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展望:好カード。あまり力差の大きいメンバー構成ではなく、展開一つで着順はガラッと入れ替わりそう。土曜を見る限り、外を回した馬も来ており、フラットな馬場だと考えています。今回、重視するのは隊列面。4.ラリュエルと6.コンクシェルが逃げ馬で、このどちらかが逃げるでしょう。続くのが8.ウインピクシス、9.スタニングローズで、内枠勢は被されて位置を悪くするはずです。ペースはハイペースかミドルペースでしょう。道中で動くにしても外からの方が動きやすく、外枠の差し馬を中心視しました。あと、札幌はスパイラルカーブを採用していないため、直線で馬がバラけず、内が渋滞しやすくなっています。
◎12.コガネノソラ前走・オークスは距離が敗因だとしか思えない惨敗でした。度外視したいところ。陣営は「これからという時にゴチャついたのが痛かった」と述べていました。その意味でも外枠はベター。前々走・スイートピーSは5F通過57.5秒の超ハイペース。差す競馬に回ったことで展開こそ向いてはいますが、本馬自身は終い11秒台前半でまとめているはずで、余力があったと言えるでしょう。1.45.6はこのメンバーで持ち時計4位に当たるので、古馬相手でも力差はありません。3走前の1勝クラスはL2が12.1-11.7の加速ラップに。5F通過60.0秒と流れた上での加速ラップなので素直に評価して良いでしょう。出負けしましたが、リカバリーして4番手から。直線も脚色がしっかりしており、後続に交わされる雰囲気は全くありませんでした。上がり最速の3着馬が2勝クラスを突破しており、レースレベルも高かったと言えます。少し出が悪いところがありますが、今回は51キロ。出が悪くても、ある程度の位置までリカバリーできそうです。51キロ自体、加速力に影響するので有利。マクりの上手い丹内祐次騎手を配してきたのも好判断だと言えます。ここは本命を打ちます。
○13.ドゥアイズ前走・ヴィクトリアマイルでは本命を打ちましたが、やや外を回されたのが響いた印象。それで0.3秒差の4着なら期待にはまずまず応えてくれたと思います。前々走・阪神牝馬Sは800m通過47.4秒の超スロー。先行するという見立てでしたが、出遅れたのが致命的。それでもウンブライルの後ろを追いかける形でよく伸びて、3着争いには加わりました。3走前の洛陽Sは800m通過45.5秒のハイペース。2着トランキリテに最後は急追されましたが、位置を取ったドゥアイズの方が展開不利でした。時計が掛かっていた2月の京都で終い11.5秒でまとめたのは立派。勝ち時計の1.32.6も優秀です。4走前のリゲルSでは上がり33.1秒をマーク。これまでの「速い上がりを使えない」というイメージを一新する好内容。超スローで逃げ馬を捕まえられなかっただけです。力を付けており、札幌芝1800mは初勝利の舞台。コスモス賞ではモリアーナに先着を許しましたが、今では力は逆転しているのでは。今回、ウンブライルよりも力があるのに、枠や騎手の差なのか、こちらの方が人気がありません。鮫島克駿騎手も上手い騎手なので、上手く差してきてくれるはずです。
▲9.スタニングローズ前走・ヴィクトリアマイルは出がイマイチも、リカバリーして3番手へ。ハイペースを追いかけて苦しくなったという印象で、最後は外の差し馬勢に続々と差されてしまいました。短距離質のレースになったので、中距離馬の本馬の適性外だったか。長期休養明けの大阪杯は逃げ馬不在。鞍上は「この馬のリズムですんなりとハナへ立つ形に」と述べていました。残り200mで捕まりましたが、長期休養明けとしては上々の結果だったと言えます。前々走・ヴィクトリアマイルは出遅れてこの馬の競馬ができず。本来はスタートが上手く二の脚も付く馬なのでノーカンでも。昨年の中山記念は外目を回されるロスがありながらも0.2秒差5着と健闘しました。今回こそ本来の力が出せそう。逃げ馬二騎を行かせて、ウインピクシスの外辺りに付けられれば。
△8.ウインピクシス昨年の2着馬。その昨年は5F目から速めのラップが持続するレースで先行馬に厳しい流れ。内からリカバリーしてインの好位。前目から粘った内容は評価して良いでしょう。前走・福島牝馬Sは押して出して行ったことで、同型のラリュエルを制してハナへ。5F通過60.3秒は当時の福島芝なら楽なペースで0.2秒差3着に粘りました。前々走・愛知杯は5F通過57.4秒のオーバーペースに巻き込まれた結果。3走前・ターコイズSは外々を回されるロスが響きました。陣営は「4角の馬場の悪いところで脚を取られてバランスを崩したので、騎手も無理をしなかったようです」と述べていたので度外視でも。4走前・福島記念は完全な外差し決着の中、先行馬最先着。この内容が非常に強く、高く評価しています。今回、ハイペースになってもそう簡単には止まらないはず。ラリュエルとコンクシェルの後ろに付けられれば。
