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展望:Mペース想定:内枠有利・先行有利東京芝はBコース替わり。金曜はクッション値が9.9まで上昇。土曜に9.5まで下がりましたが、内枠先行有利な傾向でした(基本的にクッション値が高い方が内枠先行有利な馬場になりやすい)。上位人気3頭は全て強力で、これらを倒すのは前に付けられる馬だと考えました。
◎9.ホウオウビスケッツ前走・毎日王冠は「先週の追い切りの動きはまだまだ物足りなかったが、直前で大分上がってきた印象で、六分ぐらいまではきた。函館記念の時の具合が良過ぎたとはいえ、巴賞の時と同じぐらいの状態」と陣営が弱気でした。好発を切ってハナを奪い、中盤に緩ませたのが好判断。逃げて2着に残しました。本調子なら更にパフォーマンスを上げられそうです。前々走・函館記念はペースが速くないのにアウスヴァールが離し逃げを打ち、その2番手の本馬は展開に恵まれていますが、それでも0.6秒差は力がなければ付けられません。3走前・巴賞は毎日王冠と同じくらいのデキで逃げ切り。2馬身差を付ける完勝でした。個人的にダービーで本命を打った馬。その割にその後、あまり印を回せていないのですが、ダービーでの本命は間違っていなかったと感じています。2400mは距離が長いので、2000mならG1に手が届いても不思議ない存在でしょう。今回、岩田康誠騎手でないのはマイナスかもしれませんが、息子の岩田望来騎手が騎乗。同型ノースブリッジが岩田康誠騎手騎乗で、この2頭は同厩舎。お互い喧嘩することなく、恵まれるペースで走れる可能性が高い。ただ、10番枠は良くない枠で、内枠の横山親子との兼ね合いはカギです。陣営は「前走がいいガス抜きになったはずだし、函館記念を勝った時よりもいい状態かもしれない。いい雰囲気でレースへ臨める」と前向き。正直、ノースブリッジに岩田康誠騎手で、ホウオウビスケッツに岩田望来騎手になったのは意外。岩田望来騎手にG1を勝たせたいのではないかと邪推した程。そう思うくらいには強い先行馬です。他の先行馬がバテたところ、前で本馬だけが粘ると見て。
○12.リバティアイランド前走・ドバイシーマクラシックはSペースで先行馬有利。本馬は中団から唯一伸びてきて3着。非常に強い競馬だったと思います。前々走・JCはイクイノックスに完敗しましたが、本馬は2.22.5で走っているだけに力上位は明らかでしょう。本馬に関しては12番枠は悪くないと思っています。桜花賞のように内枠で位置を悪くするのが最も怖いパターン。外すぎない枠で、川田将雅騎手ならしっかり位置を取ってくれるでしょう。力上位で崩れそうもありません。
▲14.レーベンスティール前走・オールカマー時に「現4歳世代最強馬(牡馬)と評価している馬」だと書きました。位置を取れて上がりもしっかりしている馬です。そのオールカマーは前が詰まる大ピンチ。それでも進路が開くと楽に差し切りました。レースレベルは低かったにしても強い。前々走・エプソムCは11秒台半ばが続く高速持続戦に。2馬身差をつける完勝でした。3着には更に+2馬身差で、ようやく力を発揮できたという印象です。勝ち時計の1.44.7は優秀で、負けた組もその後に巻き返している馬多数。3走前・新潟大賞典はイレ込んでいたという話。鞍上は「1歩目にトモを落としたし、3.4角で後ろの馬が乗りかかってきた感じで……。全体的にチグハグになってしまい、かわいそうなレースでした」と述べていました。4走前・香港ヴァーズはまさかの殿負け。鞍上のモレイラ騎手は「能力を全く出していません。前走時と全く違う馬でした」と述べているほどで、海外遠征の難しさが出たのではないかと思います(田中博康厩舎はレモンポップで2度海外遠征していますが、共に惨敗。ノウハウが蓄積されていないのかもしれません)。セントライト記念は直線の追い風が強かったとはいえ、L2は11.7-11.0と非常に速いラップを刻みました。1勝クラス勝ちのL2は10.8-10.9と、東京芝1800mで出すのは簡単ではない超好ラップで5馬身差圧勝。2020年頭まで遡ったところ、ルメール騎手の東京芝2000mの8枠の成績は勝率48.1%、複勝率85.2%という驚愕的な成績。内枠の方が成績が悪いくらいです。ルメール騎手が乗るくらいの馬なら揉まれることなく走れる方が良い、ということかもしれません。
