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展望:土曜は直線の追い風が5m/s程度でした。差しが来まると予想していましたが、超高速馬場のバイアス>直線追い風のバイアス、となったようで先行馬の方が有利な傾向に。日曜は10m/sくらいの強すぎる追い風が吹くので流石に差しが決まりそう。雨も多少降る予報。馬場が少しでも低速化することにより、「前が止まらない」ということは日曜に起こりにくくなるでしょう。
◎4.レーベンスティール前走・エプソムCは11秒台半ばが続く高速持続戦に。現4歳世代最強馬と評価している馬ですが、2馬身差をつける完勝でした。3着には更に+2馬身差で、ようやく力を発揮できたという印象です。勝ち時計の1.44.7は優秀で、負けた組もその後に巻き返している馬多数。前々走・新潟大賞典はイレ込んでいたという話。鞍上は「1歩目にトモを落としたし、3.4角で後ろの馬が乗りかかってきた感じで……。全体的にチグハグになってしまい、かわいそうなレースでした」と述べていました。3走前・香港ヴァーズはまさかの殿負け。鞍上のモレイラ騎手は「能力を全く出していません。前走時と全く違う馬でした」と述べているほどで、海外遠征の難しさが出たのではないかと思います。4走前・セントライト記念は追い風が強力な日だったとはいえ、L2は11.7-11.0の加速&余力ラップで快勝。日曜の追い風を味方にできるはず。ここも力を出せるかどうかだけ。まともなら勝てるでしょう。
○2.ラーグルフ前走・中山記念は1000m通過58.6秒のハイペース。五分のスタートを決めて後方待機。勝負どころでソールオリエンスの内から進出していきましたが、直線で伸びを欠きました。鞍上は「こんな馬場になってしまい、返し馬から気にしているほどでした」と述べていました。良馬場がベターでしょう。前々走・AJCCは道悪がどうか、1F長いのではないかと考えていましたが、後方からよく伸びて0.4秒差8着。鞍上は「間違いなく綺麗な馬場の方がいい馬ですよ」と述べていました。3走前・札幌記念は馬場の悪いインを突く競馬に。4走前の大阪杯は武豊騎手の絶妙なラップでの逃げで、追走に苦労しました。インをロスなく回ったのは良いですが、後ろ過ぎて届かず。昨年の中山記念は外枠で、後方の外目を追走。勝負どころでも外目をマクって進出する競馬でよく2着まで届いたなという印象。相当強い競馬をしています。2200mはAJCCやセントライト記念の内容から守備範囲。雨量がかなり気になりますが、サリエラより一、二列前に付けてインをロスなく回ってくればチャンスありと見て。稍重までなら大丈夫でしょう。陣営も「良馬場が理想だが、少々の悪化ならば大丈夫」と述べています。
▲6.アルビージャ前走・関越Sは2年2ヶ月振り。陣営は「乗り込んでいるけど、まだ息が重いかな。年齢の割にキャリアが浅くて馬は若いけど、調教だけではなかなか仕上がらない。ここを使ってどこまで」と述べていました。スタートは出遅れも、二の脚が速くリカバー。インでロスなく回ってきたものの、直線では追い出しを待たされる場面がありました。最後までよく伸びて、レコード決着の0.3秒差4着は驚きました。前々走は後方インで待機。直線は空いたインを突いて押し切りました。最後は2.3着馬に迫られており、ラップ・時計に特筆すべき点はありませんでした。前々走はキングオブドラゴンが1000m通過59.1秒のハイペースで逃げました。本馬は早めに追いかけていき、直線は前を捉えそうでしたが、残り100mを付近で失速。休養前のパフォーマンスからは重賞通用の器ではないと思いますが、前走は本物。力を付けたのだと思うしかありません。「馬場は渋っても平気なので叩いた上積みがどこまであるか」と陣営は前向きです。
以下は無印の馬について。
1.サリエラ前走・天皇賞(春)は最内枠。1000m通過59.7秒の速めの流れを中団前目から運びましたが、直線伸びず。距離も長すぎたか。前々走・ダイヤモンドSはペースアップするのが非常に遅く、後半3Fだけが11秒台を刻みました。例年は後半5F戦になりやすいのですが、今年はあまりスタミナを求められたレースではありませんでした。3走前・エリザベス女王杯は内枠先行馬が恵まれたレース。本馬は後方の外を回されましたが、終いの脚色は一番と言える程の伸びでした。メンバー上位の好内容で走っています。4走前・新潟記念の敗戦は不可解。ルメール騎手は「返し馬からあまりいい感じではありませんでした」と述べていました。目黒記念では長く良い脚を使っており、得意距離に戻れば巻き返す力はあります。