以下は、馬齢区分別の「走破タイム指数平均」「斤量平均」「馬体重平均」を集計したものです(2021年の障害除く全レース対象)。


　全体を見ると、馬齢が増えるに従っておおよそ「走破タイム指数」「斤量」「馬体重」が増加する傾向にあります。特に「2歳から3歳」および「3歳から4歳」にかけて「走破タイム指数」は大きく増加しています。

　次に、「斤量区分」別の集計したものを載せます。


　こちらでも斤量による「走破タイム指数」の違いが確認できます。これらの結果だけ見ると3歳馬は斤量面で有利でも古馬に勝るとは言い切れないような気がしますが、これらの集計は“全レース”が対象であることに注意が必要です。

　そこで、次に「未勝利・新馬クラスを除く定量・馬齢戦のみ」を集計対象として同様の集計を行ってみます。


　するとどうでしょう？先ほど3歳から4歳にかけて上昇していた「走破タイム指数」が、ほぼ変わらない/むしろ減少している、といった結果となりました。これは、「 3歳の走破タイム指数平均が先ほどの集計結果より高くなった」ことが大きな原因であり、集計対象から「未勝利・新馬戦」を除いたので当然の結果ともいえそうです。なぜ今回このような集計をしたかというと、「なるべく正確に馬齢別の能力差を比較したかったから」です。「未勝利」「新馬」クラスは「4歳以上戦」には存在せず、「別定」「ハンデ」戦はそのレースの意図として今回の集計にそぐわないので除外しました。

　今回の集計から分かることとしては、「3歳馬が古馬との対戦をする際、特に定量戦ではその斤量差から3歳馬が有利である」という、冒頭に述べた疑問を確かめる形になりました。それと同時に、今回の集計のように「条件」によってその集計結果が大きく変わる可能性がある(誤った解釈をする)ので、レースの背景となる知識も理解して適切な集計(AI作成においても重要な工程)をすることの大事さを改めて感じました。

　秋競馬は「3歳馬と古馬の初対戦」など力関係が分かりにくいレースも多いですが、そういった難解なレースの攻略こそAIの強みだと思いますので期待したいです！