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AJCCが開催される時期の中山芝はインが荒れていて、外差しが決まりやすいのが特徴。ただし、今年は例年にない程の高速馬場が続いていて、内枠先行有利の傾向も強くなっていました。日曜は大雨の予報で一気に馬場が悪化。これでインの優位性はなくなるでしょう。中山芝2200mはスタート後、3F目までが上り坂のためスローになりやすいのですが、その後は下り坂のためペースが引き上がります。3コーナーの角度が緩く、そこからのマクり差しが決まりやすいと言えます。先行馬こそ少ないものの、雨の影響で例年通り、外差しが決まると予想しました。
◎4.ショウナンバシット重馬場の1勝クラスは先行して快勝。同じく重馬場だった皐月賞では馬場の悪いインをスルスルと進出していったように、道悪の鬼だと考えています。
前走・JCはイン有利の中、外目を追走してロスが大きくなりました。上がり34.8秒ならそこまで悪い結果ではありません。前々走・菊花賞も外目を回されたことと、勝負どころで馬群の中で動けなかったことが響きました。ジリジリと伸びてはいます。3走前の神戸新聞杯は後半に10秒台を2度刻むというレースになりましたが、インをタイトに回ってくる最高の騎乗はできました。終いこそ脚色が鈍りましたが、高い水準の持続力と瞬発力が要求されたレースで0.4秒差なら上々の結果です。4歳馬の中で1枚落ちるとは考えていません。向く舞台にならなかったり、舞台に沿った競馬ができていないだけです。
今回は適性ある馬場で走れるのが魅力大。「道悪のデムーロ」と言われる通り、デムーロ騎手の外を回す大味な競馬は道悪に向くのですが、横山和生騎手も芝の道悪を得意としています。乗り替わりもマイナスにならないと考えて本命とします。
○9.カラテ前走・宝塚記念は二桁通過順の馬が上位独占したレース。先行しての大敗なので度外視で構いません。前々走の鳴尾記念は直線、伸びかけたところで前が壁になる不利が響きました。3走前の新潟大賞典では道悪で強いところを見せました。セイウンハーデスとは0.1秒差でしたが、3着に8馬身差を付ける完勝。4走前のJCは不得手な瞬発力比べに。2400mで0.7秒差なら2200mは守備範囲でしょう。おそらく、道悪の鬼であるのに案外売れていないのは距離面を心配されているのだと思われます。5走前の天皇賞(秋)も2番手以下はスローの瞬発戦になりました。長期休養明けがカギですが、元々、休み明けから走る馬です。8本追い切っていて過程も悪くありません。まだまだオッズが甘いと考えて対抗とします。
▲12.ボッケリーニ前走・鳴尾記念は1000m通過こそ59.9秒でしたが、5Fが11.5秒と、ペースアップが早くなりました。結果、差し有利の展開に。道中はインで、直線も最内を突く競馬で恵まれてはいます。決め手に欠ける勝ち切れないタイプで、2着に健闘したことを評価しておけば問題ないでしょう。前々走・京都大賞典は開幕週でイン有利のレースに。プラダリアとの競り合いには敗れたものの、2着なら頑張っています。3走前の宝塚記念はインで動けませんでしたが、直線はインの狭いところを捌いて伸びてきました。G2なら上位の力を持っていて、中山も道悪も得意。これ以上、評価は下げられません。
△7.アドマイヤハレー出遅れ癖のある馬。チークピーシズを着用した前々走も出遅れて後方から。3F通過が37.0秒、5F通過が60.3秒と速くないペースだったというのに、縦長馬群になり差しの利かない展開になりました。上がり33.6秒と終い伸びてはいます。距離を延長した前走もまた出遅れましたが、非常に高いパフォーマンス。1000m過ぎから早めにマクっていきましたが、抜群の手応えで直線を迎えて楽に押し切りました。勝ち時計の2.11.8も優秀。重馬場と不良馬場では、競走中止を除けば2度とも馬券内。今回、マクれるような馬場・展開になるはずです。田辺騎手も脚を溜めるのが上手いからか、道悪芝の成績が良好。一発あっても。
△11.チャックネイト前走・アルゼンチン共和国はペースが流れたので展開自体は向きました。終いは早めに抜け出したマイネルウィルトスを追い詰めています。ヒートオンビートと同着の3着なら評価できる内容です。前々走は好メンバーの揃った3勝クラス。外から差してきたエンドウノハナと並んでからは抜かせませんでした(ただ、外に斜行して制裁を受けてはいます)。2.24.0も重馬場ということを考えれば十分な好時計。3走前からセン馬に。外枠が響いて届きませんでした。去勢効果があるのか、力を付けてきている印象です。道悪も得意としている以上、押さえます。
以下は無印の馬について。
