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展望:東京芝は外がやや有利かな程度。日曜はにわか雨模様で、馬場傾向の変化には注意が必要です。大外枠を引いたセルバーグはテンの遅い逃げ馬。前に入られると逃げられませんが、大外枠を引いた以上は主張して逃げるはず。
◎6.レーベンスティール現4歳最強馬だと考えており、1勝クラス勝ちのL2の10.8-10.9はべらぼうに速い(他だとマキシもかなりの器)。前走・新潟大賞典はイレ込んでいたという話。鞍上は「1歩目にトモを落としたし、3.4角で後ろの馬が乗りかかってきた感じで……。全体的にチグハグになってしまい、かわいそうなレースでした」と述べていました。こんなに負ける馬ではないので参考外としたいところ。前々走・香港ヴァーズはまさかの殿負け。鞍上のモレイラ騎手は「能力を全く出していません。前走時と全く違う馬でした」と述べているほどで、海外遠征の難しさが出たのではないかと思います。セントライト記念は追い風が強力な日だったとはいえ、L2は11.7-11.0の加速&余力ラップで快勝。とにかく、力を出せるかどうかだけですが、ルメール騎手を配してきたからには仕上がりは万全でしょう。賞金を稼ぐためにも落とせません。
○7.マイネルケレリウス前走・府中市市制施行70周年記念は1000m通過59.1秒のハイペース。中団やや後ろからで展開は向いていますが、L1は11.3秒と速く、ここで差し切ったマイネルケレリウスは余力十分の勝利。1.57.8の勝ち時計も優秀です。晩成血統なので、休んで良さが出てきたのかもしれません。前々走はハイペースを先行して展開不向き。3走前は大外枠から先行。そのまま外を回されたことが響いたのかもしれません。前走通りに走れれば、セルバーグのハイペース逃げにも対応できるでしょう。ここでも通用するはずです。
▲15.アルナシーム1800mならかなり強い馬。前走・都大路Sは1000m通過59.8秒と平均的に流れました。インをロスなく回ってきましたが、前にいたセオにL2を10.9-11.3でまとめられては差せません。前々走・ダービー卿CTは鞍上が「1600メートルと緩い馬場は合わなかった」と述べていました。3走前・小倉大賞典は馬場の内側が回復していました。セルバーグの大逃げで1000m通過は57.2秒の超ハイペース。離れた4番手を追走して、道中はインをロスなく回って、直線で少し外へ。よく伸びて、セルバーグとはハナ差の4着まで追い上げましたが、差し馬勢に展開が向きました。4走前・京都金杯はイン圧倒的有利な馬場。外枠で外を回されたことが響きました。5走前・カシオペアSは1000m通過57.6秒の超ハイペース。ショウナンマグマの大逃げで引き上がったペースとはいえ、5番手追走も不利だったと見ています。1馬身1/4差を付けての勝利は高く評価しています。上がり性能が武器というタイプでないので、東京コースがカギ。前が飛ばして、上がりが掛かってくれれば。
△18.セルバーグテンの遅い逃げ馬ですが、すんなり逃げられさえすれば、相当にしぶとい馬。また、ペースを緩めない方が粘れるタイプでもあります。前走・新潟大賞典は内枠で躓いて出遅れ。1000m通過付近から先頭に取り付く無茶な競馬に。度外視で構いません。距離を危惧していた前々走・小倉大賞典は1000m通過57.2秒の超ハイペース&大逃げ。同型のホウオウアマゾンは出遅れましたが、フェーングロッテンは押していました。1F目が12.3秒、3F通過が35.0秒でしたが、このペースで飛ばせるなら1800mの方が逃げやすいでしょう。馬場の内側が復活していたので進路面の不利はほぼありませんでした。残り50mまでは先頭で、最後に息切れしました。昨年の中京記念は中緩みを作らない超ハイペースの逃げ。同型のアナゴサンが譲ってくれる幸運もありましたが、2.3着馬は共に差し馬でした。関屋記念は鞍上の吉田豊騎手が中緩みを作ったことで、極限の上がり勝負になってしまいました。3着に敗れた2勝クラスのラップが凄まじい。1Fは13.1秒と遅めに入りましたが、2F目からが、11.5-11.3-11.1-11.0-11.3-11.0-12.3、でした。2F目から7F目までの中間ラップは何と1.07.2!大きく失速しても不思議ないラップを刻みましたが、0.2秒差の3着に踏ん張ったのは破格。1.2着馬も強い馬でした。とにかくスムーズに逃げられるかがカギですが、逃げにこだわる馬は不在。テンで遅れずにハナを奪えさえすれば。