△7.ドウデュース昨年の有馬記念や京都記念を見る限り、高いマクり性能を備えている馬。本質的には中山や阪神等、コーナリング性能の高さが生きるコース向き。東京向きでないと考えています。前走・宝塚記念は超外有利の競馬で、内を突いて6着なら悪くありません。昨年はHペースに巻き込まれる位置で自滅。続くJCは残り200mで脚色が鈍りました。東京でも適性だけでは嫌えない実力を備えていると思います。地力が高く枠も良いところ。7番枠ならおそらく後方一気にはならないでしょう。適性からやや外れるにしても、消すことは断じてできない馬です。
☆2.マテンロウスカイ前走・毎日王冠は五分に出て中団待機。直線はインを突きましたが、前が壁になってろくに追えないまま終戦。スムーズなら上位だったはずです。前々走・ドバイターフは果敢に逃げましたが、ハイペースだったそうで早々に手応えを失いました。3走前・中山記念は1000m通過58.6秒のハイペース。インの好位で脚を溜めて突き抜けました。4走前・東京新聞杯は内を通した馬が恵まれたレース。外目を回した馬の中では最先着で、強い内容でした。この馬に関しては2000mがカギでしょう。しばらくマイルか1800mしか使っていません。以前、2000mを使った時(ケフェウスS)はハイペースの大逃げになって沈みました。2番枠は好枠ですが、前走控えていることから外の馬を行かせての競馬になるでしょう。それでも2番枠なら前走よりは良い位置を確保してきそう。前走、詰まりながら手応えがあったところを見ると押さえておくのがベター。
☆5.ノースブリッジ前走・札幌記念は1000m通過60.5秒とさほど速くなかったというのにアウスヴァールの離し逃げに。2番手の本馬は完全に展開が向きました。それでも一旦はジオグリフを突き放しており、恵まれたからといって弱い訳ではないでしょう。前々走・クイーンエリザベス2世Cは内枠からすんなりとハナへ。5F通過は59.8秒程度。日本の感覚で言えば、前も残れるし差しも届くフェアなペースだったなという印象です。4角を手応え良く回ってきましたが、ロマンチックウォリアーとプログノーシスにねじ伏せられる結果に。3着なら力は示しています。3走前・アミールトロフィーはハナを主張したものの、勝ったレベルロマンスに途中からハナを奪われました。スローを先行しての4着で、日本馬のゼッフィーロ・サトノグランツに先着を許しましたが、2400mは少し長かった可能性も。ラチ沿いを好む岩田康誠騎手が鞍上なので、逃げてラチ沿いを確保しにいきそう。ホウオウビスケッツに関しては同厩舎&息子が騎乗ということで、競ってきたらあっさり譲る可能性も。ホウオウビスケッツと共に恵まれる可能性がプンプンしています。
☆10.ダノンベルーガ1週前追いきりの時に堀宣行調教師が「自分から行く感じはなくて促していました。息も荒くて、仕上がりが遅れている印象です。このひと追いで変わってくれればいいのですが、良化度はスローなので……」と弱気でした。ところが直前は「追い切ったあともカイ食い、健康状態は良好。ウイークポイントの右トモのケアで、木曜日は引き運動だけ。ピリッとしてきた感じがあり、いい印象を持っている」と前向き。買えるデキには仕上がったか。前走・ドバイターフは促して中団から。1000m通過59秒程度の速めのペース。内の窮屈なところをさばいて伸びてきましたが、外差しの2頭に屈する形に。進路差を考えれば上々の結果でしょう。終いはドウデュースよりも伸びていました。前々走・JCはパンサラッサの大逃げ。後続Sペースで、位置を確保した馬が上位を独占したため、本馬の位置は後ろ過ぎた印象。上がり3位の33.8秒は使いました。3走前・天皇賞・(秋)は後方待機勢が恵まれたレース。2.3着馬よりも前にいた分の4着でしょう。1.55.8で走れるなら一流馬であることに間違いありません。東京芝2000mもベスト舞台のはず。クリスチャン・デムーロ騎手というか、一流騎手は概してポジションを取る能力が高く、ある程度の位置は確保してくれそうで。
