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展望:ダイヤモンドSは長距離重賞らしく、道中はスローで流れて、後半5Fのロンスパ戦になりやすいレース。これはステイヤーズSも同様です。この型のラップになると、内で溜めて瞬発力の高さで抜け出す、という競馬は不要で、外からストレスフリーで追えることのメリットが高まります。実際、8枠の差し馬が好成績を残しています。ただ、今年は少頭数で枠順はあまり関係なさそう。57.5キロ以上の重ハンデを課せられた実力馬は差しての好走率が高く、差し馬なら特に嫌う必要はありません。51キロ以下の軽ハンデの馬は先行させての粘り込みが見込めます。単勝オッズ50倍以上の大穴も馬券に絡んでくるレースで一筋縄ではいかないでしょう。ここは高い持続力を備えた差し馬から狙います。
◎3.トロピカルライト前走はスタートで躓いて後方から。最後は1頭別次元の脚で、上がり35.8秒は次点に0.7秒差も付けるダントツの数字でした。前々走は1000m通過63.1秒の超スローペースで前に残られての敗戦。過去最速の34.1秒の上がりで終い急追する好内容。問題は一気の格上挑戦という点ですが、ここ3戦は1勝クラスとしてはメンバーが揃った方。時計の掛かる馬場の長丁場ならすぐに勝ち上がれる馬でしょう。3勝クラス在籍馬なら現実的に穴をあけられるレースですが、1勝クラス勝ちということで49キロ。実力を考えれば、かなり恵まれたと考えています。格上挑戦で活躍しているのも4歳馬が中心。決め手に欠ける分、なかなか勝ち上がれなかった馬ですが、ここ2走の内容から力を付けてきています。また、3400mならそう速い上がりは要りません。脚を溜めるのが上手い丸田恭介騎手で一発あるでしょう。
○1.ワンダフルタウン若い時からあまり速い上がりを使えず、持続力の高さを武器にしている馬。前走の万葉Sはインをロスなく回っての5着。3着とは差のない競馬ができており、長距離適性は見せました。青葉賞以来、馬券内がありませんが、実はあまり悪い競馬はしていません。前々走・中日新聞杯は大外枠からスタートひと息で位置が取れず。3走前の小倉記念は暑さが堪えたという話です。鳴尾記念は惜しい4着。金鯱賞はインで位置を悪くした挙句、直線で狭くなる不利あり。中山金杯は大幅馬体増。2年前の中日新聞杯はインで狭くなる不利。終わった馬ではなく、どこかで穴をあけてくるだろうと考えていました。まず、追走力のなさは長距離&少頭数ということで補えるでしょう。決め手のなさに関しても、長距離で上がりが掛かることで補えるはず。ようやく買える条件で、穴をあけるのはここだと見ています。
▲9.テーオーロイヤル前走・ステイヤーズSは33.9秒の上がりを使って差し届かず。中山の芝3600mで33.9秒の上がりで差してきたのですからむしろ強い競馬をしています。長期休養明けの前々走・アルゼンチン共和国杯は直線でマイネルウィルトスに寄られる不利。58.5キロを背負いながらしぶとく伸びていましたが、残り100mで脱落。陣営が「本当に良かった頃に比べるともうひと息の感が」と述べていたことを考えれば上々の結果だったと言えます。2年前に関しては、JCはスローの上がり勝負、アルゼンチン共和国杯は不利、オールカマーはインを通った馬しか来られない馬場、というように、実力を出せる舞台ではありませんでした。2年前の覇者で、前走で差す競馬に回ったことも評価できます。
△6.ニシノレヴナント前走は1000m通過60.5秒で、差し有利の展開。差す競馬で恵まれたとはいっても、中山で33.9秒の上がりは立派です。3勝クラス上位のキングズパレスを差し切ったのも高評価。翌日の有馬記念の上がり最速はドウデュースの34.3秒でした。勝ち時計の2.32.0も3勝クラスだったことを考えれば上々でしょう。前々走はスローだったとはいえ、やや重でL2が10.8-11.4の余力ラップ戦に。メンバーも揃っていて、5着だったメイショウブレゲは万葉Sを勝ちました。ここで上がり33.5秒の3着なら重賞でも力差はないでしょう。東京でも勝っているので問題ありません。
