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根岸ステークスは重賞の中でも差しが決まりやすさは随一。ペース・馬場状態問わず、差しがバンバン決まります。今年は徹底逃げ馬不在とはいえ、逃げ先行馬の頭数は揃いました。おそらくは、35秒台で流れていくのではないでしょうか。馬場について。土曜は含水率が高めの良馬場だったため、凍結防止剤の影響を受けていましたが、午後になるにつれて影響は薄れていったように思います。日曜はもう少し乾くはずなので、時計の掛かる良馬場として捉えて問題ないように思います。気になるのは、インを通した馬が恵まれていたこと。馬場は基本的にインコースから乾くので、外は凍結防止剤の影響を受けて走りにくいという可能性もなくはないと考えています。東京ダートは稀に、内枠しか走れないような馬場になることがあり、たとえば2021年のフェブラリーSの日がそうなりました。あくまでも可能性の話で、馬場は読みにくいものですが、差し馬の中でも内枠を引いた馬から狙います。
◎3.フルム出遅れ癖や出脚の鈍いところがありましたが、3走前から位置を取れるようになりました。その3走前・ペルセウスSはスローペースの前残りに。終いは前と脚色が同じになりましたが、楽に逃げられたヘリオス、オープンで崩れていないエーティーマクフィに次ぐ3着なら上々の結果です。前々走・霜月Sは先行したものの、ハイペースに巻き込まれる形に。先行馬の中で残ったのはデシエルトと本馬だけだったと考えると価値の高い5着です。前走・コールドムーンSはハイペースを控える形に。直線では前が壁になって仕掛け遅れましたが、エーティーマクフィをギリギリ捉えました。非常に強い内容で、ここでも通用するはずです。また、この時がタフなダートだったので、今の東京のタフなダートもプラスになると予想しています。ペースに応じた位置取りを取れれば、終い、速い上がりを使って伸びてくるでしょう。
○12.タガノビューティー前走・武蔵野Sは超が付くほどのハイペース。中緩みがなく、2F目からどんどんと減速していくラップになりました。この型のラップでは内をロスなく回る必要があるので、インをロスなく回ってきたタガノビューティーは恵まれています。後方からの競馬も恵まれましたが、2着なら上々の結果です。前々走のマイルチャンピオンシップ南部杯は上位馬の上がりから推するにスローペース。レモンポップが圧勝したのは後続が情けなかったからだと見ていますが、タガノビューティーは後方から上がり2位の35.3秒をマーク。この馬だけは良い競馬をしています。3走前のプロキオンSは歩様が乱れての大敗。伸びてはいたので、スムーズなら3着はあったと思います。かしわ記念は外からスムーズに加速した馬が恵まれたレースで、同じく外から加速できたメイショウハリオとクビ差なら上々の結果です。昨年の根岸Sはレモンポップ・ギルデッドミラー・バトルクライと相手が強すぎました。0.3秒差の4着ならこのメンバーでは上の存在でしょう。
▲5.ベルダーイメル前走・カペラSは1200mのペースに追走に苦労しました。勝負どころでは外に出さず、内目を突く好騎乗で上がり最速の6着。前が残る展開だったことを考えれば上々の結果です。前々走・武蔵野Sは中団やや前目を追走。内をロスなく回った馬が有利なラップの中、外に出すのが少し早かったと考えています。終いはしぶとく伸びて、3着とは0.2秒差。悪くない内容です。3走前のグリーンチャンネルCは800m通過46.6秒でも馬場を考えれば速くはなかったか。オメガギネスは別格にしても、60キロを背負ってペリエールを競り落としたのは評価できます。不良馬場とはいえ、1.34.9の走破時計も速い水準。柴田善臣騎手なら無理せず乗ってくれるはずで、非常に怖い存在です。
△10.サンライズフレイムずっと有利な外枠を引いていますが、砂は何度も被っているので問題ありません。揉まれる競馬も、2戦目を見る限り、問題ありませんでした。この2戦目が唯一の敗退ですが、世代限定の1勝クラスとしては超好時計での3着なので気になりません。重賞でも通用する馬で、高速上がりも使える馬。高い評価を与える必要があると判断しますが、あまりインに入れることはしなそうで、ロスある競馬を選択しそうな点を割り引きました。
以下は無印の馬について。