☆4.ラリュエル前走・巴賞はスタートで寄られる不利。その後は行き脚は付き、インの3番手から。直線では一旦2番手まで浮上したものの、最後に差し馬勢に捕まって0.5秒差5着。5F通過59.8秒はやや速かったので、もう少し遅めのペースで逃げか先行できれば。プラス10キロと馬体を戻してきたのは好材料でした。この時、鞍上が「本来ならばもっと先で競馬したい馬」と述べていたので、今回、ある程度出していくと予想されます。前々走・福島牝馬Sは先行有利のレースで先行していたので少し情けない結果に終わりましたが、陣営は「もともと食いが細く、久々の方がいいタイプ。輸送後の体の維持、それに折り合いが難しいので、気分良く走れるかも鍵になるでしょうね」と述べていました。馬体減が敗因でしょう。陣営は「(※前走で)体も増えていたように滞在は向いています」と述べています。巴賞後に放牧に出して、今回は十日間競馬という話。放牧先では緩めずに乗っていて、札幌では先週日曜から2本追いきっています。元々は暴走型の逃げ馬でしたが、近走は番手からでも競馬ができているので、コンクシェルの2番手になりそう。それで残せるかがカギでしょう。
☆6.コンクシェルハイペース耐性が高く、速いペースで逃げて、基本的には付いてきた先行馬を潰すタイプ。ですが、テンがあまり速くないのが難点。前走・ヴィクトリアマイルは押して押してハナを奪いきりましたが、そのためブレーキが利かず、4.5Fも11.6-11.4と緩みませんでした。完全なオーバーペースだったので言い訳の利く敗戦。前々走・中山牝馬Sは押してハナへ。外差し馬場を警戒してか、行く馬がおらず、3F通過37.4秒の楽なペースで逃げられました。直線はスムーズに外に出して押し切りました。前々走・初音Sは押して出して行ったものの、逃げ馬が速くて2番手に控える形に。結果的に、大逃げの2番手に付けて展開は恵まれたと言えるでしょうが、終い11.4秒でまとめているのだからまだ余力は十分あったと言えます。1勝クラスの鞍ヶ池特別の勝ち時計1.32.3は、中京芝1600mのレコードに0.1秒差の超好時計でした。その次走も1800mで5F通過59.6秒のハイペース逃げで5馬身差の圧勝。とにかく、この馬の競馬ができるかがカギですが、今回、それが叶いそうな枠の並び・メンバー構成です。
注7.アルジーヌ前走・博多Sは「休ませて減った体が戻っています」という陣営のコメント通りプラス24キロ。鞍上によれば「成長分もあると思います」という話でした。開幕週で「前が止まらない」という騎手意識が働いたのか、1000m通過57.4秒はオーバーペースで、控えたこの馬に絶好の展開に。外から早めに先頭に立って押し切りました。セブンマジシャンに完勝しているなら重賞で足りないということはないでしょう。前々走・豊橋Sは前の残る展開でしたが、終いの脚は際立っており、力は示しました。重賞でやれる力はあります。逃げ・先行馬に付いていける枠なので、押さえます。
注11.エリカヴィータ昨年のメイSからブリンカーを着用。以来、パフォーマンス自体はアップしていますが、馬券内までが遠い印象です前走・マーメイドSはアリスヴェリテの大逃げで5F通過58.3秒の超ハイペース。すぐ外に2着エーデルブルーメがいたので、エリカヴィータの位置は悪くなかったはずです。2着と0.3秒差ならさほど負けてはいません。前々走・福島牝馬Sは発馬で後手を踏みましたが、押してリカバー。中団インの悪くない位置に付けました。直線、外に進路を切り替えたところで不利があったように映りましたが、パトロールビデオを見る限りでは不利にはなっていませんでした。0.4秒差の5着。速い上がりを使えない分、どうしても掲示板付近が多くなるタイプ。今回はブリンカー外しで挑みます。「今回はブリンカーを外して自分のタイミングで動いてもらいたい」と述べています。やや足りなそうですが、展開向くと考えて押さえます。
以下は無印の馬について。
