写真:殿堂入り予想家「今週の展望」

【有馬記念】血統とローテから掴む今年の有力馬の展望は?

2021年12月24日(金) 16:00

今回は殿堂入り予想家の亀谷敬正氏と、双馬毅氏とのスペシャル対談!
血統とローテから有力馬の取捨や穴馬候補について、それぞれの見解を伺いました。


亀谷「今年の有馬記念はパンサラッサが逃げて、タイトルホルダーも早めに捕まえに行く展開かな。そうなると、上がりがかかるペースになる可能性は高い。ここ5年ではアーモンドアイが沈んだ2019年みたいなペースになると思うんです。
2019年は東京芝のスピード勝負で歴代最高のパフォーマンスを発揮したアーモンドアイが馬群に沈んだ。
そして、1、2着はリスグラシューとサートゥルナーリア。どっちもサドラー持ち。1、2、3着は欧州指向のスタミナ血統。東京芝のG1では連対したことがない馬でした。まさに能力の方向は一定ではない!」


双馬「後続がパンサラッサをどこで捕まえに行くか? というのが今年のレースの大きなポイントですね。 パンサラッサは後ろを気にせずに離して逃げるでしょうから、そうなると競馬は一気に難しくなります。
誰かが捕まえにいかないといけないのはわかっているんですけど、パンサラッサならいいかと思うジョッキーもいそうです。だからこそ、パンサラッサは穴馬として面白い存在だと思います。しかも、スタミナ勝負に強い血統なんですよ。モンジュー、ミルリーフ、アレッジドまで入っていますからね」


亀谷「たしかに。母系は向きますね。で、1、2人気はエフフォーリアとクロノジェネシス。まずエフフォーリアはどうですか?」


双馬「「亀谷競馬サロン」のコラムでも、エフフォーリアはずっと東京よりも中山向きだといってきましたが、皐月賞を見て「やっぱり」と思いました。
ダービーのキレ味勝負ではパフォーマンスを落とすだろうと思っていました。
天皇賞・秋は成長と斤量でコントレイルを負かしましたが、中山ではもっと強いと思います」


亀谷「それは、ボクも同意ですね。ただ、構造への解釈が少々違うかな(笑)ボクが常々言ってるのは「東京より中山のほうが速く走れる馬はいない。ということ。アーモンドアイのジャパンカップのレコードと有馬記念のレコードじゃ、平均時速が全然違う。もちろんジャパンカップのほうが断然速い。
だから、エフフォーリアだって天皇賞秋よりもジャパンカップのほうが平均時速は間違いなく落ちる。ただし、その減速幅が、たとえばアーモンドアイよりは低いでしょう。ってこと。
それはサドラーズウェルズとロベルトを持つからですよね。サドラーズウェルズの強みは、減速要素への耐性が米国血統よりも高い。だから、減速要素が強い有馬記念で強いわけで。
今年のメンバーを見渡すと、東京芝でのスピード勝負もエフフォーリアが最も強い可能性は高い。かつ、ハイペースの消耗戦でのも減速しにくい血統なので、やっぱりエフフォーリアは有力ですよね。
エフフォーリアの欠点は、スローの緩急がついた流れで内枠を回ると減速しやすいこと。ただ、その可能性も今年は低そう。
さて、クロノジェネシスはどうですか?」


双馬「前走の凱旋門賞はいいところがありませんでしたけど、宝塚記念を短縮ローテで勝った後ですし、良いローテじゃありませんでした。
馬場に関しては、外差し馬場なら信頼度が高くて、内伸びの馬場で外枠を引くと信頼度が落ちるという感じ。この枠なら、内伸びでも大丈夫じゃないですかね」


亀谷「クロノジェネシスは高低差があり、小回りの連続というコースによる減速要素は少ない馬であるのはすでに証明済みですね。
ひとつ気になるのは、母父クロフネの牝馬でどんどん体重が増えていること。
単行本「亀谷敬正の競馬血統辞典」にも書いたようにクロフネ牝馬はマイル以下のスピード勝負に強い血統。
2019年の有馬記念は、3000mG1にも実績がある血統馬が上位を占めたようにスタミナ量も問われるレースでした。昨年の有馬記念はスタミナが問われない流れ。かつ、クロノジェネシスは今年の方がスピード馬になっている可能性はある。
それこそアーモンドアイみたいに流れに乗せて追走したらもしかしたらガス欠するかも…とは思ってる」


双馬「では、同じバゴ産駒のステラヴェローチェもスタミナ勝負は厳しいんですか?」


亀「本質はそうですよね。ただ、この仔の場合は、3歳馬だから。ジャパンカップもそうだけど、3歳馬は斤量と柔らかさでスタミナ不足による減速はカバーできてしまう。3年前の有馬記念で同じ欧州型の3歳馬で非根幹距離巧者のブラストワンピースを本命にしたのも、3歳で迎える有馬記念はピッタリ。という評価でした」


双馬「なるほど、勉強になります」


亀谷「こちらこそ! いつも「亀谷競馬サロン」でも質の高い議論をしてくれて勉強になってますよ! ウマい馬券で公開される双馬さんの最終決断も楽しみにしてます。個人的には9000ポイントでも購読したいけど、それはできない仕様なんで(笑)、900ポイントでお得に勉強させてもらいます!」

亀谷敬正の有馬記念の穴候補についての解説は下記コラムも是非ご参考ください
【有馬記念は欧州指向の強い非根幹距離血統を狙うレース】
https://news.sp.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=50348

亀谷敬正 有馬記念予想

亀谷敬正

 競馬コンダクター。血統光線研究所所長。 血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。

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