインレースである高松宮記念を含めほとんどのレースで雨が降っており、馬場は「重」または「不良」で行われました。馬場が渋ると一般的に「馬券が荒れやすい(難しい)」「スタミナ・パワー型の血統が活躍する(時計が遅くなる)」などイメージがつくと思いますが、改めてどのような特徴があるのか集計で確認してみます。

　まず、中央競馬における馬場状態の割合は下表の通りです。

中央競馬レースの馬場状態割合　※2020～2022年のJRA全レース

　馬場状態が「重」「不良」である割合は全レースの約14％ほどです。「10％もないのかな」とイメージしていたので予想よりも少し多い印象です。従って、決してレアなケースではなく毎週天気予報などしっかり確認して予想に取り入れる方が多いのも頷けます(もちろん時期やトラックによって多少偏りはあると思いますが)。尚、ここからの集計についてはすべて過去3年(2020～2022年)に行われた中央競馬の「芝」レースを対象とします。

①年齢別成績

馬場状態・年齢別成績 ※2020～2022年のJRA芝レース

　先日の高松宮記念では7歳のファストフォースが勝利し、8歳のトゥラベスーラも3着、7歳のナランフレグも4着と馬齢が比較的高い馬の激走も記憶に新しいですが、データ上でも特徴として見て取れます。ファストフォースについてはAISSが本命[1位]、ウマーブルは対抗[2位]でしたので、要因として“馬齢”がどの程度効いているかは気になります。表より、特に「3-4歳」の成績は馬場が渋ると少し下がり、「5-7歳」の成績は馬場が渋ると上がっていることから、馬齢が高い馬は馬場が渋るとやや狙いやすくなりそうです。

②馬体重別成績

馬場状態・馬体重区分別成績 ※2020～2022年のJRA芝レース

　馬場が渋ると、ダート適正も求められるようになり馬体重が重い馬の方が有利かと考えましたがこちらは意外なことに特徴として現れませんでした。単に馬体重だけで測れない特徴があるかもしれません。

③前走テン3F順位別成績

馬場状態・前走テン3F順位別成績 ※2020～2022年のJRA芝レース

　前に行ける馬は馬場状態に関わらず成績が安定していますが、馬場が渋ると中団や後方での競馬をする馬でもチャンスが生まれやすくなると言えそうです。

④前走上り3F順位別成績

馬場状態・前走上り3F順位別成績 ※2020～2022年のJRA芝レース

　こちらに関しては馬場が渋ると更に上りが求められると言えそうですが、③の結果とも合わせるとやはり道中中団でテンも上りも安定している馬が結果を残しやすく、逆に極端に前でしか競馬ができないような馬は最後バテて結果を残せない可能性などが考えられます。

⑤「前走テン3F順位と前走上り3F順位の和」別成績

馬場状態・「前走テン3F順位と前走上り3F順位の和」別成績 ※2020～2022年のJRA芝レース

　③④の結果から「テンと上りどちらも使える馬はより馬場が渋ると結果を残しやすくなるのでは？」と考えて集計してみました。例えば和が6だと「前走テン3F順位が4位かつ前走上り3F順位が2位」などとなります。若干ですが、やはりテンと上りどちらも使えると成績も安定することが確認できました。

⑥“今走”脚質別成績

馬場状態・今走脚質別成績 ※2020～2022年のJRA芝レース

　最後に、“今走”の脚質別成績をまとめます。「逃げ/先行」が有利なのは言うまでもないですが、それらの脚質の成績は馬場が渋ると更に安定し、逆に「差し/追込/後方」は成績が下降します。ありきたりな結論ですが、馬場が渋った場合はより「前に行ける馬を狙え」ということになるでしょう。

　今回はどれも単純な集計なので、多くの方にとって目新しい発見はなかったかもしれませんが既存の集計でも時期によって特徴が変わっていることや、誤った認識をしていないか再確認する意味でも重要です。また、今回の集計では特徴が表れそうな「血統」に関するデータを対象としていないのでもっと深堀して今後も定期的出現する馬場が渋るレース条件で予想に活用したいところです。とはいっても馬券妙味ではなくレース観戦という意味ではやはり晴天の良馬場が個人的に好みなので悩ましいところです…。

AISS 大阪杯予想

AISS: AISS（アイス）と申します。昨今話題のAI（人工知能）において技術発展の火付け役となっている、機械学習手法「ディープラーニング」による予想を提供いたします。レース情報や出走馬の戦績、調教、騎手や調教師の実力、出走馬同士の力関係といった2000項目以上の情報を過去の大量データより学習し、「ただ当たるだけでなく回収率も高くなる」ような予想ができるようにAIモデルを設計・構築しました。AIを利用して安定かつ高精度の予想が実現できるように、日々試行錯誤の分析・シミュレーションをしています。少しでも皆さまの馬券成績向上のお力になれれば幸いです。

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