今週末(2022/11/13)はG1エリザベス女王杯、来週末(2022/11/20)はG1マイルチャンピオンシップが開催され、舞台である関西圏が特に盛り上がりを見せる時期になりました。現代競馬でよく言われる言葉に「西高東低」があります。これは「関西馬(栗東所属馬)＞関東馬(美浦所属馬)」という構図が成り立っていることであり、実際秋のG1でも関西馬(栗東所属馬)の出走割合は、

・スプリンターズステークス　12/16=75％
・秋華賞　10/16=62.5％
・菊花賞　15/18=83.3％
・天皇賞(秋)　10/15=66.7％

　であり、関西馬のレベルの高さが伺えます。そこで今回は、「西高東低」の性質をデータの側面から確認します。

　以下は、所属区分別の成績を集計したものです(2017〜2021年の障害除く全レース対象)。


　全体の傾向として「関西馬(栗東所属馬)＞関東馬(美浦所属馬)」であることは確認できました。

　次に、「関東馬/関西馬の比率」により成績がどの程度変化するか確認します。

　今回は「出走したレースで関東馬(関西馬)が多い」＝「レース内での美浦 (栗東)所属馬割合が75％以上」とします。


　この集計結果から分かるように、

・関東馬が多いレースに出走した関西馬は成績が向上する
・関西馬が多いレースに出走した関東馬は成績が低下する

　となります。

　このうち2つの目の結果を深堀りし、

「関東馬が多い(美浦所属馬75％以上)レースに出走した関西馬」のうち、「前走レースの関西馬の比率」で更にカテゴリ分けしてみます。

　すると「前走栗東馬が多くないレース」から出走した場合は更に成績が向上しました。

　逆に「前走栗東馬が多いレース」からの参戦だと成績が下がるのが意外(相対的に高いレベルのレースから低いレベルのレースに参戦することになるので)でしたが、これは競走馬の輸送など別の要因が絡んでいるのかもしれません。

　今回の集計に関して詳細な考察や真偽の検証はしませんが、予想をする際重要なのは、「過去走でどのようなレースをして今走どのような条件変化があるのか」といった過去データとの比較です。出馬表を眺めるだけだと人間が読み取れる情報量に限界がありますが、AIだとそれらの情報を適切に解釈できる強みがあります。

　とはいっても開発者が正しいデータを与えないと誤った解釈をしてしまう可能性がありますのでデータの与え方といって点にも注意していきたいです。

エリザベス女王杯予測馬券確率

　先日netkeibaTVにて「天皇賞秋でAIが予測する馬券圏内確率TOP5」を発表させていただきましたが、

　・予測1位のダノンベルーガ は3着
　・予測2位イクイノックスは 1着

　とTOP2が馬券圏内に来てくれました。

　今回おまけとして天皇賞秋と同様に、エリザベス女王杯の特別登録段階の予測複勝率を載せます。なお、個別の評価については省略させていただきます。


　エリザベス女王杯でAIが予測する馬券圏内確率 ※外国馬および賞金的に除外対象or騎手未定である、コトブキテティス、シャムロックヒル、ソフトフルート、フィオリキアリ、マジカルラグーンは除いています。

　全体的に3歳の評価が高いですが、上位2頭以外はかなり混戦の形相です。今年の秋華賞馬「スタニングローズ」と2年前の秋華賞馬「デアリングタクト」の評価は上位ですが、前年の覇者「アカイイト」は低評価となりました。去年のような大荒れとなるかといった点にも注目したいですね。