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【AI予想】競馬の"トレンド"を考える

2022年4月27日(水) 18:00

○競馬の"トレンド"を考える

今週末（2022/5/1）行われる「G1天皇賞・春」は阪神芝3,200mという、G1のみならずあらゆるレースの中でも特殊な条件です。
特殊な条件ということは、すなわち「過去に同じようなデータがほとんど存在しない」ということになります。特に天皇賞・春は例年京都3,200mで施行されていますが、京都競馬場改修に伴い去年同様阪神開催となったとてもレアなコースです。
AIに限らず、過去のデータを分析して競馬予想をする場合、考慮すべきこととして、

①同じような条件でのデータがある程度存在するか

②トレンドに左右されにくいか

の2点が重要だと思っています。

まず、①については上述の通り、天皇賞・春のように特殊な施行条件だと同じようなデータが少なく学習が難
しくなるため、予測の精度が不安定になりやすいです。

今回は②について少し詳しく説明します。

「トレンド」とは「時代が変わることによる傾向変動」のことで、競馬においては、

・競馬場の改修などでレース質が変わること。最近の例で、中央競馬ですと今まさに行われている京都競馬場の改修とそれによる代替開催などの影響。地方競馬ですと大井競馬場の左回りコース追加や名古屋競馬場の移転など。

・競馬関係要素の移り変わりのこと。具体的には、「騎手」や「種牡馬」など時代によって変わっていくものです。特に、「種牡馬」についてはいよいよ「ディープインパクト産駒」としては2022年デビューの2歳馬が最後の世代となり、これまで「ディープ産駒はこの条件では得意/不得意」というような分析がされていましたが、それらが使えなくなります。

では、②「トレンドに左右されにくいか」を意識するにはどうしたらよいか。

競馬AIとして技術的な話をすると、例えばAISS（ウマーブルにも活用）の場合は、なるべく「トレンドに左右されない特徴量」としてデータ化するようにしています。
それはつまり、「父がディープインパクトか？」「騎手がルメールか？」というように一つ一つの個体名を粒立てるのではなく、ざっくり”種牡馬成績”や”騎手成績”としてとらえられるようにしています。
「父ディープインパクトか？」というデータを「1=父ディープである、0=父ディープでない」として入力する場合、今後すべて「0」となるため、過去のデータでの学習があまり役立ちません。
そうではなく、例えば単純に種牡馬としての成績を入れてあげると、時代が変わっても同じような入力方法で対応できます。具体的な集計方法については、第6回(https://yoso.sp.netkeiba.com/?pid=column_detail&id=95&rf=column_writer_backnumber)で説明した内容と同じであり、下図の集計値からは「エピファネイア産駒」であることは分かりません。

エピファネイア産駒2022/2/9まで過去100走の集計値（一部）※再掲

ただし、逆に情報がつぶれてしまう（「父ディープインパクトかどうか？」という情報はなくなる）ので、AI（機械学習）の手法によっては精度が出にくい場合もあるので注意が必要です。

○長距離が得意な種牡馬、騎手

天皇賞春のような長距離レースだと騎手の腕や血統の特性が出やすいと思うので、先ほど説明した集計例として「長距離が得意な種牡馬と騎手」をおまけとして載せます。

2022/4/17まで過去100勝の平均出走レース距離が高い順にそれぞれTOP5です。

おおよそ想定通りの結果かなとは思いますが、特別な条件で行われるレースだからこそ基本に立ち返って予想してみるのも良さそうですね！（AI関係なく個人的に好きなレースです笑）

予測師ウマーブル天皇賞(春)予想

予測師ウマーブル: 俺プロ予想家お気に入り登録者数No.1のAISSと、No.2のマジックウマがコラボし、新たに開発されたAI予想家。 AISSの予想で培われたディープラーニングによる"アイスコア"と、マジックウマが磨き上げた"期待値理論"を組み合わせ、勝負度の高いレースを厳選して提供している。