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展望:大阪杯が開催される阪神芝2000mはスタート後に上り坂を通過するため、スローになりやすいコース。下り坂スタートの阪神芝2200mとは対照的で、平均ラップでは2200mの方がペースが速いという逆転現象が生じています。京都改修が終了したため、今年は2017~2020年までと同じくBコース替わりで行われます。G1なのである程度ペースは流れますが、G1となった2017年以降、3角で5番手以内の馬しか勝っていません。阪神芝2000m開催だった2度の秋華賞を含めても同様です。内枠の先行馬が有利。意外にも1.2枠から勝ち馬は出ておらず、中枠の活躍が目立っていますが、馬番別で見ると一桁馬番までが有利という結果が出ています。今年は逃げ馬が不在。しっかりと出して先行できる馬が有利になるはずです。力量差のないメンバー構成に加えて、トップジョッキーの多くがドバイに遠征。枠などの少しの差で着順が入れ替わるのではないでしょうか。内枠から中枠で、先行できる実力馬から狙いました。
◎1.ミッキーゴージャス前走の愛知杯は1000m通過57.4秒の超ハイペース。位置を押し上げるタイミングが「早すぎる!」と思って観ていましたが、あれで押し切るのだから大したものです。3走前は阪神芝2000m。最内枠でロスなく乗れたのは恵まれていますが、本馬は残り200mでまだ前と3馬身差ほどありました。L1の11.9秒を差し切っているだけにまだ余力は十分。このメンバーなら上位の力とテンの速さを持っています。デムーロ騎手は阪神内回りが得意。大阪杯はラッキーライラックとスワーヴリチャードで2勝を挙げています。外を回すイメージが強い騎手ですが、このコースの特性は把握しており、スワーヴリチャードでは後ろまで下げて、3角までにマクるという競馬で外を回すロスを防ぎました。ここ2走はペースが速いから控える形になっただけで、今回の最内枠は3走前のように恵まれる可能性が高い。本命。
○9.ステラヴェローチェ長期休養明け以降、先行する競馬をしています。長期休養明け初戦の富士Sは中緩みが全くない超ハイペース。このペースを追いかけて1.0秒差7着なら頑張った方です。前走・大阪城Sは1000m通過58.6秒のハイペースを先行して押し切った点を評価。デビットバローズに交わされる寸前で、他の相手も弱かった点だけは気になります。1週前追いきりではCWで自己ベストの猛時計をマーク。長期休養明け以来、短い距離を使っている点は気になりますが、長期休養前の内容から問題にはしないはず。バゴ産駒としては決め手もあるタイプ。9番枠ですが、超ハイペースの富士Sを先行・前走もハイペースを先行しただけに自然と前に行けるはず。陣営は「行く馬がいないようなら、ハナを切ってもいい」と述べています。内の馬を被せる形で先行できればベスト。対抗。
▲5.スタニングローズ長期休養明けですが、調整過程はいつも通り。昨年のVMは出負け。インを狙うも進路を切り替えるロス。最後まで伸びてはいるものの、後ろ過ぎたか。前々走の中山記念は好発。外枠で初角では外を回されました。4角の手応えは良かったのですが、伸びが案外。とはいえ、0.2秒差しか負けておらず、力はあると再認識しました。3走前のエリザベス女王杯は外差し馬場だったので度外視。4走前の秋華賞は立ち回りの巧さを武器に、後方待機だったナミュールとスターズオンアースを撃破。1000m通過59.7秒とまずまず流れた中で先行押し切りは強い内容ですが、あくまで牝馬同士での話。終い11.8秒まで落として、ナミュール・スターズオンアースにも急追されているので、当時よりももう少し成長しれば。ロードデルレイの回避によって西村淳也騎手を確保できたのも良いでしょう。しっかり出していくはず。先行して残す可能性は十分。
△6.ジオグリフ前走・中山記念は好発を切って先行。1000m通過58.6秒というハイペースでしたが、先行有利な馬場・展開で不利ではありませんでした。インで溜めて3.4角で進出。直線入口では「勝った!」と感じましたが、伸びが案外でした。これを衰えだと見る向きもあるようですが、正直、再現性のあるレースではなかったので判断が難しいところです。昨年の宝塚記念は出遅れからリカバー。中団やや前目に位置取りました。初角からかなり外目を回りながら、しぶとく伸びてきています。二桁通過順の馬が恵まれたハイペース戦だったので、7番手付近から0.7秒差9着なら悪くありません。2000mは守備範囲で、先行力もあり、若駒の時を思えば比較的速い上がりも使える馬。外からステラヴェローチェが被せてきそうですが、上手く抵抗するかやり過ごせれば。チャンスはあると考えています。
