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展望:日経賞は天皇賞の前哨戦のため、各馬、折り合いに専念してペースが緩みやすいレース。差し決着になった2020年はソウルスターリングが引っ掛かってハイペースを誘発したのが原因。今年は掛かり気味に飛ばしていくサザンナイツの出方がカギですが、近走は控えて我慢が利いていることからも飛ばして逃げることはなさそう。10頭立てなので基本的にはスローペース想定で良いでしょう。土曜の雨予報ですが、金曜時点の含水率が10.6%と低め。土曜11時から1時間に1ミリ程度降る予報(計5ミリ程度)。僅かに馬場に影響する程度と考えて良さそうです。今年は力量差が大きいメンバー構成。先行できて能力の高い馬から狙いました。
◎2.マテンロウレオ立ち回りの巧さを武器にしている馬。その意味で近走は武器を生かせていません。前走・京都記念は内を空けて走るほどインが悪化していました。外目を先行しましたが、直線では伸びずバテず。前々走・中山金杯ではチークピーシズ着用も、行き脚が鈍く中団から。これに関しては陣営によると「スタートしてすぐに坂があることが堪えて、いい位置が取れなかった」と述べています。今回は「スッと流れに乗れそうなイメージはある」と前向きです。その後は初角でゴチャ付いて位置を悪くして、4角でも大外を回す競馬に。終いまで伸びていて悪くない内容でした。3走前・チャレンジCは外枠で外々を回されるロス、直線で進路を切り替えるロスがありました。エピファニーと差のない競馬はしているなら十分に評価できます。4走前のオールカマーはマクりが入ったことで位置を悪くしました。内枠を引ければ……、と考えていただけに、今回の2番枠は絶好枠。これであとはインをタイトに回ってくるだけ。ここで本命を打たなければ、どこで打つのだという位に条件が揃ったと考えています。
○9.ボッケリーニ馬場は問わない馬。前走・AJCCは外差し馬場を生かして直線で抜け出しましたが、ソラを使うのか、終いに甘くなって交わされました。前々走・チャレンジCは勝負どころで馬群が密集して動けませんでしたが、直線は空いたインを突く鞍上の好判断で惜しい2着。昨年の日経賞は差せない馬場で展開不利だったと見ていますが、よく差してきて2着。2年前はスローペースをインベタ先行策で展開に恵まれてはいますが、タイトルホルダーを苦しめる2着。このメンバーならさすがに力は上です。雨で序列を付けやすくなりました。先行力があり、馬場も問わないこの馬を2番手評価とします。
以下は無印の馬について。
1.ヒートオンビート道悪不得手な馬。前走・有馬記念は終始、外目を回るロスの多い競馬に。G1では荷が重かったかもしれませんが、もう少しロスなく乗れていればもう少し頑張れていたはずです。前々走・アルゼンチン共和国杯はインをロスなく回ってきましたが、直線で外に出しにくくなり、脚を余した格好になりました。3走前の京都大賞典は重馬場が響きました。昨年の日経賞は不良馬場に泣きましたが、2年前はスローペースを先行して0.1秒の僅差負け。ペースが遅ければ位置を取れる馬で、このメンバーなら地力上位。レースまでに5ミリ程度とはいえ、雨が降る予報になりました。稍重程度なら頑張れる馬ですが、多少割り引くことにしました。3番手評価です。3.ホウオウリアリティ時計の掛かる馬場でこその馬。前走は大外枠から上手くインに潜り込めました。直線もインを突いてそれなりに伸びてきましたが、残り200mを切ってから力尽きました。同コースは得意としている馬ですが、G2ではどうか。クッション値が10.2まで上がったので、雨が降ったとはいえ時計は出そうで。先行してどこまで粘れるか。4.サザンナイツ3勝クラスでも厳しい馬。同コースで2勝クラスを勝ってはいますが、当時は前残りの展開にも恵まれています。G2では厳しいですが、今年は相当にメンバーレベルが低くなりました。上手い逃げが打てれば、残り目があっても。5.マイネルウィルトスタフな競馬で強い馬。前走・AJCCは果敢に逃げましたが、終いが13.1秒と掛かり展開不利だったと考えています。5着ならそれなりに粘っています。今回は「できれば好位から進めたい」と述べています。前々走のステイヤーズSは逃げ馬に展開が向いて、2着のテーオーロイヤルとは決め手の差。3走前・アルゼンチン共和国杯は早めに外に出して、直線では一度抜け出しましたが、ゼッフィーロのイン突きに屈した形に。4走前の京都大賞典はイン有利な開幕週で外目を回した分の差です。力量上位は明らかなので、あとは先行できるか、また、できなかった場合に届くかどうか。6.シュトルーヴェスタートの悪い馬。前走からセン馬になりました。その前走はインで上手く溜めて競馬を運べました。直線でも馬群をさばいて差し切り。勝ち時計の2.23.6は優秀で、L5の58.1秒も優秀。破った相手がキングズレインだっただけに価値は高い。新潟内回り2000mの未勝利戦では終い11.3秒を使ってぶっ千切った素質馬。前々走は4角での反応が鈍く、直線ではもう間に合わない位置に。前走内容からはこのメンバー相手でも地力が上。後方脚質がどうか。7.ウインエアフォルク3勝クラスの身で果敢に挑んだJCは見せ場なく惨敗。現状、3勝クラスでも厳しく、前走は前崩れの展開に恵まれての3着。G2では買いにくくて。8.アドマイヤハレー出遅れ癖のある馬。前走・AJCCは出遅れ。「途中からハミを取らなくなってしまいました」という話です。過去には不良馬場でも好走歴があっただけに案外な内容。不良馬場の2200mではスタミナ面も厳しかったか。前々走も出遅れ。1000m過ぎから早めにマクっていきましたが、抜群の手応えで直線を迎えて楽に押し切りました。勝ち時計の2.11.8も優秀。当時は超高速馬場で、相手に恵まれた面もあります。更に距離が延びて良さが出るとは思えず。マクって隊列を崩す可能性があるので、嫌な存在ではあります。10.クロミナンス長持ちしやすいロードカナロア産駒で、キャリアはまだ11戦。前走・AJCCは終いが13.1秒と掛かり、レースを引っ張った前2頭までは展開不利だったと考えています。本馬は3.4角で手応えがなくなったとルメール騎手が話しており、少し前から離されましたが、直線ではまた伸びてきました。内目を通したのは不利で、価値ある3着でした。前々走はL2が10.9-11.2。この流れを差し切ったクロミナンスは2F連続で10秒台を使っています。ここも価値ある勝利。3走前はコーナーで外を回りながら1.44.9という優秀な時計で走破しています。1.3着馬はオープンでも勝利経験のある実力馬だったので、4着でも評価できます。本質的に良馬場の方が良いタイプで、前走ではボッケリーニに先着されています。また、2500mに延びるのも不安です。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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