☆11.ジャスティンパレス本命を打った前走・宝塚記念は超外有利の競馬。内枠で内を通されて、直線も他馬よりも内を通る厳しい競馬に。道悪も敗因でしょうが、進路差の方が大きく響いたと考えています。前々走・ドバイシーマクラシックは1000m通過63秒程のスローペース。結局、早めに後続を離した3頭の内、2頭がワンツーを決めたので展開が向きませんでした。それでも離れた4番手から差を詰めての4着なら悪くはありません。3走前・有馬記念は出がイマイチで最後方から。終いの脚色は1番のものがあり、脚を余したという印象です。このレース後に横山武史騎手が「コーナーでギアを上げられるタイプではない」と述べており、下りで勢いを付けられる京都がベター。4走前・天皇賞(秋)は1.55.8で走破しました。ずっと11.5秒前後が続くレースラップで時計が出やすかったこと、超ハイペースを最後方から運んで恵まれたことを踏まえても破格だという結論を下しています。事実、3着プログノーシスは金鯱賞で5馬身差の圧勝を収めました。昨年の天皇賞(秋)の上位馬は力を評価して問題ないでしょう。これまで上がり34.2秒が最速だった馬が33.7秒を使えたのは成長の証。後方一気では厳しいと思うので、内枠を引いて位置を確保できさえすれば。中間、ゲート練習はしてきたという話。位置を取ってくれやすい坂井瑠星騎手も良さそうで。
以下は無印の馬について。
1.ベラジオオペラ前走・宝塚記念は超外有利の競馬。本馬は前目に位置しましたが、外を回すことができました。上がり34.8秒で3着に来られるレースになったということで、あまり高くは評価していません。L5は58.1秒でしたが、さほど速いラップを刻まないレースになったのも向いた印象。前々走・大阪杯はやや内前が有利なレース。バイアスに沿った競馬ができての勝利でした。3走前・京都記念でプラダリアに競り負けたのがあまりにも不甲斐ない内容だったと感じています。上がりの掛かるレースの方が良い馬。東京では見送りが妥当か。今回は陣営が「もともと暑さに滅法弱く、今年は残暑も厳しかったから立ち上げに苦労した。今回はレースに持っていくまでの過程がね……。いい頃に比べると覇気も物足りなく感じる。ポテンシャルに期待したい」と述べています。追い切りの動きを見ても反応が微妙。ブラフではなく正直なコメントでしょう。見送ります。3.ステラヴェローチェ前走・オールカマーは先行有利のレース。本馬は悪くない位置でしたが、直線は伸び切れず、6着。差はありませんが、伸びで劣っていた通り、超高速馬場はややマイナスか。前々走・札幌記念は中団インで待機。3.4角ではインをロスなく上がっていきましたが、2.3番手の馬が恵まれたレースで、展開が向きませんでした。前との差は詰めており、悪くない3着。3走前・安田記念はスタートを決めて先行。陣営は「ジョッキーは内に入りたかったと言っていましたが、外枠の分、外を通る形になってしまったのが響きました。前に壁を置いて運ぶことができず、最後は弾けませんでした」と述べています。ジオグリフとの0.2秒差は内外の差でしょう。上手く噛み合いませんでしたが、0.7秒差なら頑張っています。4走前・大阪杯はもっと位置取りにこだわって欲しかったところ。鞍上は「ハナを切ることも考えていましたが、あまり進んでいかなかったので、切り替えてリズム重視のレースを」と述べていました。