1.アイオライト前走・ギャラクシーSは道中で揉まれる場面もありましたが、勝負どころでは外へ。ハイペースの中、残り100m付近までは先頭でした。揉まれ弱い印象を抱いていましたが、6走前の令月Sでは1番枠で揉まれながらも2着に好走。揉まれても問題なさそうです。重賞の中でも差しの決まりやすい根岸Sという点がカギ。59キロから57キロに減るのは有利です。2.ヘリオス前走・武蔵野Sはハイペースを先行する形に。ペースを読んでか、鞍上の菅原明良騎手が少し下げるところがありました。直線は伸びずバテずの競馬で、3着と0.4秒差なら10着という数字ほど悪くはありません。前々走・ペルセウスSはスローの逃げに持ち込んで押し切りました。おそらくは東京ダート1400mがベスト舞台。自分で競馬を作れば止まらない馬。スローで逃げられれば、穴をあけても。4.ライラボンドハイレベルだった3勝クラスの甲州街道Sでは、ハイペースを先行して4着に残した馬。この内容からオープンでも通用すると思っていましたが、出遅れ癖と追走力のなさが出世を妨げている印象。芝スタートの方が位置を取れる馬で、ダートスタートのここは買いにくい。6.シャマル前走・プロキオンSは除外で、前々走のさきたま杯は競走中止。それから長期休養を挟んでと、臨戦過程はかなり不安です。3走前のかしわ記念はスローの加速ラップで、外からスムーズに加速できた馬が恵まれたレース。シャマルはインで動けない位置に入っていたので敗因はしっかりあります。4走前の黒船賞は砂の深いインコースを通して3馬身差の完勝。地方交流重賞ばかり使っていますが、チャンピオンズカップ5着から力は足りるでしょう。とにかく臨戦過程がカギ。7.エンペラーワケア前走は3F通過33.6秒という超ハイペースを4番手から。4角では早めに2番手まで進出。これで3馬身半差を付けたのなら重賞級は間違いありません。前々走は3F通過35.7秒のスローで、36.4秒という速い上がりをマークしました。今回、35秒台にはなるはずなので、先行して押し切れるかどうか。8.ピアシック高い上がり性能を備えた馬ですが、近走は最速上がりを使える率が減っています。また、1400mを使った3.6走前は上がりが37秒台と脚色が鈍っています。衰えと1400m。この2つの課題があるようでは厳しいでしょう。9.エクロジャイトマイルへの短縮がカギ。スタートが上手い馬ではなく、二の脚も速い訳ではないので、1400mでは行けないのではないでしょうか。2歳時のオキザリス賞ではスタートで出遅れて後方から。見せ場が全くありませんでした。やはり行ってこその馬。強引に押して先手を取るとペースアップするので、展開のカギを握る1頭でしょう。11.パライバトルマリン逃げ切った1勝クラスが超好時計。タフな馬場で1.36.7なら3勝クラスを勝てる水準です。前走のクイーン賞はハイペースで逃げて0.7秒差なら悲観する内容ではありません。1勝クラスを勝った時よりも成長しているはずで、それを考えればここでも通用はしそう。速い上がりを使えるイメージのない馬の先行脚質は割り引きました。13.オマツリオトコ前走・神奈川記念は一瞬見せ場があったものの、残り100mで失速。4着には6馬身差を付けられました。サマーチャンピオンでは2着に好走しましたが、上位馬の上がり時計から推するに、スローペースでした。また、54キロも恵まれていたはずです。今回は56キロ。手が出にくいのが本音。14.アルファマム前走・霜月Sは3F通過34.4秒のハイペース。道中はインをロスなく回り、直線は少し外目に。馬群を割って差し切りました。1.22.7の勝ち時計は優秀です。前々走のペルセウスSはスローペースにハマって不発。また、モタれてもいましたが、この点に関しては前走、左にチークピーシズを着用して改善しています。5走前の麦秋Sは故障した馬を避ける大きなロスが響いての惨敗で度外視。左回り巧者で、末も堅実。もう少し内枠が良かったかなという印象は受けていますが、力自体は通用するでしょう。15.ケンシンコウ昨年の根岸Sは6着まで追い込んできました。昨年のパフォーマンスでは足りないので、もうひと押し利かせるためには、得意の道悪になって速い上がりを使うことが必要でしょう。良馬場では買いにくい。また、最大の問題は長期休養明けという点。16.アームズレイン前走・りんくうSは逃げ馬が多すぎて先行できず。今までで1番控える競馬をしながら1馬身半差の完勝は評価できます。また、終いの1Fを12.4秒でまとめたのも優秀で、これだけ速いのなら距離延長をこなせる担保はあると言えるでしょう。3歳時のファルコンSはスローを先行。残り200mを切ってから交わされましたが、大きく止まった訳ではありません。前走同様、差す競馬なら1400mは持つとは思います。ただ、前走は外で揉まれない競馬ができました。揉まれて良いとは言えないので外枠はプラスですが、それと同時に外を回すこと自体が不利で相殺されるイメージ。
L2は後半2F・ラスト2Fを意味しています(Lはラストの「L」になります)。2Fまとめて24.0秒などと記すこともあれば、12.0-12.0のように1F毎に記す場合もあります。L5やL4も同様です。
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