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展望:スプリングSは1000m通過60秒前後とペースが流れやすいレース。皐月賞にも繋がりやすいレースです。締まった流れになるため、基本的には差し馬が有利ですが、今年は10頭立てで、これと言った逃げ馬も不在。おそらくペースは緩むでしょう。問題は日曜の風。日曜のレース時間には風速10mもの南風が吹く予報です。これは直線の追い風にあたるので、差し馬有利になりやすいと言えます。これだけ強力な風であれば、差し馬有利と考えて良さそう。土曜はようやく晴れになり、インも使える馬場になりました。内枠の差し馬から狙いました。なお、今回は内枠に力ある差し馬が固まり、その中での評価を差別化するために予想のファクターの中でラップの占める割合を高めています。
◎5.チャンネルトンネル前走は促して先行。直線では狭くなってブレーキが掛かりました。そこから再加速して1番の伸び脚で追い込んできましたが、0.3秒差4着。L2が11.1-11.3の余力ラップで前も止まってくれませんでした。スムーズなら勝ち負けだったはずで、更に距離延長のここでもやれるはずです。前々走・ジュニアCは超高速馬場だったとはいえ、勝ち時計の1.32.5は超優秀で、L5も57.7秒でまとめました。勝ったキャプテンシーはマイルC候補として考えています。4角で逃げた勝ち馬に離されましたが、終いはもう一度差を詰めてきました。0.4秒差でも高く評価できる位にレースレベルが高く、本命の決め手はジュニアCの2着を評価してのもの。実際にこの組は3着ポッドテオ、5着ソニックラインが次走ワンツーを決めています。チャンネルトンネルは不利あっての4着で、これらをすでに下しているのだから展開のアヤです。この低評価は俄然買い。鞍上の松岡正海騎手は中山>東京という成績になるのがデフォルト。長い直線を追う力が要求される東京よりも、小回りでトリッキーな中山向きの技術型の騎手です。
○1.ジュンゴールド新馬戦は残り200mだけで突き抜ける強い内容。終い11秒台前半を使っており、余力十分の差し切り勝ち。2戦目は後半5Fが57.8秒、後半4Fが45.8秒で、ラスト2Fも11.0-11.4で逃げ切り。相手も決して弱くなく、2着以下の馬も評価しているので、これらを相手に3馬身半差はさすがに強い。なお、このメンバーでL5基準をクリアしているのは本馬とチャンネルトンネルのみ。余力ラップでは、高い持続力と瞬発力を兼ね備えていなければ出せないL5基準を最も高く評価しています。前走の京成杯はずっと引っ掛かっていたこと、大外枠で外目を回されたことで全く伸びず。馬の後ろに入れる最内枠なら折り合いは付くはずで、巻き返し濃厚です。
▲3.ウォーターリヒト重馬場でL2が11.0-11.3の余力ラップになったオールナット戦の5着馬。この新馬戦からはプレリュードシチー・ジャスティンアース・メイショウタバルが出ており、余力ラップの中でも高い評価を与えられるレースでした。その後は地道に力を付けてきたという印象です。前走・きさらぎ賞はL2が11.1-11.3の余力ラップ。1000m通過60.2秒と流れたことや時計の掛かる馬場だったことを考えれば価値がかなり高いと考えています。全馬外に出していた中でもこの馬は最も内。このラップになると外すぎると間に合わないので、内を狙えたことは不利だとは考えていませんが、ハナ差2着は素直に評価すべき。前々走のシンザン記念は800m通過46.4秒のハイペースで後ろから。展開に恵まれていますが、力ある馬が揃った中での3着はここで実績最上位。坂の下りで勢いを付けるのが上手な印象で、中山がどう出るかだけ。
以下は無印の馬について。レース比較等、細かく精査しました。
2.ルカランフィースト新馬戦はL2が11.0-11.0の余力ラップ戦。2着馬ボーモンドをマークして、直線も手応え十分に差し切りました。なお、破ったボーモンドはジュニアCでは惨敗。外目を通して力み気味だったにしても負けすぎです。無印にした理由は、まず、ボーモンドを物差しに使うとこの馬は足りない計算になるから。前々走の京都2歳Sは出遅れて後方から。引っ掛かっており、それを抑えている間に、位置を悪くしました。見せ場なく惨敗。この気性面も軽視した理由です。前走・若竹賞もやや出負けして後方から。折り合い面は我慢できており、不良馬場の外差し馬場を生かして突き抜けました。この若竹賞の価値ですが、まず本馬はディープブリランテ✕フレンチデピュティという如何にも道悪で強そうな血統で、得意な馬場だった可能性が高い。相手には余力ラップで勝利した馬、僅差負けがある馬が揃ってはいましたが、余力ラップ該当馬の中でも少し見劣る馬が多かったと考えています。以上の理由から今回は消します。