直線はよく伸びており、脚を余した格好になってしまいました。勿体ない0.1秒差の4着だったと思います。高速馬場も対応可能ですが、大阪杯は相手が弱く、その後のパフォーマンスが一息。大阪城S勝ちを評価していましたが、歳を重ねた今では上がりの掛かる馬場がベター。横山典弘騎手がマテンロウスカイに乗るのも割り引きです。4.タスティエーラサトノクラウン産駒らしく上がりが掛かった方が良いタイプ。ここ2戦は少し負け過ぎ。3走前・有馬記念は外枠からスタートひと息で中団から。直線では挟まれる大きな不利がありました。そこから伸びてきており、不利がなければ上位だったでしょう。馬体増に関してはパワーアップしたという話です。道悪プラスなのは間違いありませんが、昨年のダービーは凡戦。皐月賞の時の、Hペースを前目で運ぶレース運びは合っていたように思います。今回、位置を取っても他馬に上がりで劣りそうで、消耗戦にでもならなければチャンスがないと見ます。6.ソールオリエンス前走・宝塚記念は超外有利の競馬。外枠から終始、外を回して、直線も外。展開、進路取りで恵まれての2着だったという判断。また、不器用な馬なので下りで勢いを付けられる京都も合っていたと思います。前々走・大阪杯はローシャムパークが45秒付近でマクり、その後に本馬もマクっていきました。ローシャムパークが長く良い脚を使って2着に残した以上、本馬の脚が鈍ったのは情けなかったという印象です。3走前・中山記念は1000m通過58.6秒のハイペースも、縦長馬群になり差しにくかったのも確か。ただ、一列後ろにいたマイネルクリソーラと終いの脚色が同じでは評価しにくい(マイネルクリソーラもG3なら勝てるレベルだと見てはいますが)。東京が雨ならプラスに働くのは間違いありませんが、それでも今、東京で買いたいかは疑問で。位置を取れないのは大きなマイナスです。8.キングズパレス前走・新潟記念の負け方が気がかり。まとめて差し切る勢いで伸びてきましたが、残り200mで前と同じ脚色になってしまいました。終い11.9秒まで失速しているので力があれば差し切れる展開だったはず。鞍上は「直線で叩き出しを遅らせてうまくいったと思いましたが、そこから差し返されてしまいました」と述べていました。前々走・七夕賞は5F通過57.3秒の超ハイペース。後ろ過ぎないほぼベストポジションを確保。レッドラディエンスとの1馬身差が最後には2馬身に開いており、底が見えてしまった感も。3走前・新潟大賞典は外差し馬場で、バイアスに沿った競馬ができました。他の上位馬がバイアス不利だったので、本馬は展開が向いた印象が強くて。13.シルトホルン相手なりに走れる先行馬。上がり面に限界があるので、Sペースよりも高速持続戦で強い馬です。前走・毎日王冠はずっと逃げたホウオウビスケッツの後ろにいて、直線も進路が開かず。開いていれば、もう少し差は縮まっていたはずです。前々走・関越Sは1000m通過58.3秒のHペースに加えて、L3最速戦になり、差し馬向きの流れに。3.4走前は得意の高速持続戦で逃げ・先行。3着に踏ん張りました。掲示板付近ならありそうですが、今回、上位馬が強すぎて。展開のカギを握る馬で、スタートを決めれば逃げたいと陣営が述べています。それだけは勘弁して欲しいところ。この馬の出走自体が個人的に嫌でしたが、13番枠は位置を取りにくいのでありがたいところです。15.ニシノレヴナントステイヤータイプ。前走・オールカマーはスタートが悪かったですが、すぐインへ潜り込みました。後方からになり、一応、上がり最速34.0秒をマークして終いまで伸びていましたが、この競馬っぷりでは東京芝2000mで後ろになりすぎそうで。しかも大外枠ではノーチャンスでしょう。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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