☆3.タスティエーラ前走・有馬記念は外枠からスタートひと息で中団から。直線では挟まれる大きな不利がありました。そこから伸びてきており、不利がなければ上位だったでしょう。馬体増に関してはパワーアップしたという話。デビュー戦・2戦目・ダービーは33秒台の上がりを使えていますが、サトノクラウン産駒らしく切れ味が武器の馬ではありません。ダービーは好位を確保する好騎乗もあってギリギリ押し切ったという印象で、トップ層の中では切れ味で劣るのは確実。先行力含めて総合的な力はあるので大きくは崩れないでしょうが、勝ち切るまでのイメージは湧きません。今年の4歳牡馬はレベルが疑われていますが、ディープインパクト産駒がほぼいなくなった影響もあり高い瞬発力を持った馬が少ない印象(その分、勝ち切れない)。この馬もそうです。3番枠は良いところを引けました。先行意識の高い松山騎手ならポジションを取ってくるでしょう。テンもこのメンバー内では速い方です。
以下は無印の馬について。
2.ローシャムパーク前走・香港Cは出遅れ。スローペースの中、最後方からでは厳しかったと言わざるを得ません。前々走のオールカマーはハヤヤッコのマクりによって前に厳しい流れ。5番手は追いかけすぎないベストポジションだったか。それでもタイトルホルダーを差し切ったのは力があります。3走前・函館記念は外差し馬場を生かして、勝負どころでは外目に出して差し切り。2馬身差は完勝。4走前のむらさき賞は出遅れて後方から。1000m通過59.1秒とまずまず流れました。下手に外に出さず、直線では馬群の中で前を射程圏に入れる好位置。馬群を割って余力十分に差し切りました。戸崎騎手鞍上。良い騎手を確保できたという印象です。問題はテンが遅いこと。オールカマーと函館記念ではルメール騎手が促して位置を取りました。ここはテンの速い馬に挟まれる枠になりました。2番枠という枠順自体は良いのですが、内外の馬が速くて位置を悪くすると見ます。4.ハヤヤッコ前走・金鯱賞は出遅れ。先行争いが激しくなり、1000m通過58.4秒の超ハイペースに。コーナー部は内目を周り、直線もイン突き。この馬自身伸びている訳ではありませんが、上位2頭以外は脚色が同じに。プログノーシスやドゥレッツァのようなトップ層とは力の違いが明白でした。前々走・中日新聞杯はスタート五分。こちらもハイペースを後方から。終い33.9秒の上がりを使えたのは驚きで、自身、2歳時のアイビーSに次ぐ上がりをマーク。衰えはないのですが、位置を取れない点がどうか。3走前は本馬がマクったことでペースアップが早くなり、苦しくなっても仕方のない展開に。度外視で良いものの、この時のようにマクっていかなければ展開的に厳しいのではないでしょうか。最終追い切りの動きが悪すぎるという印象。この点もどうか。7.ハーパー速い上がりは使えない馬。エリザベス女王杯は上手く先行したことと、34.8秒の上がりで馬券に絡めるという展開も味方しました。3番枠にも恵まれています。前走・有馬記念は勝負どころでの手応えが悪く、伸び負け。阪神の内回りとはいえ、スローになりそうなここではもう少し速い上がりを使えた方が良い。先行力があるのは良いものの、もう少し成長してから。8.プラダリア時計の掛かる馬場の方が良いタイプ。前走・京都記念は外差し馬場。上手く控えて、勝負どころでは外に出せました。直線はベラジオオペラとマッチレース。ベラジオオペラに競り勝ったのは評価できますが、ベラジオオペラが少し情けなかったか。前々走・有馬記念はスターズオンアースの後ろに付いていく形で先行。4角ではもう手応えがなく失速。3走前の京都大賞典は開幕週でイン前有利。このバイアスに沿った競馬ができました。ボッケリーニに競り勝ったものの、ボッケリーニはG1では少し足りない馬で。Bコース替わりの阪神で時計が出ている点、スローで多少速い上がりが必要になりそうな点がどうか。そこまでテンが速くないので、すぐ外のステラヴェローチェに被されて位置を悪くすると考えています。10.ソールオリエンス前走・中山記念はスタートを決めましたが、周りが速くていつも通り後方から。3.4角ではかなりの外目を通して、よく4着まで来たなという内容でした。この点は評価できますが、こういう不器用な競馬しかできない馬です。5着のマイネルクリソーラは力を付けていて評価はしていますが、一列後ろのこの馬を突き放せなかった点もどうか。前々走・有馬記念は最内枠からスタートを決めましたが、やはり行き脚が付きませんでした。川田騎手だったので、ある程度出していく作戦かと思っていたのですが……。3.4角から直線はほぼスムーズに映りましたが、伸びがひと息。阪神芝2000mというタイプではなくて。