☆10.シルトホルン力ある先行馬ですが、近走はハイペースに巻き込まれる競馬が続いています。前走・メイSは二の脚が速く、自ら逃げて1000m通過は59.4秒。我慢できるペースでした。最後の最後に捕まりましたが、0.1秒差3着なら上々の結果です。鞍上は「ひと息入っていた分でしょうか。ゲートでうるさく、道中も力みが見られました」と述べていたので、更にパフォーマンスを上げられる可能性も。前々走・六甲Sは重馬場で前残りが多発していた日。それを意識してか、外からジャスティンスカイが強引にハナを奪ったことで3F通過は34.4秒。完全に差し有利の決着になりましたが、残り200m地点ではほぼ先頭。終い甘くなったとはいえ、0.3秒差なら強い競馬をしています。東風Sはハイペースに加えて、伸びないインを突く競馬で0.5秒差4着。久々のマイル戦で少しリズムが悪かったという話。白富士Sは1000m通過が59.4秒。2000mだったことに加えて、外枠から位置を取ったこともあり、残り200mで脱落。このレースを見ても1800mがベター。展開不利で頑張っているだけに、今回、展開さえ向けば通用するレベルにあります。
注4.ヴェルトライゼンデ本来の能力はレーベンスティールともタメを張れるレベルにあるはず。今回は長期休養明けだけがカギ。5走前の鳴尾記念ではもっと長い休み明けでいきなり勝利しました。展開が向いたことやレーン騎手の好騎乗も光ったとはいえ、価値ある勝利だったと言えるでしょう。二度目の屈腱炎明けで、もう7歳になりました。かつての力を出せるかどうかだけでしょう。
注14.カレンシュトラウス長期休養明け以降、速い上がりは使えており、状態面は戻っていましたが、追走力のなさがネックでした。前走・メイSはブリンカー着用で行きっぷりが大きく改善。結果、前残りの展開に泣きましたが、終い11.8秒と失速した地点で差を詰めて5着。上がり33.7秒を使っており、追走しても脚は鈍っていません。前走通りの追走力があれば、これから重賞でもやっていけるはず。
注11.サイルーン前走・春興Sはチークピーシズ着用。中緩みが大きくて差し馬向きのラップ。縦長馬群が4角で凝縮していると分かります。恵まれたとはいえ、L2は11.4-11.2。これはかなり速く、勝ち時計の1.32.9も優秀。馬場差こそあれど、翌週のダービー卿CTと同タイムでした。2勝クラスでは、桜花賞3着のペリファーニアを撃破。本馬の方がロスを防げたとはいえ、交わされる様子もありませんでした。1800mは新馬戦でサリエラの2着に好走しており、守備範囲。重賞でも通用しますが、久しぶりの1800mがカギ。
以下は無印の馬について。
1.トゥデイイズザデイ前走・谷川岳Sは約9ヶ月振り。陣営は「良化の余地を残しながらも態勢は整いました」と述べていました。今回、多少の上積みは期待できそう。ほぼ五分のスタートから先行。1.2番手の馬が飛ばしたことで800m通過は46.8秒のハイペースに。ただ、縦長馬群になったことで差しが届きにくい隊列になりました。長く脚を使ってギリギリ2着を確保。相手に恵まれた面はありました。前々走・佐渡Sは好発を決めて先行策。1000m通過59.5秒で、馬場を考えれば前が楽なペースでした。33秒台の上がりを使っていた馬が11頭もいて、これは展開利が大きかったのではないでしょうか。3走前・垂水Sは800m通過こそ47.2秒でしたが、11.0秒の3F目でマクった勝ち馬アルナシームは負荷がかなり高かったはず。展開面の差を考えれば、アルナシームには勝っていて欲しかったと考えています。長く脚を使えるタイプなので東京は良さそう。今回は力関係がカギ。2.ノースザワールド3勝クラスでは5戦連続2着を続けていた馬で、決め手に欠く面があります。前走・マイラーズCは800m通過45.6秒のハイペースを中団から。展開は向いていますが、伸びきれませんでした。鞍上が「この馬場だと力の差がある感じですね」と述べていましたが、3勝クラス勝ちが重馬場だったことからも道悪はむしろプラスのはず。決め手のなさを補えるメリットもあります。前々走は重馬場の六甲S。やや出遅れも、本馬にとっては許容内。鞍上の幸英明騎手が「馬場のいいところをと思って外へ出していきましたが、結局、内の馬が残ってしまいました」と述べている通り、外を回すロスも響いたと思いますが、ハイペースで控えたことはプラスだったはず。東風Sも出遅れ。800m通過45.9秒のハイペース。結果的に縦長馬群になって前が残ってはいますが、差し自体は恵まれていたはずです。0.6秒差だった昨年の毎日王冠は課題のスタートを決めて中団やや後ろを追走。直線は伸びてはいたものの、切れ負けしての6着だったという印象。馬場が悪化してほしいはずで、また、課題のスタートを決めて何とか、というレベルではないでしょうか。3.ルージュリナージュ前走・ヴィクトリアマイルは出遅れて最後方から。800m通過45.4秒という超ハイペースになったので、展開が向いたとはいえ、上がり最速で5着。