1.マイネルウィルトス前走・ステイヤーズSは逃げ切った馬に展開が向きました。2着テーオーロイヤルは33.9秒の上がりを使っており、3着は全く悪くありません。前々走・アルゼンチン共和国杯は一旦は完全に抜け出しました。ゼッフィーロの決め手には屈したものの、2着ならやはり力があります。3走前の京都大賞典は出遅れ。3.4角では外に進路を求めましたが、直線はインへ。そこからまた外に出すチグハグな競馬に。前が残る中、後方から上がり最速の脚は使っています。展開不利を考えれば及第点でしょう。4走前の新潟記念のような高速上がりを要求されるレースは向きません。道悪は得意なので、最内枠と、先行型の横山武史騎手がどう乗るかでしょう。2.クロミナンス2戦目から3連勝を飾った素質馬ももう7歳になりましたが、長持ちしやすいロードカナロア産駒で衰えは感じさせません。前走は後半2Fが10.9-11.2。この流れを差し切ったクロミナンスは2F連続で10秒台を使っています。前々走はコーナーで外を回りながら1.44.9という優秀な時計で走破しています。先着された3頭は全てオープン入り。内、勝ったアルナシームと3着パラレルヴィジョンはリステッドを勝利しています。非常に高く評価できる4着です。3走前の1.57.8も優秀な走破時計で上位馬はオープンで通用しています。この2000m戦でも34.0秒の上がりで終い伸びてきていることから2200mはこなせるはず。ただ、重馬場の中山で惨敗している以上、強調はできません。3.モリアーナ前走・秋華賞は出負けして後方から。直線はインを突いて3着争いには加わる5着で、ペースが緩んだことを考えれば、及第点の内容でしょう。前々走・紫苑Sも出がひと息で後方から。ハイペースで展開こそ向いてはいますが、直線ではとても間に合わないだろうというところから差し切る驚きの内容でした。元々、好ラップで新馬戦を勝っていて評価していましたが、3走前から手綱を取った横山典弘騎手で真価を発揮した印象です。紫苑Sの強烈な末脚を見るからに2200mは問題なさそう。高いパフォーマンスを発揮したのが、高速馬場だった新馬戦と紫苑S。どちらかといえば、高速馬場向きでしょう。道悪もこなせる範囲内でしょうが、鬼レベルの馬が揃っていては……。5.ホウオウリアリティサウンドトゥルー、アナザートゥルースの半弟。決め手に欠くタイプなので時計は掛かってくれた方がプラス。2走前は不良馬場を味方にギリギリ押し切りました。昇級戦の前走・アンドロメダSはハイペースを控える競馬で、展開は向いています。13番枠からすぐインに入れたので外枠の影響もなく、道中・直線もインをロスなく回って来られました。伸びてきましたが、残り100m付近で失速。道悪得意とはいえ、道悪巧者の揃ったG2では厳しいだろうと判断します。6.サンストックトン前走・ディセンバーSは10番枠でしたが、すぐ内に入れて外枠の不利は防げました。手応えはあったものの、インで完全に前が壁になりました。+14キロも太かったようなので、絞れてくれば。前々走・オクトーバーSは縦長馬群になって差せない展開に。終いまで脚は使っています。3走前はハイペースにも恵まれていますが、好メンバーの揃った一戦での勝利は評価できます。追走力に欠けるが故にオープン入りが遅れただけで、重賞でも通用する力を持っています。鞍上のキングスコート騎手はマイナス。日本への適性が高いとは思えません。8.シルブロン前走・ステイヤーズSは上がり34.4秒を使っても圏外になるようなレースで、完全に展開が向きませんでした。前々走の札幌日経オープンは勝負どころで外から被される厳しい競馬に。2着争いには加わりました。+12キロも太かったようです。3走前のメトロポリタンSはスローペースが響いた面もあるかと思いますが、それにしても伸びが案外。道悪も影響したのかもしれません。4走前のダイヤモンドSは終い一杯になってしまいましたが、レコード決着だったことを考えれば及第点。5走前に3勝クラスを勝ち上がり。展開自体は向きました。馬場の悪化がプラスになるかも疑わしい上に、中距離のG2でメンバーレベルが高くなっては……。ピーヒュレク騎手も日本競馬の適性が低いと考えています。10.ラーグルフ前走・札幌記念は馬場の悪いインを突く競馬になりました。にしても全く見せ場もなかったようでは適性面に怪しさを感じます。前々走・大阪杯は直線で進路を探しながらの競馬に。G1だったことを踏まえれば、0.7秒差はそう悪くはありません。3走前・中山記念は外枠でロスの多い競馬になりながら、ロスなく乗った勝ち馬を追い詰める好内容の2着。2200mもカギ。3歳時のセントライト記念は好メンバーが揃ったとはいえ、終いに脚色が鈍っています。
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