ただ、問題は追走力のなさ。差し有利と見てはいますが、後ろになりすぎて本馬より前にいる差し馬を捉えきれない危険性も。最内枠有利ですが、人気を集めすぎでもあり今回は見送ります。3.アウスヴァール何故か速くないペースの離し逃げを打てる不思議な馬。前走・札幌記念と前々走・函館記念、6走前の難波Sは速くないペースの離し逃げを打てたことで展開が恵まれています。前走・札幌記念は1000m通過60.5秒での離し逃げで、2.3番手追走馬がワンツー決着。恵まれた逃げで0.8秒差8着では、やはりG2クラスでは厳しいと言えるでしょう。マクり差しの決まりやすい中山芝2200mでは買えないでしょう。5.ステラヴェローチェ前走・札幌記念は中団インで待機。3.4角ではインをロスなく上がっていきましたが、2.3番手の馬が恵まれたレースで、展開が向きませんでした。前との差は詰めており、悪くない3着。前々走・安田記念はスタートを決めて先行。陣営は「ジョッキーは内に入りたかったと言っていましたが、外枠の分、外を通る形になってしまったのが響きました。前に壁を置いて運ぶことができず、最後は弾けませんでした」と述べています。ジオグリフとの0.2秒差は内外の差でしょう。上手く噛み合いませんでしたが、0.7秒差なら頑張っています。3走前・大阪杯はもっと位置取りにこだわって欲しかったところ。鞍上は「ハナを切ることも考えていましたが、あまり進んでいかなかったので、切り替えてリズム重視のレースを」と述べていました。直線はよく伸びており、脚を余した格好になってしまいました。勿体ない0.1秒差の4着だったと思います。4走前・大阪城Sはハイペースを先行。58キロを背負いながら押し切る強い内容でした。道悪の鬼で、雨が多少なりとも降るのはプラスでしょうが、もう6歳でトップスピードに衰えがあると感じています(安田記念の敗因の一つ)。先行できるタイプでもあり、今回は見送る価値があると見て。7.ヤマニンサンパ前走・宝塚記念は外差し馬場。道中は後方のインで、直線はもう少し外に出したかったところでしょうか。1.3秒差の9着でしたが、最後まで伸びてはいました。前々走・鳴尾記念は1000m通過58.7秒のハイペース。後方インで脚を溜めて、直線は一番の脚で追い込んできましたが、4着まで。0.2秒差で、直線に入ってからすぐ外に舵を切っていれば3着はあったでしょう。3走前・アンドロメダSは出負け。1000m通過59.4秒は差しの届く流れで、前にいたディープモンスターを追いかける形で競馬を運びましたが、伸び負けたという内容でした。4走前・カシオペアSは1000m通過57.6秒のハイペース。後方待機策で、直線は馬場の真ん中をスムーズ。展開も向いたか。5走前のケフェウスSは1000m通過57.1秒の超ハイペース。勝ったエピファニーはインをロスなく回る好騎乗が光りました。2着スタッドリーとは大きな進路差はなく、これにインから差された形での3着。末は堅実で馬場も問わないので、あとは力関係や展開がカギ。今回、G2クラスのメンバーでは少しだけ劣ると見て見送ります。
8.ニシノレヴナント前走・メトロポリタンSは4角では外に大きく膨れ、直線は内にササってスピードに乗り切れませんでした。不利は明らか。前々走・ダイヤモンドSは直線で伸びかけましたが、前から離される一方に。鞍上は「いつもに比べて走りに硬さがありました。その分この馬のポテンシャルを出し切れなかった印象ですね。距離云々ではないと思います」と述べていました。距離かもしれませんが、いずれにしろ3400mでは参考外で良いでしょう。3走前・グレイトフルSは1000m通過60.5秒で、差し有利の展開。差す競馬で恵まれたとはいっても、中山で33.9秒の上がりは立派です。3勝クラス上位のキングズパレスを差し切ったのも高評価。翌日の有馬記念の上がり最速はドウデュースの34.3秒でした。勝ち時計の2.32.0も3勝クラスだったことを考えれば上々でしょう。なお、有馬記念は勝ち時計が2.30.9。キングズパレスが重賞でやれていることを考えれば、G2クラスなら通用するはずで。ただ、こちらも追走力に疑問が残ります。長距離中心に使っており、後ろになりすぎそうなので今回は見送ります。9.キラーアビリティ前走・大阪杯はスタート一息で中団から。外目を回されるロスがあったにしても最後は全く伸びずに惨敗。前々走・ネオムターフカップも出遅れましたが、インの好位を確保できました。道中もインをロスなく回る好騎乗で2着。3走前・中日新聞杯はスタートはほぼ五分。中団を確保できましたが、直線ではハヤヤッコに差されて4着に敗退。2.3歳時からの成長度がイマイチで、今、G2でやれるイメージが湧きません。