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有馬記念は道中、13秒台のラップを刻まなければ、前が残れない非常にタフなレース。近年はキタサンブラックがいる年しか先行有利になっていません。ハイペース耐性の高いタイトルホルダー、ブリンカー着用のディープボンドがスローで逃げる可能性は低い。タイトルホルダーは2022年の日経賞をスローで逃げ切ってはいますが、当時はデキがイマイチという話で無理をさせなかったのでしょう。その後にスローペースに落としたことはありません。今年の中山芝はまだ速い時計が出ていますが、開幕週から比較的差しが利きやすく、例年通りの傾向になりそう。4角で馬群が凝縮して差し馬が届くいつも通りの有馬記念になると予想します。
◎8.ライラック前々走の府中牝馬Sが驚く内容で、かつて33.9秒の上がりが最速だった馬が33.0秒の上がりを使って3着に好走しました。1800mで先行できた点も評価できます。今まで出来ていなかったことが出来るようになったのは成長の証。前走のエリザベス女王杯は位置取りが後ろすぎました。スローの上がり勝負になっただけに、もう少し位置さえ取れていれば、馬券内だったでしょう。今回はむしろ積極的に控えて欲しいと考えています。中山は得意舞台で、スターズオンアースやスルーセブンシーズが厳しい枠に入った今回、この馬しか見えていません。
○16.スターズオンアース本命予定でしたが、試練の大外枠。初角まで192mしかないコースなので、思い切って出していくか、控えるか、ルメール騎手がどちらか極端な競馬をしてくるだろうと考えています。ジャパンカップは外枠で、上位馬が全てラチ沿いを確保したのとは対照的に、道中も内から2頭目。枠の不利がありながら3着はやはり強い。ペースの流れた大阪杯は道中で脚を削られているはずですが、次点に0.5秒差を付けるダントツの34.4秒をマーク。このレース内容から、高い水準の持続力も兼ね備えている馬です。大外枠の不利以上に人気が落ちたなという印象を抱いています。ルメール騎手を信頼して対抗にします。
▲5.ドウデュース前々走の天皇賞(秋)はハイペースを追走しすぎたので、止まるのは致し方ありません。イクイノックスが強すぎただけです。前走・JCは内枠でロスなく乗ることができました。ペースを考えれば、もう少し位置を取れればベストだったかもしれません。終いはリバティアイランド・スターズオンアースと脚色が同じに。今回、有馬記念をよく分かっている武豊騎手に手戻りするのはプラスでしょう。思い切り溜めて乗ってくれそうです。日本ダービーは後半5Fを57秒台では走破しており、高い持続力も持ち合わせています。好枠を引けたのもプラス。例年よりも時計が出ている中山芝も良いはずです。
△10.ジャスティンパレス33秒台の上がりを持っていなかった馬が、天皇賞(秋)で33.7秒をマーク。ライラック同様、成長の証でしょう。持続力を武器にしているディープインパクト産駒。宝塚記念は4角で追っ付け追っ付けになりましたが、最後までしぶとく伸びていて好内容です。昨年も決して悪い内容ではなく、先行して、最後は馬場の悪いインを突いて伸びてはいます。中団から差す競馬をして欲しいのですが、横山武史騎手が今回は出していく可能性も考慮して評価を下げました。
☆1.ソールオリエンス秋2戦のセントライト記念と菊花賞はかなり外目を回るロスの多い競馬になりました。今回、川田騎手に依頼したのは、おそらく位置を取って欲しいという意味が込められているのではないでしょうか。先行させる能力は非常に高い騎手なので、ここ2走よりは位置を取ってこられそうですが、それが裏目に出ないか心配しています。最内枠という極端な枠がプラスに出るかどうかもかなり怪しいと考えています。とはいえ、個人的に世代最強馬はこの馬か、レーベンスティールだと考えています。押さえる必要はあります。
☆9.ヒートオンビートタフなレースの方が得意な馬ですが、道悪はからっきし駄目な馬です。そのため、前々走の京都大賞典は度外視で構わないでしょう。前走・アルゼンチン共和国杯はインをロスなく回ってきましたが、直線で外に出しにくくなり、脚を余した格好になりました。G2を中心に使ってきていて、G1は天皇賞(春)の4着しかありませんが、この4着が差し馬として最先着。G1でも馬券内ならあって良い馬で、軽視は禁物です。