ブリンカー着用は怖いことは怖いですが、これまでを見る限り、一変の望みは薄いか。11.ベラジオオペラ日本ダービーは最内枠で全くロスのない競馬。直線はスルスルと伸びてきて、あわや勝つかという勢いでしたが、終いに少し甘くなりました。33.0秒の上がり最速をマークできた点は、切れ味ある馬の少ないこのメンバー内では評価できます。前々走のチャレンジCは比較的ロスなく乗って、インを突いたボッケリーニをギリギリ交わしました。決め手がある方なのは強みですが、よりロスの多かったエピファニーと脚色は同じ。ベラジオオペラとエピファニーはほぼ互角だと考えています。前走・京都記念はプラダリアに競り負けたのは少し情けなかったと思いますが、上がりの掛かる馬場に加えて1F長いと思わせる2200mだったのでまだ言い訳は利きます。11番枠が課題。横山和生騎手が出していくようなら怖いですが、皐月賞では田辺騎手が先行させて大敗している(ハイペースに巻き込まれた形ですが)だけに、無理はしなそうで。12.キラーアビリティ出遅れ癖のある馬。前走・ネオムターフカップも出遅れましたが、インの好位を確保できました。道中もインをロスなく回る好騎乗で2着。前々走・中日新聞杯はスタートはほぼ五分。中団を確保できましたが、直線ではハヤヤッコに差されて4着に敗退。昨年の大阪杯はやや出負け。中団やや後ろを追走。外目を回すロスが響いたとは思いますが、それにしてもジワジワとしか伸びず。例年よりもメンバーレベルが低いとはいえ、上位層にはやや劣るか。外枠も軽視できる要因で。13.ルージュエヴァイユ前走・京都記念は残り200mから少し甘くなりました。前々走のエリザベス女王杯はインをロスなく立ち回る競馬で展開に恵まれています。3走前の府中牝馬Sはスタート五分からスッと控える競馬に。大外をストレスフリーで追えたのが良かったと思いますが、32.7秒の上がりをマークできたことは評価。4走前のエプソムCは外からリカバリーする形で先行。1000m通過58.3秒のハイペースを粘ったのは評価できます。中山記念を勝ったマテンロウスカイに先着した点も評価できますが、このレースは外枠だったからこそ位置を取れたのだと考えています。阪神芝2000m、しかも13番枠で位置を取っていけるかどうかはかなり疑問。14.エピファニー折り合いを欠くタイプ。前走・小倉大賞典は1000m通過57.2秒の超ハイペースで折り合いは付いていました。3角はインで、4角出口で外に出すスムーズな進路取り。直線は馬場の真ん中から突き抜けました。当時の小倉芝は馬場のインが復活、時計も出るようになっていたとはいえ、1.45.1は速い。本命を打った前々走の中山金杯は酷く引っかかり、すぐ諦めた程でした。日本競馬に対応出来ていなかったピーヒュレク騎手が御せていなかったので度外視で構いません。3走前・チャレンジCは外枠で終始、外を回される厳しい内容ながら4着。ベラジオオペラとは進路差があったので、力差はないと考えています。4走前・ケフェウスSは大逃げのある超ハイペース戦。最内枠は恵まれた枠でしたが、1.57.2の勝ち時計は非常に優秀です。5走前は馬群に包まれて抜け出せず度外視。6走前のメイSは淀みないラップで内を通した馬が恵まれたレース。本馬は外を回した分、伸びを欠いた印象ですが、1.2着はサクラトゥジュール・マテンロウスカイ。どちらも重賞を勝ちました。時計的にも力は足りる馬。折り合い面がカギなだけに14番枠が痛い。15.リカンカブールスタートが安定しないということで嫌った中山金杯は、スタートを決めて位置を取りに行った津村明秀騎手のファインプレー。本馬はまだ余力あるラップ・勝ち方でした。完勝。前々走・チャレンジCはスタートひと息で最後方から。届かなくて仕方のないレースでした。前走で上手く導いた津村明秀騎手の継続騎乗はプラス。問題は前走通りに運べるか、という点。この馬に関しては特に内枠が欲しかった。15番枠は大きく減点します。16.カテドラル前走・小倉大賞典は好発も、ペースが速くてすぐ後方へ。4角はかなりの外を回しましたが、上がりは最速。最後まで伸びていたとはいえ、終いが際立っていた訳ではありません。前々走・中山金杯は外にも出せる形でしたが、インを狙って伸びてきました。好騎乗。末脚堅実ですが、ここは後方からでは間に合わないでしょう。2000mも1F長い印象で。内枠を引けば、無視はできないと考えていましたが、16番枠で躊躇なく切ることができます。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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