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展望：
土曜の札幌はCコース替わりで、逃げ先行馬有利になっていました。先行有利は直線の向かい風も影響したと思われますが、日曜も直線は向かい風模様ですが、プログノーシスは力が抜けていると見ており、ここは頭不動と考えています。
逃げ馬はアウスヴァールのみですが、続く先行馬は多め。
気持ち、前有利と見て。

◎11.プログノーシス
前走・クイーンエリザベス2世Cは出遅れ。5F通過は59.8秒程度で、前も残れるペースでした。勝ったロマンチックウォリアーとクビ差で、3着ノースブリッジに2馬身差を付けました。
前々走・金鯱賞は5F通過58.4秒の超ハイペース。課題のスタートを決めてインをロスなく回ってきたとはいえ、5馬身差で1.57.6の超好時計で駆け抜けたのは衝撃的なパフォーマンス。天皇賞（秋）で1.55.8で走破した力は伊達ではなかったということでしょう。
昨年の札幌記念は道中は馬場の悪い内目から上がっていき、3.4角では馬場の良い外へ。4馬身差の大楽勝で、ここでは力が一枚も二枚も上だという見立て。上がりの掛かるレースや馬場の方が良いタイプで、札幌でこの相手なら負ける危険性はほぼないと考えています。

○9.ステラヴェローチェ
前走・安田記念はスタートを決めて先行。ジオグリフがインをロスなく回っていたのに対して、こちらは外を回されました。陣営は「ジョッキーは内に入りたかったと言っていましたが、外枠の分、外を通る形になってしまったのが響きました。前に壁を置いて運ぶことができず、最後は弾けませんでした」と述べています。ジオグリフとの0.2秒差は内外の差でしょう。
前々走の大阪杯はもっと位置取りにこだわって欲しかったところ。鞍上は「ハナを切ることも考えていましたが、あまり進んでいかなかったので、切り替えてリズム重視のレースを」と述べていました。直線はよく伸びており、脚を余した格好になってしまいました。勿体ない0.1秒差の4着だったと思います。
3走前・大阪城Sは1000ｍ通過58.6秒のハイペース。このペースを先行して、かつ、58.5キロを背負って押し切ったのはかなり強い内容です。
歳を重ねたからか、上位の上がりを使えなくなってきているので、洋芝はプラスでしょう。ハイペース耐性が高いので「前が止まらない」という騎手意識が働いてペースが速くなりすぎても対応できるでしょう。乗り方次第で大阪杯は勝てたという点を評価して対抗を打ちます。

▲4.シャフリヤール
前走・ドバイシーマクラシックは5F通過が約63.1秒の超スロー。4番手以下を引き離す3番手から運んで2着入線。レース上がりは約33.9秒で、本馬はもう少し速い上がりでまとめていました。スローで運べば、このくらいの上がりは使えるタイプなので、完全に展開に恵まれての2着でしょう。
前々走・有馬記念は2番枠から終始インを回る競馬。一列前のスターズオンアースをマークする形になり、一旦離されたものの、最後はまた差を詰めてきました。スターズオンアースとは0.2秒差で、2.31.2で走破したなら力に衰えはありません。
瞬発力を武器にしているディープインパクト産駒は衰えやすい傾向にありますが、本馬は全兄に長持ちしたアルアインがいます。有馬記念を好走したことで、瞬発力よりも持続力型にシフトしつつあると思うので、札幌は合いそう。
差し馬なので、展開が向いてステラヴェローチェを差して2着に浮上する可能性を考慮して2着付けも買います。

△3.ボッケリーニ
前走・鳴尾記念は5F通過58.7秒のハイペース。道中は内目で、直線で外へ。差し馬向きの流れで展開は向いたとはいえ、1.57.2で走破した上で、終い11.4秒だから価値は高い。
前々走・日経賞はマテンロウレオの大逃げ。マテンロウレオ自身はペースを落とさずに走っており、ボッケリーニら2番手以下の馬が追いかけていった形に。結果的には捕まえに行った本馬が苦しくなりました。更に後ろにいた馬等に交わされただけではあるので、悲観する内容ではありません。
馬場も問わないタイプで、ここも堅実に走ってくるはずで。
こちらも基本的に差し馬なので、展開が向いてステラヴェローチェを差して2着に浮上する可能性を考慮して2着付けも買います。

☆1.ドゥラエレーデ
ダート中心に使われていますが、ホープフルSを制したG1馬。ただ、当時は先行馬有利の展開になり、逃げたトップナイフをハナ差交わしただけで、価値は低いと考えています。
芝でどれくらいの実力を秘めているか判断が難しい印象。
昨年のセントライト記念は5F通過60.1秒のハイペースで逃げましたが、直線の追い風が強く、差し馬有利に。L2は11.7-11.0の加速＆余力ラップで、本馬は展開不利でした。
昨年の宝塚記念は5F通過58.9秒のハイペース。外差し馬場でもあり、先行して直線内を通した本馬にとって苦しい展開に。
2歳未勝利では札幌巧者ドゥーラと0.3秒差の2着。こちらは展開に恵まれています。
決め手不足だとは思いますが、ハイペースになれば速い上がりは不要。押さえます。