G1だったことを考えれば上々の結果でしょう。前々走・中山牝馬Sはスタート後に隣の馬と衝突する不利。ドスローを後方からになってしまっては厳しい。3走前・東京新聞杯は内枠でしたが、あまりインにはこだわらず。8着まで追い上げたなら及第点でしょうか。4走前・ターコイズSは出遅れて後方から。4角では大外に出して進出を開始しましたが、外を回ったロスが響いて間に合わず。終いまで伸びてはいました。5走前は出遅れましたが、ペースが流れて、展開が向いての差し切り勝ち。ここが同コースでしたが、展開がハマっての勝利なだけに、古馬重賞で通用するには展開の助けが必要か。セルバーグがハイペースの逃げを打つと縦長の馬群になりそうで、そうなると届かない危険性が高まります。スタートが悪い点も気がかり。5.タイムトゥヘヴン出遅れ癖のある馬。前走・ダービー卿CTはスタートでヨレる形になって出遅れ。終始、インにこだわる競馬をして6着まで浮上しました。末がしっかりしているので大崩れの少ない馬ですが、馬券内に絡むには工夫が必要。その点、前走のイン突きは良かったと思います。誤魔化しの利かない東京芝1800mで馬券に絡むのは厳しいか。8.ワールドウインズ前走・都大路Sは1000m通過59.8秒。中団前目の好位置を確保できましたが切れ負けしたという印象。前々走・六甲Sは重馬場で3F通過が34.4秒。差し馬向きの流れになりました。道中は中団内目で、直線は外へ。よく伸びて勝ち馬を猛追しました。切れ味が武器の馬ではないので、重馬場も向いたのでしょう。年々、短めの距離に短縮してきており、現状で東京芝1800mが合うとは思えません。見送り。9.レッドランメルト昨年10月のオクトーバーS以来。そのオクトーバーSは出遅れて後方から。縦長馬群で差し馬不利になったとはいえ、あまりにも負けすぎました。東京で勝ち鞍や2着こそありますが、速い上がりを使えないので本質的には東京コース以外が合っています。ここは見送ります。12.グランスラムアスクテンが遅い逃げ馬で、2.3勝クラス勝ちは押して押してハナに立ち、厳しいペースを逃げ切りました。前走・中山牝馬Sは3F通過37.4秒という超スローペース。1F目も13.0秒と遅かったにもかかわらず、逃げられませんでした。ここまでテンが遅い現状では、重賞では厳しいでしょう。同型のセルバーグもテンの遅い馬ですが、それ以上に遅いと思います。13.ラケマーダ前走・分倍河原Sは800m通過46.4秒のハイペース。先行しましたが、3.4角で一呼吸置けたのが良かったか。終いは11.7秒で、差し切った本馬もそこまで余力があった訳ではないでしょう。前々走・春興Sは800m通過46.4秒と飛ばして逃げましたが、5.6F目で11.9-12.0とペースを緩めたことで差し馬の餌食になりました。不利な展開で3着に残したのなら及第点。メンバーの揃った3走前・難波Sの内容が不満です。逃げたアウスヴァールが1000m通過59.9秒で大逃げに。これは恵まれての勝利ですが、3番手通過のラケマーダが6着に沈んだのは微妙な結果だと言わざるを得ません。重賞で即通用の器だとは思えないというのが本音です。16.グランディア前走・スピカSの日は直線の追い風が強力で、差しがよく決まっていました。道中は内目で、直線で外に持ち出す好騎乗。狭いところを割ってきましたが、進路はスムーズで不利はありませんでした。前々走・常総Sは道中インで、直線は前の馬をさばいて3着。水準以上のレベルにあったレースですが、上手く乗って少し足りなかったという印象。3走前・修学院Sは1000m通過59.8秒で差し馬向きの流れ。ミッキーゴージャスやエアサージュと差のない競馬はできましたが、完璧に乗れました。ミッキーゴージャスとエアサージュは外を回していたので、着差以上に力差は大きかったと考えています。立ち回りが上手いだけに、東京で良さが出るかは疑問です。17.ニシノスーベニアパワー型で、道悪がベター。前走・ダービー卿CTは想像以上にやれたという印象。道中は馬場の悪い内を避ける良いポジションで競馬を運びました。直線もギリギリ伸びる内を突く好騎乗が光りました。前々走・幕張Sは800m通過46.4秒のハイペース。道中はインでじっと我慢。逃げ馬がペースを緩めた3角でするすると進出。直線で追い出すと5馬身も千切る大楽勝でした。ただ、相手に恵まれたのも確かで、出走馬の中でオープン入りしたのは全く走らなかったスズハロームのみ。1800m・東京コース・良馬場など、こなさなければならないことが多い印象です。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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