10.フェーングロッテン前々走が去勢明け。前走・七夕賞は外枠から出していきましたが、1000m通過57.3秒のハイペースを追走する形になり、失速したのも仕方がありません。前々走・小倉大賞典は馬場の内側が回復していた日。離れた2番手で、ほぼ逃げの形でした。逃げたセルバーグとの差は少しずつ詰めていましたが、5着まで。及第点。テンの速くない逃げ馬で、好走している時は展開に恵まれています。去勢でテンの速さが変わったようなところはなく、中山芝2200mがプラスになるタイプでもなくて。11.サヴォーナ前走・函館記念は最内枠を引きましたが、鞍上は早めに外に出しており、内枠を生かせない競馬に。3.4角はかなりの外目を回しながら最後は一番の脚で追い込んできましたが、3着にハナ差届かず。騎乗ミスと言っても差し支えないでしょう。前々走・天皇賞(春)は出遅れからリカバリーして好位へ。直線入口では馬券内もありそうでしたが、ペースが速かったこともあり、差し馬勢に交わされて6着。ペースを思えば十分に強い競馬をしてくれました。3走前・阪神大賞典は3.4角での手応えが悪く、前から離されてしまいました。直線は盛り返してきましたが、6着まで。どうも馬場が悪くなっていたのが響いたそうです。4歳世代では高く評価している馬。少しでも雨が降るのはマイナスで、11番枠も減点が必要で。12.ロバートソンキー前走は長期休養明け。陣営は「調整は順調だし、体は立派でも、ある程度動ける態勢は整ったと思います。足元を考慮して復帰戦はダートへ」と述べていました。結局、前有利で展開不向きでしたが、勝負どころで上がっていくところは見せました。長期休養明けとしては頑張っています。前々走・日経新春杯は内外が伸びる馬場で、本馬は真ん中という微妙な進路を選びました。少し仕方ない5着でした。3走前・オールカマーはインが圧倒的有利だったレース。インで全くロスなく乗り、最後だけ少し外へ。勝ったジェラルディーナを上回る脚で差を詰めました。前走は及第点で、仕上がり面は問題なさそう。一発あっても不思議ありませんが、こちらも12番枠を嫌います。なお、雨はプラスだという話です。13.ナイママ近走良いところがありません。前走・巴賞は最内枠で全くロスなく回ってきて、最高に上手く乗れていました。それで0.6秒差7着では……。上位の上がりを使えるタイプでもないので、ここも厳しいでしょう。14.リカンカブール前走・函館記念はスタートを決めて先行。勝負どころで手応えが怪しくなり、直線も伸びを欠きました。鞍上は「洋芝がマッチしなかった感じはあります」と述べていました。前々走・大阪杯は「大歓声が初めてで気持ちが高ぶり、ゲート裏でパニックに。発汗し、レース前に体力を消耗しました」と鞍上が述べていました。スタートが悪い面がありますが、15番枠から位置を取れたのは好材料。スタートが安定しないということで嫌った前々走・中山金杯は、スタートを決めて位置を取りに行った津村明秀騎手のファインプレー。本馬はまだ余力あるラップ・勝ち方でした。完勝。3走前・チャレンジCはスタートひと息で最後方から。届かなくて仕方のないレースでしたが、0.5秒差。5走前・西宮Sは出遅れて後方から。5F通過57.6秒の超ハイペースになり、展開向いてはいますが、上がり33.8秒をマークしての差し切りは強い。鳴尾記念3着のエアサージュを差し切りました。ここ2戦度外視で、問題ありませんが、外枠でどういう競馬をするかがカギ。すぐに控えてインに潜り込んでくれればベターですが、先行できるようになっているだけにその競馬をするかは疑問で。15.ミクソロジー昨年のダイヤモンドS以来の長期休養明け。前走・ダイヤモンドSは11秒台のラップの少ないタフなレースに。道中はインで、2着馬ヒュミドールを前に置く形。3角から徐々に外に出していき、目標にしていた3着馬シルブロンを差し切り。内をロスなく立ち回った2着馬も差し切ってレコード勝ちを収めました。万葉Sもレコードで、スタミナの豊富さは明らか。33秒台の上がりを使ったことのない馬なので、2200mがカギ。雨が多少降る程度ではかなりの高速馬場になるでしょう。今回、陣営は「休みが長くなり、早めにトレセンで乗ってきましたが、思ったより良化がスローですね。特にここ1週間はあまり変化を感じません。実戦を経験してからでしょうか」と弱気。今回は大外枠でもあり、見送ります。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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