写真:殿堂入り予想家「今週の展望」

【特別コラム】お笑い芸人のラランド・ニシダと亀谷敬正が夢の対談!(後編)

2022年2月25日(金) 15:00

『アメトーク〜読書芸人〜』(2021年12月2日放送)に出演されていたラランド・ニシダさん。番組内で自宅の本棚が映る場面があり、なんとそこには「ウマい馬券殿堂入り予想家」で「亀谷競馬サロン」にも遊びに来るという、双馬毅さんと馬場虎太郎さんの著書が。

それをめぐってこの番組の司会で競馬ファンの蛍原さんとニシダさんが競馬話で大盛り上がり。
大の競馬好きというニシダさんの新たな一面を垣間見ることができました。

今回は特別対談の後半の模様をお届けします。前回のコラムについては、
https://yoso.sp.netkeiba.com/?pid=column_detail&id=102&rf=special_column_rarand
をご覧ください。

※この対談の取材日は2021年12月20日のものになります。


ニシダ(以下、ニ)「馬場といえば、馬場虎太郎さんの本も馬券になりました。netkeibaのウマい馬券でも5年間以上ずっとプラス収支ですものね。馬場を読む。って大事なんだなー。って学びました。競馬予想を始めたころは単純に脚が速い馬が勝つんだろうと思っていたんですよね。馬柱を見て、こいつ脚が速いな。というので買っていたんですけど、どうも馬場によって、そうじゃない。ってのを知りました」

亀谷(以下、亀)「そのレースコースで最も脚が速かった馬が勝つのが基本ですよ。競馬って速さを出せないことが多いんです。コース形態とか、馬場状態とか、坂とか。そこで「減速要素に強い」という能力も問われることになる。減速要素が多岐にわたるのは欧州。少なくて一定なのは米国。って大きく考えていいと思います。
そして脚の遅い馬というのも、大きく分けて2通りいます。
「減速要素に強い脚の遅い馬」と「減速要素にも弱い脚の遅い馬」。減速要素が強いレースで変わり身があるのは、当然「減速要素に強い脚の遅い馬」ですね。
欧州型血統の中でも、サドラーズウェルズとか、ロベルトのように減速要素に強い血統馬は、スピード型血統の失速幅が10だとしたら、この馬たちは失速幅4とかなので、浮上してくるんですよ。変わり身が期待できる。
これは車などで考えてもわかりやすいのでは? トップスピードと減速しないパワーってのは、相反する面がありますよね。だから、トップスピードを追求しすぎると、減速幅が大きい馬も出る。逆に、減速に強い馬を追求しすぎると、トップスピードが足りない。
そして、この傾向は血統で出る。そもそも血統というのは、能力の方向性をデザインして、淘汰しているものですから
スピード持続能力が問われ、坂やドロ馬場の減速要素がないアメリカでの王様はエーピーインディ。この父系は減速要素の多いヨーロッパでは厳しい。同じく、ファピアノも厳しい。
ファピアノはコントレイルにも入っていますし、シャフリヤールにはエーピーインディ。グランアレグリアにはファピアノとエーピーインディが入っているんですけど、この血のネックは、ヨーロッパの競馬で要求される減速幅の大きいレースに弱い」

ニ「なるほど」

亀「日本でもファピアノ+ディープとか、エーピーインディ+ディープが全然スピードに乗らない馬場とかありますよ。
まさに、今の中山芝の古馬混合戦はディープインパクト+米国血統みたいな配合は全然スピードに乗らない。(*その後、1月、12月の古馬混合重賞は父欧州型が全勝。ディープインパクト産駒は連対なし)
古馬混合戦は、父欧州型ばかりが重賞を勝っている。しかも欧州G1で実績のある血を持つ馬ばっかり」

ニ「なるほど。米国型と欧州型では、まさしく能力の方向性が違うんですね」


亀「超簡単に言ってしまえば、米国はスピード。欧州は減速要素への耐性も問われる国ですね。
ちなみに、さっきのサドラーとかロベルトも、元はアメリカのスピードの血が入っているわけですから、欧州でもスピードが落ちない馬の元々のスピード源は米国ってことになります。
日本もスピードの源は米国。今の日本の競馬というのは米国の血統と欧州の血統をミックスして作ったんです。
サンデーサイレンスというのはダート中距離で速い馬なんですけど、ダート中距離で速いということは実は高速馬場適性を示すんです。アメリカのダート中距離で速い時計で走れる速力が、日本の芝中距離で必要。
でも、それだけでは直線で伸びない。そこで伸びるために大切なのがフランスの脚を溜めるという要素。これを4:6くらいの比率でうまくブレンドして生まれたのがディープインパクトという名馬。ハーツクライもステイゴールドもスペシャルウィークも配合タイプは大まかにいえば同じ。
サンデーサイレンスは、母父がアメリカの主流血統馬との配合でクラシックの勝ち馬はほとんど出ていない。ほとんどフランス血統馬なんです。ハーツクライ、ステイゴールド、ディープインパクト、スペシャルウィーク。これ全部、母父はヨーロッパ型との配合。これが、当時の日本競馬で抜群に向いた。
この中間的な個性を持った配合馬は、直線スピードが出る日本で圧倒的だった」

ニ「だから、サンデーの後継種牡馬は日本型なんですね」

亀「ただ、競馬が面白いのは、日本でも常に日本型血統が強いわけじゃない。普段よりもアメリカ要素が強いほうがいいレース。欧州要素が強いほうがいいレース。そういうのもあるんです」

ニ「米国型、欧州型の血統を覚えて、競馬場とかコースの個性をみて買うということですね」

亀「スマート出馬表では、すべての血統に欧州型、米国型の国別タイプが表示されるので、使いながら覚えるのが良いかと。「いつもより欧州型が走りやすいな」(欧州バイアス)とかを意識しながら競馬見るだけでも、競馬の楽しみが全然変わるのでは?」

ニ「深いなー。こういう学びがいいですよね。お金賭ける、賭けないだけではなくて、競馬は歴史や仕組みを学ぶほどめちゃくちゃ面白い」

亀「そうですよね。競馬と血統は、世界の大富豪が辿り着く娯楽ですからね。
大富豪は、競馬と血統の話、好きな方多いですよ。競馬と血統が楽しめたら、偉い人たちから飲み会や仕事の話がすぐにきますよ(笑)蛍原さんの話が広がって、オンエアされたのもプロデューサーが競馬メチャ好きだからでしょう(笑)」

ニ「亀谷さんに教えてもらいながら、自分も楽しみ方を学び、広げていきたいと思います」

亀「これからも、いつでも遊びに来てくださいねー」

写真:


(取材日、12月20日。PS、亀谷氏、ニシダ氏に解説した有馬予想ズバリ的中)

亀谷敬正 中山記念予想

亀谷敬正

 競馬コンダクター。血統光線研究所所長。 血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。

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