以下は無印の馬について。
2.ヒュミドール昨年は田辺騎手がインの前目で脚を溜める好騎乗が光っての2着好走。前々走が骨折明けで、ここ2戦は坂路のみの調整だったとはいえ、負けすぎていて、どこまで一変できるか。今回も坂路とプールでの調整でコース追いがありません。最終追い切りは坂路で一杯に追い、自己ベスト更新こそ更新していますが、コース追いができていない現状では……。昨年は好騎乗にも恵まれたので、鞍上替わりも強調できなくて。4.メイショウユズルハ初芝。ディスクリートキャット産駒はダートに良績が偏っています。母もダートで勝ち上がった馬で、その産駒もダート向きのタイプばかり。前走ダートを使って勝った馬にケイアイドウソジン(2012年)がいますが、芝で頭打ちになったからダートを使ったという馬。他、ダート馬は1頭も来ていません。現実的には買いにくくて。5.ワープスピード前々走は3.03.7という好時計での勝利。万葉Sを勝ったメイショウブレゲを封じ込めての勝利は評価が必要です。前走・ステイヤーズSは位置を取ってくるか少し疑っていましたが、離れた5番手で比較的良いポジションを確保できました。勝負どころと直線ではインを回ってくるロスのない競馬ができました。4走前のジューンSは大逃げの2番手だったとはいえ、完全な差し決着を前目から粘る強い内容。前走でテーオーロイヤルにはしっかりと交わされているので、その点がどうか。7.ハーツイストワール長期休養明けの前々走・アルゼンチン共和国は坂路追いのみの調整。疑っていましたが、一旦は2番手付近まで浮上して見せ場十分でした。最後は息切れしたものの、長期休養明けだったことを踏まえれば上々でしょう。前走・日経新春杯は南Wでも追ってきて上積みがありそうでしたが、後方のまま惨敗。鞍上が「京都のコースと馬場が合わなかったようで……」と述べていました。気になるのが天皇賞(春)での惨敗。当時、ルメール騎手が「2400mまでは手応えが良かったです。こういう馬場で突然止まってしまいました」と述べていました。やや重がマイナスだったとはいえ、6.0秒差は看過できない負け方です。8.サリエラ3走前の目黒記念が後半5~6Fのロンスパ戦。ここで終いまでしっかり伸びたのは評価できる内容で、持続力の高さは示しました。前々走の新潟記念が案外な敗退。ルメール騎手は「返し馬からあまりいい感じではありませんでした」と述べていました。前走のエリザベス女王杯は内枠が恵まれたレース。外枠から外々を回される不利な展開になりましたが、終いまで脚は使っての上がり最速をマーク。目黒記念の好走である程度の目処は立ったとは思いますが、やはり3400mはやってみなければ分かりません。13秒台を何度も刻むラップでしっかりと折り合えるかどうか。10.グランスラムアスクテンが遅い逃げ馬。2.3勝クラス勝ちは押して押してハナに立ち、厳しいペースを逃げ切りました。昇級戦と前走は初角まで短いコースで逃げられず、3走前のブリーダーズゴールドカップはすぐに前に入られて逃げられませんでした。前々走・愛知杯は1000m通過57.4秒のオーバーペースに。前走・白富士Sは控える競馬で早々に沈みそうでしたが、手応えの以上のしぶとさを見せて、2番手のシルトホルンを最後には交わしていました。今回、3400mなので逃げは叶いそう。前走のしぶとさを3400mで見せられるかどうか。2000mが過去最長距離では、狙いにくいのが本音です。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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