☆2.ジオグリフ
前走・安田記念はスタートを決めて内を先行。稍重で4F通過46.4秒はハイペースで、差し馬に味方した流れでしたが、しぶとく最後まで脚は使いました。
前々走・大阪杯はインの好位。ポジションとしては文句のない位置を確保できました。直線は前にいた1.2着を追いかけましたが、付かず離れずの5着。大阪杯はG1としてはメンバーが小粒だったのでもう少し頑張って欲しかったなと思いますが、今でも2000ｍが問題ないところは示しました。ステラヴェローチェに0.2秒先着を許しましたが、あちらは脚を余していただけに力関係はカギ。
速い上がりが使えないため、札幌2歳Sを制した札幌は合うタイプでしょう。
三連単で押さえます。

☆10.モズゴールドバレル
前走・クイーンSは手応え良く回ってきましたが、4角でインにこだわったことでエンジンが掛かるのが遅れてしまいました。早めに外に出して位置を押し上げていくべきでした。鞍上も「4角から消極的に乗ってしまいました。折角乗せていただいたのに申し訳ないです……」と反省の弁を述べていた程。洋芝適性の高さは見せました。
2〜4走前があまりにも案外な敗退で、重賞では厳しいのかとも疑いましたが、前走でようやく良さが見えました。洋芝も合っているのでしょう。
5走前の秋色Sは後半3Fが全て10秒台という異質なラップで勝利。超スローを2番手から運んだということで、展開には恵まれていますが、勝ちは勝ちで。
6走前の三年坂SはL4が45.0秒という滅多に見ないラップでソーダズリングが勝ったレース。タイム差なしの2着なら高く評価して良いでしょう。
重賞でもやれると思っていた馬。三連単で押さえます。

☆12.ノースブリッジ
前走・クイーンエリザベス2世Cは内枠からすんなりとハナへ。5F通過は59.8秒程度。日本の感覚で言えば、前も残れるし差しも届くフェアなペースだったなという印象です。4角を手応え良く回ってきましたが、ロマンチックウォリアーとプログノーシスにねじ伏せられる結果に。
前々走・アミールトロフィーはハナを主張したものの、勝ったレベルロマンスに途中からハナを奪われました。スローを先行しての4着で、日本馬のゼッフィーロ・サトノグランツに先着を許しました。
3走前・天皇賞（秋）は超ハイペースに対応できず。
4走前・オールカマーはハヤヤッコのマクりが入って前に厳しいペースに。先行して0.5秒差ならさほど負けていません。
岩田康誠騎手は外枠からでもインに潜り込むところが怖い。ハナを奪ってラチ沿いを確保できる可能性もあり、押さえます。

以下は無印の馬について。

5.チャックネイト
前走・函館記念は15番枠で終始、外目を回されるロス。しぶとく伸びており、2着とは0.3秒差の6着。
前々走・天皇賞（春）は鞍上が「こんなに負ける馬ではないので、アクシデントがなければいいのですが……」と述べていた程で、勝負どころで手応えが怪しくなって大敗。距離も距離だったので参考外でも。
3走前のAJCCは終い13.1秒と掛かったので、先行馬不利だったという判断。3番手の本馬もやや不利だったと言えます。手応え的にはボッケリーニに分がありましたが、あちらがソラを使ったことで差し返しての勝利。
今回、ボッケリーニがソラを使う余裕はなさそうなくらい相手が強力。一枚落ちるという見立てで。
また、陣営が「落ち着き過ぎていて、調教過程でもハミを取らない。直前の追い切りでフルカップのヴァイザーを着用したが、要所要所で促していて、自分から行く感じがなかった。それが競馬でも出てきて、反応の鈍さが小回りとマッチしない。フルカップのヴァイザー着用でその点を強化したい」と弱気に受け止められるコメントを出していて。
6.トップナイフ
「慢性的に膝蓋が外れる癖があり、手術をした」という話で、前走・函館記念は約9ヶ月ぶり。鞍上は「手術をしてスタートが改善されたのは良かったです」と述べていました。内前有利の展開を先行したものの、直線入口ではもう手応えが一杯に。鞍上は「今日は休み明けという体の使い方でした」とも述べていましたが、乗り込み量自体は豊富でした。
昨年の札幌記念は他馬が馬場の悪いインを避ける中、ずっと内をロスなく回ってきました。デクラレーションオブウォー産駒らしく、悪い馬場を苦にしないのでしょう。今年は昨年よりも馬場が良く、昨年の再現は不可能でしょう。
7.ホウオウアマゾン
前走・エルムSはゲートで滑ったという話。ダートスタートの影響でしょう、揉まれてしまい、後方から流れ込んだだけに。
今年の中山金杯は0.4秒差5着と意外な程の好走を収めましたが、当時よりもメンバーが強化されるここで好走するのはハードルが高くて。
8.アウスヴァール
前走・函館記念は5F通過59.6秒で離し逃げを打てるという幸運が味方して3着確保。この馬は3勝クラスでも、5F通過59.9秒で離し逃げに持ち込めるという幸運が味方して逃げ切りました。強敵相手ではありましたが、完全に恵まれたという判断を下しています。
前々走・鳴尾記念は5F通過58.7秒のハイペースを2番手からに。ここは仕方ない敗戦だったにしても、3.4走前は力負けです。
恵まれて何とか通用するかなという馬で、付いてくる馬が多数いる今回は厳しいという見立て。

L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています（Lはラストの「L」になります）。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。