☆15.スルーセブンシーズ宝塚記念は進路を切り替えるロスがありながらイクイノックスとクビ差。スムーズだったら大金星を挙げていた可能性があります。中山では7回走って一度も馬券を外していない通り、ここは向く舞台です。中山牝馬Sはペースアップの遅い2F戦だったとはいえ、33秒台を使えたのは評価すべき内容で、このレースから力を付けていたのでしょう。枠は不運ですが、決め打ち型の池添騎手なので、すぐ下げていくだろうと考えています。
以下は買わない馬について。
2.シャフリヤール瞬発力を武器にするディープインパクト産駒。持続力を武器にするディープ産駒なら長持ちしますが、瞬発力型は年齢と共に衰えやすい傾向にあります。ダービーが最大のパフォーマンスと見ている馬で、当時の力だけで戦っている印象を抱いています。この舞台では厳しいでしょう。
3.ホウオウエミーズ条件自体は向くだろうと考えていますが、能力で通用するかどうかがカギ。今年の中山芝はまだ速い時計が出ており、ひと雨欲しかったのが本音です。
4.タイトルホルダー前走・JCは超大逃げの2番手でしたが、2番手以下はスローペースに。これでは切れ負けしてしまいます。3番手にイクイノックスが付けたことも運の尽き。にしても、上がり35.0秒は掛かったなという印象で、決して高くはないパフォーマンスでした。やはり外からの押し上げが利かない阪神でこその馬です。有馬記念は4角では馬群が凝縮しやすいので、差されるだろうと考えています。
6.ディープボンド今回はブリンカー着用で挑みます。効果さえあれば、タイトルホルダーの2番手には付けられそうで、マーカンド騎手も出していける騎手です。追える騎手なので手は合うでしょう。個人的には前走でこそ、ブリンカーを着用してほしかったと考えています。有馬記念で先行策は厳しくなるでしょう。
7.アイアンバローズ今年のステイヤーズSは超スローペースで、後半の11秒台も2回だけでした。2着のテーオーロイヤルが33.9秒の上がりを使っても届かなかった通り、展開には完全に恵まれています。ここでは力は足りず、流石に厳しいでしょう。
11.ハーパー元々、速い上がりを使えないという理由であまり評価していない馬です。エリザベス女王杯は34.8秒の上がりで来られる展開になったこと、3番枠と好枠だったこと、が好走要因でしょう。持続力に関しては高いものを持っており、有馬記念向きではありますが、おそらくは先行してくるはず。先行策では厳しいと考えています。
12.ウインマリリン前走・BCフィリー&メアターフはスタート後、挟まれて後方からに。スローペースだっただけに、後ろになったのが痛かったと言えます。オールカマーは大外枠でしたが、すぐにインに潜り込んでロスは防ぎました。先行馬不利の流れではありましたが、手応えがなくなるのも早すぎた印象です。まだ良化途上だったとはいえ、能力に陰りはありそう。12番枠と外枠にも入りました。近走のパフォーマンスからは買いにくい馬です。
13.タスティエーラ今年のダービーはスローペースで、時計も平凡。メンバーのレベルはともかくとして、ダービー自体は凡戦だったと考えています。菊花賞の2着はソールオリエンスとの進路差が出たもの。ハイペースを前付けして粘り込んだ皐月賞のパフォーマンスが最も高かったと思いますが、今回は当時のように追走力が要求されたり、重馬場になったりはしません。中山自体は向く馬ですが、今回、位置を取ってきそう。枠も悪く、今回は差されるのではないかと危惧しています。人気の一角だけに怖いのは確かですが、思い切って消しとします。
14.プラダリア前走・京都大賞典はイン前をロスなく立ち回れたのが勝因です。上がりのかかるレースの方が良い馬なので、悪くはない舞台だと考えていますが、ほぼノーミスで乗れた宝塚記念で6着。先着された馬が3頭いて、力不足でしょう。枠も不利です。
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