4.シックスペンス新馬戦はL2が11.9-10.7。この終い10.7秒というのは、調べたところ、中山芝で歴代2位の記録になります。追い風が強くて出たラップではありますが、一定の評価は必要でしょう。2着馬に並ばれてからもうひと伸びしました。前走・ひいらぎ賞はすっと好位に付けて、直線は抜け出すだけ。ラップや時計が秀でていた訳ではなく、同日の新馬戦より少し上という程度でしょう。その同日新馬戦の勝ち馬ミラビリスマジックは菜の花賞を勝ち、チューリップ賞で6着と力ある馬。
ひいらぎ賞 後半5F 12.2-11.8-12.0-11.4-11.6(シックスペンス 上がり34.9秒)同日新馬戦 後半5F 12.2-12.2-12.0-11.4-11.9(ミラビリスマジック 上がり34.9秒)
この比較をどう見るかで評価が変わってきそうですが、ミラビリスマジックと同レベルでは……、というのが私の考え。レースセンスの高さで相手なりに走ってくるかもしれませんが、1番人気が妥当だとは到底思えません。あと、L2が11.6-10.9の新馬戦を勝利したショーマンフリートのその後が案外。シックスペンスと似たラップで勝利した馬が案外、というのも評価できない根拠です。
6.ペッレグリーニ未勝利勝ちはL2が11.5-11.3でL1基準をクリアしての勝利。2着馬に並ばれてから交わさせるような感じはありませんでした。前走・セントポーリア賞はスタートで接触。少し行きたがりましたが、折り合いは付いてじわっとリカバー。L2は10.7-11.1とかなり速い数字で押し切りました。同じくスローだった共同通信杯と比較してみましょう。
セントポーリア賞 1000m通過62.6秒 後半5F 12.7-12.5-11.9-10.7-11.1(ペッレグリーニ 上がり33.6秒)共同通信杯 1000m通過62.7秒 後半5F 12.7-12.2-11.4-10.9-10.8(ジャスティンミラノ 上がり32.6秒)
上がり33.6秒は、3着だったパワーホールの33.5秒より遅い訳です。スプリングSで勝ち負けする馬が共同通信杯上位馬よりも明確に弱いのでは寂しいと言わざるを得ません。もちろん、低レベル戦ということであれば、馬券に絡んでもおかしくありませんが、他に上のレベルの馬もいるメンバー。ここは切ります。
7.アレグロブリランテ新馬戦は特に言及することもないラップ。4角で内目から馬群を縫い、外目に出して差し切り。萩Sは特に不利もなく先行しましたが、伸びを欠いて殿負け。前走・若竹賞は不良馬場が味方しての2着だったと思うので、特に評価はしていません。
8.ログラール前走は小倉で、相手にも恵まれての楽勝。前々走は出遅れて、その後は外目をかなり引っ掛かって上がっていきました。3.4角でもかなり外目を回されての3着は好内容。新馬戦はL2が11.0-11.1の余力ラップ戦で、じわじわと追い込んできました。気性面が危うく、力としてもこのメンバーに入ると足りないでしょう。
9.コスモブッドレア新馬戦はL5が58.4秒と水準以上だったボルケーノ戦で2着。持続力の高さは見せていました。前走・京成杯は2番手から流れ込んだ形ですが、ハヤテノフクノスケに交わさせなかった3着は評価。前々走はトロヴァトーレの勝った余力ラップ戦で、0.4秒差ならさほど負けてはいません。決め手に欠けるので、先週までよりも馬場が回復してしまったのも良くありません。
10.スティンガーグラス新馬戦は1000m通過61.7秒。新馬戦にしてはまずまず流れましたが、その後がペースアップせず。L2が11.8-11.7の加速ラップを余力ある手応えで差し切り。評価が難しくて、数字以上の価値はありそうですが、ここで通用する力を持っているとは思えません。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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