1.ボンドガール前走・マイルCは3F通過こそ34.3秒と速くなりましたが、4.5F目が12.0-12.0と大きく緩んだことで先行有利に。本馬はインの好位に付けましたが、外から伸びかけたところで、外から寄られる致命的な不利。その後は鞍上も追っていなかったので、度外視で構いません。前々走・ニュージーランドトロフィーは800m通過47.3秒のスローを先行。直線で伸びないインを通されたことは不利でしたが、正直、買ってほしかったと思います。中山芝でパフォーマンスを落とした以上、洋芝の札幌芝1800mが合うのかどうか。ダイワメジャー産駒はイメージに反して1800m、2000mも成績優秀ですが、オープンクラス以上になると1800m・2000mでの成績が大きく下がります。陣営は「行く気になればハナに行けるけど、今回は相手を見ながら運ぶことになりそう」と述べています。ダイワメジャー産駒なのでハイペース耐性は高いでしょうが、1800mでその強みを生かせるかがカギ。2.ウンブライル課題だったスタートの悪さが改善して力を出せるようになっています。前走・ヴィクトリアマイルはインの先団を追走。直線も脚は使っていて、前にいたフィアスプライドとの差は詰めています。結果的にはもう少し溜めるべきだったか。前々走・阪神牝馬Sはマイナス10キロと絞れてきました。戦前から予期されていた通り、800m通過47.4秒の超スロー。外差し馬場になっていたので、バイアスに沿った競馬ができました。3走前の東京新聞杯はスタートが比較的マシで中団から。伸び負けしましたが、プラス22キロで休み明けが響いたものだと思われます。昨年のNHKマイルCは出遅れ。勢いでは完全に勝っていたので非常に勿体ない2着でした。鞍上が「気分は最悪です」と述べていた通りの内容だったと思います。5走前にブリンカーを着用してからは安定して走れていますが、今回、しっかり出して行かなければ後ろになりすぎる危険性があります。ルメール騎手ならしっかり出していきそうですが、内で動けなくなる危険性も低くなくて。3.イフェイオン前走・マイルCは3F通過34.3秒はともかくとして、その後が12.0-12.0と大きく中緩み。先行有利になりました。本馬は内枠から好位に取り付きました。直線はアスコリピチェーノが寄れてきたことで多少不利は受けましたが、大きな不利にはならず。残り100m付近で脚色が鈍っていましたが、5着を確保しました。前々走の桜花賞は好発を決めたあとはゴチャ付いてしまい、馬もエキサイトしていました。0.7秒差ならさほど負けていません。外が伸びる馬場だったので、内にいて伸びを欠いたという印象です。3走前のフェアリーSは5.6F目で大きく緩み、加速ラップに。外からスムーズに加速できた馬が恵まれるラップで、本馬も外から加速できるという恩恵を受けました。ペースが流れた未勝利戦はL2の11.3-11.5を差し切っており、距離は何とか持ちそう。古馬相手になりますが、マイルCで0.3秒先着されたロジリオンがパラダイスSで展開不利ながらも4着と通用しています。力関係は問題ないのですが、中枠の逃げ先行馬に思い切り被されそうで。5.モズゴールドバレル重賞でもやれると思っていた馬ですが……。前走・米子Sは陣営が「いい感じで帰厩したので、冬場より体調は上がっています」と述べていました。先行馬の残るレースで、3番手から競馬をして馬群に沈んだのは印象が非常に悪い。前々走・阪神牝馬Sは外差し馬場。前目だったとはいえ、外を通していたので不利だった訳ではないはず。ここに出走のウンブライル・モリアーナ・ドゥアイズに先着されているようでは……。3走前の京都牝馬Sは外差し馬場を先行したことで展開不利。先行馬最先着なら悪くありません。どこかで穴をあけそうですが、マイルに短縮して安定してきた馬なので、1800mでパフォーマンスが上がるかどうか。10.キタウイング前走・ヴィクトリアマイルは五分のスタートから下げてインの後方。直線もインを突いてロスなく乗れました。そんなに大きく負けた訳ではありませんが、先着された馬が4頭出走してきます。前々走・谷川岳Sは800m通過46.8秒と流れましたが、馬場が悪くて差しにくかったという見立て。道中はインで、直線で大外へ。出来ることはやったという内容の0.9秒差8着。昨年は差し馬向きの流れでしたが、直線では進路がスムーズでなく、外に持ち出すまでに時間が掛かりました。鞍上はイズジョーノキセキと直線で内外が逆だったら……と述べていましたが、イズジョーノキセキも届かずの5着でした。かなり恵まれる必要があるでしょう。14.モリアーナ横山典弘騎手が脚質転換を図って本領発揮させてきた馬。前走・ヴィクトリアマイルはスタート五分も、控えて後方から。終いはドゥアイズと0.1秒差のところまで差を詰めてきましたが、ドゥアイズの方が展開不利だったという見立て。前々走・阪神牝馬Sもすぐに控えて後方待機。ドゥアイズに先んじて追い込んできましたが、終いの脚色は出遅れたドゥアイズが勝っていました。今回は武藤雅騎手に乗り替わりで、これは大きな減点材料でしょう。力や展開面で有利だとは認めても、この鞍上弱化は嫌いたいところです。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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